環境社会学研究第12号2006/11/02 23:06


私は、環境社会学会の一応、正会員なので、機関誌が年に1回送付されてくるが、それが「環境社会学研究」と言う雑誌で今回は12号となっている。

B5版の分厚い立派な製本の雑誌で有斐閣が出しているだけあって編集は本格的。今回の特集は、「世界遺産」である。

「世界遺産」と環境社会学、これまでの私の認識では関係は、それなりにあるだろうと思っていたが、それ程注目していなかった。

以前、TVでSONY提供の番組で短いのがあったが、多くは美しい自然とか文化財と「かけがいの無い地球」のイメージがコラボしている作り方。

「かけがいの無い地球」と「環境」とはたしかに関係しているが、これに社会学がくっついたらどうなるのだろうか。

正論では、かけがいの無い地球を守る為に世界機関、国家、行政、NPO、地域コミュニティがグローバルな連携を保ち問題に取り組むにはどうしたら良いのか。地域の美化、文化財の保全は、地域の活性化に役に立つと言う事で、ライトアップや様々なイベントで一般の人を引き付ける。

これは一種のセールス(商業主義)でもある。多くの観光客が莫大なお金を地域に落としていく。このお金で地域環境の保全の事業を行い、その結果、地域にもお金が落ちる仕組み。

問題なのは、そのセールスの為に、「つくられた文化遺産」のイメージが必要になってくる。

これは、必ずしも地域の生活者や住民、民俗の為にはならないのである。つまり、文化遺産の商業的なイメージを守る為に、昔ながらの町並みや家屋に住み、生活を続けなければならない。

実は、喜んで協力している人達もいるが、「健全な地域起こし活動」の影で泣いている人達もいる。あるTV番組で、東南アジア(たしかタイだったと思う。)の何世紀も続いた町並みを保存する為に、住民の改築が規制されている。必ず、設計、工事指示書等を監視担当者に見せて許可を得なければならない。

その指示に従って改築(景観を残す)を行う場合には、多くの費用がかかる。しかし、それへの一切の援助はないと言うシナリオ。

日本の場合にも地域起こし、循環社会(バイオマスプロジェクト)、町並み保存等のプロジェクトがある。多くの場合は、予算がおろされるが、恒常的に続く訳ではない。その認可を受ける為に「指導」に従い、「基準」を満たさなければならない。しかし、この基準を満たすと、実際には、持続的(経済的にも)活動が不可能となり、一切を助成金に縋る体質が出来上がってしまう。予算がうち切られたら全てが終わり。

また、この様なプロジェクトが公共政策で進められると之までの自主的(持続可能を目指して)住民主導のプロジェクトが吸収されて潰されてしまう可能性もある。

前置きの話が長くなったが、実は、「環境社会学研究第12号」には、白川郷、シレトコ、京都市における町屋保全と都市再生が論文のテーマに取りあげられている。合掌造りの家屋は、現代社会では住み良いものではない。江戸時代さながらの生活を送らねばならない住民達。

この地域の住民達にも現代的なアメニティを追求した暮らしを送る権利がある。また、新しく住居を建築するにも合掌造りまがいの建物を建てなければならない。果たして文化的な妥当性はあるのか。

社会学の場合は、「文化」とは生活者の視点にもとづいて「日常生活のやり方」の事を指す。

シレトコには、アイヌ民族が和人よりも長い間暮らして来た。しかし、文化遺産指定には、この様な民族的側面が触れられていない。生活者の立場を省みず、文化財、観光資源化された土地に、どんどん観光客が押し寄せてくる。日常の静かな生活が壊れていく。

文化遺産の保全を巡って、様々な社会的なコンフリクトや問題点が発生する。今回の論集は、「文化遺産」をこうした視点から捉えている点で多いに評価出来ると私は思う。

「死ぬ瞬間」2006/11/03 18:02


最近、色々と身近な人の死に出逢う事が多い。多く訃報は、突然伝えられて唖然とする事が多い。悲しさは、驚きの後にやってくる。親しい人の場合は、納棺や出棺の時も一緒であり、死装束や死者の表情等も見なければならない。非常に穏やかな表情が大部分であるが、どのような考えを持って彼岸に旅立ったのかは判らない。

人は死ぬ瞬間、どの様な事を考えるのだろうかに興味を持った私は、臨死体験の記録と思って『死ぬ瞬間』(E・キューブラー・ロス著、鈴木晶訳、中公文庫)を買い求めた。

電車の中でこの本を読んでいたので、読了まで3週間程度かかった。読み始めて見ると、私のこの書物への先入観は誤りである事が判った。

この本は、死ぬ瞬間について書かれているのではなく、末期ガン患者と神学生、医学生との対話を中心にまもなく寿命を終える患者達の心境を描いている。

末期ガンの患者も一種のコミュニケーション阻害の状況におかれる。この前に置かれたユキの場合と似ている。

やはり、医療・看護側から見た病気・闘病のイメージと、患者が経験している末期ガンの苦しみや死への恐怖や様々な感情が異なっており、意志の疎通が行われていない。

まず、苦痛なのは、食事や排便、ベッドでの寝起き等の介護が患者の希望する様に行われていない事である。

更にそれよりも苦痛なのは、末期ガン患者の心情が理解されないままにガン患者としてのスティグマを押され、医療従事者はおろか、家族、友人にまでラベリングを受けて、これまでの様なコミュニケーションが出来なくなる事だ。

この本は、こうした患者へのインタビューを記録したドキュメント資料であり、そこに著者の見解が最後に附されている。

まず、インタビューで重要なのは、患者への先入観(ラベリング)を持たない為に患者の病状については、患者から直接ヒアリングされるまで何ら情報を持たない(知らされない)事である。

この条件で始めて患者との真の人間的な対話が実現する。この本に収録されている患者の内、たった1件を除いて、全てが積極的にインタビューに応じ、その結果、患者側の疎外感が改善されている事である。場合によっては、症状が改善される事もある。

この様な調査から共通点を抜き出し、死への恐怖から死を受け入れるまでの過程を5つの段階に分けて記述されている。ここには、人が死を受容するまでの貴重な体験や考え方が記述されている。

この本が書かれたのは、1960年代であるが、1950年代後半からガンに罹病した患者達が中心となっている。当時は、医療技術を飛躍的な進歩を遂げて、患者の苦痛を和らげるよりも近代的・合理的医療が尊重され、手術の実績が評価された時代である。また、技術も発展途上であり、現在では、恐らく助かったであろうガン患者のケースも見られる。


しかし、何よりも大事なのは、ターミナルケアの精神が初めて記述された書物である点である。末期ガンにおいて、病院の規則やコンプライアンスよりも、患者の安楽と希望を持たせる事が重要な事である点について教えてくれている点である。

スーパー雷鳥とかニューフェース2006/11/03 21:34

スーパー雷鳥の新シリーズお目見え。
ZJゲージ発売後、マニアの間で大変な評判で第2弾が、先月25日頃?に発売されたが、直ぐに大箱毎売り切れてしまう状況。一人で数箱買う人もいるので驚いてしまった。

新製品の方がモーター車の動きがスムーズになったが、新しい線路は、丈夫そうだが、市電とか地下鉄の線路といった感じでもう少しプラスチックの色を黒色に変えるとか工夫が欲しかった。それと直線線路はついでいるのだろうか。それと問題点の追加としては、以前、3千円かそこら出して買ったコントロールユニットと端子の形状が違うので、付属のバッテリーパックしか接続出来ず。そのバッテリーパックも今ひとつの出来だ。

線路は、やはりメルクリンのものを購入しようと考えている。現在のレイアウトで線路でどれだけ苦労したか判らない。接着剤の腐食と電気を通すので、真鍮レールは大変脆く、直ぐに細かく折れてしまう。その場合は、レール接続用の小型の金物を2つ利用して両端にはめ込んで埋め込むのだが、その作業は、あきれる程、辛気くさい。

今回は、信号機を作成した。信号機は、プラスティック製の丸棒を塗装した。上げ下げの架台は、割り箸で簡易型を作った。ついでに町並みや河の護岸工事、駅舎の安全柵等を作り、最後に線路の道床のサビだし塗装を行った。A液を取りあえず塗っておいて、その後でB液を塗ると1時間位で錆びてくると言う。

踏切が出来上がった後の感じは、やはり、少しリアル感が増すかなとの印象を受けた。

モーター車のメンテ2006/11/04 17:01

IXYDIGITAL70で撮影 フラッシュを炊きました

ZJゲージのモーター車は、デリケートな構造なので、注意して取扱いたい。
特にバラストを撒いて作った道床を走らせる時には、十分な清掃が必要。

また、不幸にして脱線や停止した場合には、上に持ち上げてから移動する心構えが必要。

これまで2台もモーター車を購入したが2台とも逝かれてしまった。メルクリンのビデオしかないのは、その為。(ついに実情暴露)

当然、修理する。

・Nゲージは、モーターのカバーは下部から外れるが、ZJゲージは外れない。

・この為、モーター車の上部(車体の部分)を外して、更にバラストを外し、更にその下の黒いプラスティックのカバー(裏側に伝導用の銅板が付着しているので注意して外す)、前後のバラストを外すと中央部にモーター(1個で前後を動かす構造)と、伝達シャフトが現れる。

・この伝達シャフトがデリケートな構造で無理に空回りさせたり、力づくで前後に動かすと簡単に外れる。

・中央のモーターから前後のシャフトが出ていて、伝達シャフトを経由して前後の車輪ギアに動力が伝わる。

・伝達シャフトからは、ウォームギアがあり、下部に取り付けられた車輪駆動用ギアに動力を伝える構造。

・この車輪駆動用ギアは、車体を分解しなくても、駆動台車の下部カバー(ギアーが一部見えている)を外すと、分解出来る構造である。

・このギア部分も線路その他からゴミとかが入ると駆動がおかしくなる。綺麗に洗浄して動かす。

・一連の分解修理・掃除の結果、一台は完治したが、残り一台は今なお、動作不良が続いている。

・小さいゲージモデルだけに注意して扱いましょう。

・それにしても低価格なのに本格的な構造なので驚きです。結構、製造コストがかかっていると思います。

錆びてんねん2006/11/05 23:03

CANONIXYDIGITAL70で撮影
この間の書き込みで道床の錆びを出すために「サビテンネン」と言う
塗料を塗布した事を描いたが、真似をしないで欲しい。

アホと言うか、真鍮が酸化した場合にどうなるかを少しは考えれ
ばよかった。

塗装後、翌日の朝見てみると線路が鮮やかな緑青色になって
いる。

しかたがないので、ヤスリで削った後で、道床部分は、プラカラ
ーを薄めて塗布してごまかした。

先日、買ってきたバスキットを信号待ちにさせてみた。
修繕完了のモーター車を走らせてみる。やはり危なっかしい
走りで冷や冷やものである。

仏絵師の手本2006/11/05 23:14


現在、全国の仏像データベースを私用の為に作成している。図像学的な観点から項目を15ポイントに分けて、更に、類型分類法を用いている。こうしておくと時代的、あるいは、如来、菩薩の種類による図像的な分類の特長を客観的に把握する事が出来る。

その基本資料というか参考にしているのが十巻抄と言う書物で平安末期に編纂された当時に現存していた仏像や仏画を基に当時の仏師や仏絵師の手本にしたものらしい。だから写真の様に色とか図柄の特長等の書き込みがある。

非常に興味深いのは、こうした書物を丹念に調べる事で既に700~800年位前に戦乱で消失してしまった仏像の過去の姿を見る事が出来る。ある寺には、現在のご本尊とは違う仏様が安置されている事等も知る事が出来る。

この手の書物は、これ以外に数点作られており、十巻抄は一番古いものである。

赤せん2006/11/06 22:32

IXYDIGITAL70で撮影 高感度モード
天王寺の得意先を回った後、大阪市大病院の向かい側の坂を下りていくと、そこは、山王町。

ガード下をくぐって狭い路地を受けると、新世界通天閣の下の広場に出る。
ちょうど良い自分だったので、串カツとか串焼きの店に入る。

2度つけ禁止のソースはさすがに味が染みてて美味しい。脂っこいくいもんは、苦手な筈なのに、お肉系、魚介類系、野菜系と合計9本をあっとう間に平らげる。キャベツも美味しかった。

口の中がギトギトになったのをビールで流し込むと、店の外を眺めると、なんと土砂降りの雨が降っている。雨が止むまで、時間つぶしに芋焼酎のお湯割りを頼む。それと今度は串焼きを数本、この間の連休に赤井英和が旨いと言っていた「赤せん」を注文、赤せんとは牛の第4胃で非常に脂っこいのが特長。

早速、焼き上がった1本を食べてみると、実に濃厚な味(大阪こってり系)であるが、しつこく無く、やみつきになりそう。

生ビール中ジョッキ2本、焼酎お湯割り2杯と、串カツと串焼き10数本で勘定は、3040円也。まぁ、色々飲み食いした割りには、安くついた方なのか。

残った芋焼酎を喉に流し込む頃には、雨が上がっていたので、そのまま、日本橋電気街を北上し、上新の模型専門の店とかポポンなんたらという店などを冷やかして難波まで出て帰る。

上新でかったZJゲージの3箱の1個は、なんとモーター車で大当たりであった。

阪急10系2006/11/12 23:15

IXYDIGITAL70で撮影 高感度モード
 阪急10系とは、大正14年から昭和4年に作られた阪急電鉄の初期の車両だ。この車両が阪急の線路を走ったのを見たことはないが、昭和30年台の終わり頃に能勢電鉄として走行しているのを見た想い出がある。

 パンタグラフでは、なくてポールである。運転手がポールを挙げて電線に接触させる青い火花が走った。そうしておもむろに走行を始める。

 川西能勢口の駅前をのろのろと走る有様は、それなりに見物であった。また、この電車は、鶯の森駅から鼓滝駅に至る急カーブを2両編成でなんとか通り抜ける有様もスリルがあった。

 大正時代の車種ながらも、阪急カラーで塗装されており、緑色のシート、天井の電灯照明とか素晴らしかった。

 その車両をなんとかZJゲージで、再現できないものかとやってみたが、なんとも見栄えがしない車体が完成した。

 クラリスワークスというドローソフトで車体展開図描いてをフィルムに印刷して、それを組み立てるやり方をとった。

 フィルムの接着が難しく、失敗であった。でも、なんとかえっちらおっちら動く様は、返って昔を想い出させてくれる。

もうクリスマスか2006/11/12 23:26

IXYDIGITAL70で撮影 高感度モード

早いもので街はもうクリスマスのイルミネーションで溢れている。
青色ダイオードのオンパレードでそれなりに綺麗だが、毎日見ていると
飽きてくる。

今年は、ろくな年ではなかった。身近な人が次々となくなり、私も健康を害した。忙しいばかりで何も得るものもなく、とうとう、何も成果を呼べるものも残せなかった。

名古屋駅のクリスマス2006/11/16 09:04

ルミックスFZ7 Pモードで撮影

仕事出張で名古屋に出かけた帰り、駅の前に何やらカメラの三脚を立てている人達が....

好奇心を持ってみると、クリスマスイルミネーションを撮影している人達でした。非常に暗い被写体なのでスローシャッターになるので、三脚が必要になります。

今回はルミックスFZ7で手持ちで3枚撮影してみました。(通常モード)
そのうち1枚は被写体ブレ無しに写っていました。のこり2枚もそれ程、ブレは目立たないけれども、よく見ると気になります。

フラッシュも炊けず、手持ちで暗い被写体を撮影するには、明るいレンズと、手ぶれ防止機能が必須条件になりますね。