当麻寺での菩薩来迎再現劇2008/09/15 17:55

 相変わらず腹部に鈍痛が走るので、3連休も家の中で過ごした。
 それでも、色々なものが家にあるし、読んでいない本も数多くあるので、それなりに無駄にならない時間を過ごしたと思う。


 久しぶりに森雅秀先生の「Mandala & Mikkyo」のWEBを拝見した。
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~hikaku/mori/mori_top.html

 先生が撮られた美しいインドやアジアの仏像の写真が素晴らしいが、今回、なんと、更新履歴をみると、アジア図像集成に08年5月14日に当麻寺で行われた練供養の写真が掲載されているという。
http://air.w3.kanazawa-u.ac.jp/

 練供養は、當麻寺春の大祭として行われ、中将姫の現身往生を再現する行事である。観音菩薩、勢至菩薩ら二十五菩薩が、現世に里帰りした中将姫を迎えて、極楽へ導く道程が全て再現されるという荘厳な儀式。

 大抵の写真は、写真家の視点というか儀式よりも行事性を重点に表現しようとするが、先生の撮影は、全く異なっている。
 1人1人の菩薩等の被物のデティールをまるで、仏像の様に精密に撮影している。装束やそれぞれの所作についても、学術的というか分析的な視点で撮影されている。
 供養が始まるところから、行列が出てきて、再び戻っていくまでの一部始終を撮影して、それらをスライド風に並べて再現しており、供養の様子が良く理解出来る。
 ずっとみていて面白かったのは、被物の菩薩なのに、所作によって表情が変化してまるで生きている様な印象を受けることである。
 横に付き添いの人がいるが、彼らが菩薩に操られている様に見えることもある。
 来迎と往生の様子を表したものであるが、仏達が人間の世界におりてきて、渾然と道(この道は木製の台であるが、まるで白道を思わせる。)を舞いながら歩んでいく様子、それが、当麻寺の春大祭の意義なのだと思う。
 何時もは、インドや密教関係の仏像の写真を撮影している先生が、奈良県のお寺の行事を撮影するとどうなるか、写真としても、その違いが楽しい。
 また、関心なのは、このWEBに掲載されている写真は、全てカタログ化されており、所在・分類が規定されている点で、学術データベースとしても利用出来る様に考慮されている点である。
 
 ところで、先生は、どんなカメラを使われているのだろうか。どの写真も質感が精密に表現されているのに関心させられる。

手振れピンぼけレスキュー正式購入2008/09/15 21:45

手振れピンぼけレスキューというソフトを購入してしまった。
http://www.nyanko-web.com/rescue/
これまで試用していたが、その期間が過ぎても使いたかったので、シェアウエア料金を支払った。
料金は3000円。
3000円の価値は、十分にあると思う。従来のピンぼけの修正は、ただ、単にアンシャープマスクという機能で、フォトショップで画面全体を処理するが、このソフトは、素材のjpeg画像を解凍後、カメラのCCDから取り込んでいる状態(つまり、カメラ内での現像待ちの状態)まで復元する。従ってピント修正は、その画像の車体であればフロントガラスの数カ所をピンポイントで指定すれば、その箇所にピントが合った状態に修正してくれる。つまり、ピントそのものの修正になる。
 写真は、ポッカ1000㎞レースの写真で、どちらかと言えば手振れというよりもAFロックで置きピンした位置からシャッターを押した位置がずれた為にピンぼけになっている状態(右)それを修正したのが(左)と特に極僅かにピンぼけとなっている場合に威力を発揮する。

 下の写真は、月を手持ちで撮影して手振れを起こした例。右が処理前で、下の建物の照明がギザギザになっているのが、幾分修正が出来る。この写真の場合はブレが大きいので完全に処理しきれないようだ。
 いずれにしてもピンぼけ、手振れ等の写真は、出来れば使いたくないが、取材等の仕事の写真でここ一番の時の写真を失敗した場合には、最後の手段としてこうした修正が選択枝に入ってくると思う。