太陽黒点の停滞と新たな時代への萌芽2009/01/22 22:24

 酒に酔いながら、『天文年鑑2009』を眺めていて、こんな馬鹿なことを考えてしまった。

 太陽黒点の観測を始めたのは、高校1年の時で、高校の校舎の渡り廊下のところに1インチの小型自作屈折経緯台を据え付けて投影法でほぼ3年間観測を続けていた。

 ちょうど観測を始めたのが、無黒点の日数が多い活動停滞期(1976年)であったので、観測自体が面白くなかった。太陽黒点はほぼ10年から11年周期で、停滞期と活動期を繰り返す。

 停滞期は、不況と関係があると言われ、好不況の影響は太陽黒点の活動の影響を受けると言われて来た。1974年から1978年にかけては、最初の石油ショック不況、次ぎの停滞期はの1984年から1988年にかけては、円高不況、1994~1998年まではバブル崩壊と円高不況、そして、今回の2007年から200?年の大恐慌である。

 活動期は、1980年には、日本は記録的な貿易黒字を経験、日本バッシングが始めて表面化した時期、1990年はバブルである。2000年は日本は関係なかったが、米国のIT・金融バブルの時期である。

 1994年から1998年にかけてでもう一つ思い当たるのは、阪神大震災である。地震も太陽活動と何らかの関係があるのかも。

 不思議なことに、この停滞期は、新しいイノベーションが生まれる時期である。情報社会についてみると、1976~1978年はマイクロプロセッサの実用化と1ボードマイコンの実現(パソコンの出現期)

 1984~1988年は、IT革新の時代、一般のオフィスでパソコンやオフコンが本格的に導入される時期。また、パソコン通信(P・P通信)が実用化された時期でもある。

 1994~1998年は、ウインドウズ95とインターネットの本格化で、一気に世界の情報ネットワーク化が始まる。

 停滞期期にこうしたイノベーションが起こって、それを活用して不況から好況に向けての上昇曲線を描いていく。例えば、金融バブルは、日本が先行して起こり、欧米が追随し、ついでにバブルの崩壊もその様な形をとっていったが、結局、ITインフラの整備により、金融経済が活発化し、実体経済を徐々に凌ぐ様になってくる。1998年から2004年にかけての世界も同時多発テロが世界中に報道されたが、それは、同時にグローバル化の幕開けであり、株式市場が国家経済の垣根を離れて膨れあがった時代である。

 現在は、膨張から収縮に一気に進んでいる状況であるが、同時に何らかのイノベーションが起こってくる筈であり、それをいち早くキャッチすることが、2013年から2016年にかけて到来するだろう好況時における勝者への道だろう。

 どの様なイノベーションだろうか。テレビのアナログ放送廃止で大きな周波数帯の余裕が出来る。マイクロ波からミリ波の周波数帯に巨大な無線・電磁・情報ハイウエーが誕生し、それは、これまでのインターネットを凌ぐ情報伝達量を持つ。IPV6に続くインターネット革新は、「いつでも・どこでも」が前提となる。ワイヤレス時代の到来で、固定電話は廃止となり、携帯電話もなくなる。スカイプ技術が大きな発展を見せて、携帯情報端末1台で全てが充足される時代。ハイビジョンブロードバンドがワイヤレスで可能となる。そうなれば、地上デジタル放送もそれ程は長続きしないかも知れない。

 また、ヒューマノイドから機能特化タイプのロボットも新たな情報網の中で動きを見せるだろう。現在、オモチャでリモコン操縦出来るヒューマノイド型ロボットが多数存在するが、それと殆ど変わりないハードウエアで、自律型のヒューマノイドが実用となり、人間との垣根は、どんどん縮小するだろう。ヒューマノイドは、マザーと言われるサーバーから無線インターネットによってコントロールされる。高度な情報処理と感性を有しており、ロボットが社会性を獲得する時代がやってくるだろう。

 太陽黒点活動の停滞と共にやって来た不況は、人類史の次の時代を同時に育んでいるのである。

コメント

トラックバック