『死者の書』とカタシロの世界2008/10/23 21:06

金沢大学の森雅秀先生のWEBで、当麻寺の練供養を拝見した時に当麻寺のWEBを見る機会があった。
練供養
http://fry.asablo.jp/blog/2008/09/15/3764988
当麻寺
http://www.taimadera.org/
 そこで次の様な記事を発見。
「映画『死者の書』DVD 発売開始! 
◆折口信夫原作・川本喜八郎氏監督・映画『死者の書』のDVDがいよいよ発売となりました。
 中将姫伝説を題材に折口信夫博士の古代学の成果を結集した小説『死者の書』は、近代文学史上に燦然と輝く金字塔であります。その映像化は、人形アニメーションの巨匠・川本喜八郎氏の悲願でありました。
この川本氏の畢生の大作である人形アニメーション映画『死者の書』が、DVDによりご家庭で鑑賞することができます。価格は3990円(税込)です。」
 という訳で、佛教大学がから頂いた優秀論文賞の賞金3000円にいくらか金額を足して購入。
 死者の書が映画化されたら、折口信夫先生は、きっとあの世でお怒りになられると思うが、人形アニメーションであれば、きっと賛成されると思う。
 人形というカタシロに、古代人の精神を代弁させて、当麻寺にちなむ物語を語らせるという行為には大きな意味があると私は考える。
 関西大学の時に最も影響を受けたのが、折口信夫先生の書物であり、詩歌・和歌を含めて読みふけったが、殺風景な関西大学の万葉学の先生は、折口の万葉や古事記等の考え方には否定的であった。
 主観的であり、実証的(文献学的な証拠に基づいていない)ということなのだろう。
 佛教大学の田中みどり先生も「死者の書なんてくだらないわよ。」とおっしゃられていた。田中先生も万葉集の解釈については、国語学史的な視点から実証主義だから。
 でも、私は、この作品と巡り会うことで大分ものの見方が変わった。
 それは肥田先生に教えていただいた夕陽丘から見る浄土の世界と双璧であった。
 私の学風というか方法は、やはり、主観が先である。
 まず、どの様な論文を書く場合でもそのイメージを観想行を通じて組み立てる。
 こうして、主観の世界を構築して、それに基づいてコラボレーションした形で、論証の道筋を描いていく。更に、その道筋に合う証拠・資料を捜していき、論の展開を考えて実証していく方法論を「光源氏の言葉」以来ずっと貫いている。
 今回の「源氏物語の絵画化の手法」も橋姫巻等、実際に宇治の地に何度も趣いて、秋の夕陽が川面に映る様を眺めてイメージ化された作品である。
 世の中は唯識の世界なので、主観的な世界にも仏の教えに通じる道理があると考えるべきなので、それは、中将姫伝説と当麻曼荼羅、更には、阿闍世王の悲劇説話にも絡んでくると思う。
 それらを直感的に把握するには、観想の修行しかないのである。
 仏教芸術を学ぶということは、仏が導くイメージ世界に時空を越えて旅できるということだと思う。

コメント

トラックバック