日本沈没2007/08/19 09:40

Excel画面のコピー

 今週末は、暑いのでビデオを鑑賞する事が多かったが、BSハイビジョンで録画しておいた「日本沈没」(小林桂樹、藤岡弘、丹波哲郎、いしだあゆみ他出演)を見た。
 1973年だけあって、あの「昭和時代」、1960年代の風情を残している風景が多く、服装や車のデザイン、黒電話等、今となれば、面白い。
 当時、この小松左京の小説が発表された時、荒唐無稽な事と感じられたが、最近の異常気象や地震等の地殻変動の多さを見るにつけて、あながち全く非現実的な事ではないと考える様になった。
 あの阪神大震災の時に幸福だった日常生活が一瞬の内に地獄に変わるショッキングな体験は、阪神地区の人々の心に大きなトラウマとなって残っている。また、北陸地域の被災者の方も同じ境遇に今置かれている。
 小松左京氏は、今の状況を予感していたのかも知れないが、絶頂を迎えていた日本経済システム、翌年の1974年にはオイルショックと共に新たな局面を迎え、無限に続くと見られた経済社会の発展に歯止めがかかって行く。
 また、経済繁栄と同時に失われてかけていた「日本人」としてのアイデンティティを喚起する目的もあったのかも知れない。この映画には、「私は、日本が好きだ。」と言う言葉が何度も登場する。
 1970年代、エコノミックアニマルと海外から呼ばれていた日本人。国内の教育文化の風潮は、日教組全盛期には、「愛国心」、「美しい国日本」といったフレーズは、凄く右がかって聞こえた。学校教育もうわべだけの自由協調社会をモットーとしていたが、非人間的な受験戦争がエスカレートしていった。
 「日本沈没」これは、国土が消失すると言う事では、日本人としての規範意識そのものが根底から崩れ去っていく事への警鐘だったと私は解釈している。
 グラフは、気象庁の観測データを元に、ここ数年間の地震の発生件数を記したもの。年々加速度的に増加する地震の発生回数は何を示唆しているのだろうか。
 政治、文化、そして地震、世相不安とやがて、やってくる日本沈没が象徴的にコラボしている様な気がしてならない。

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