こういったきめ細かなユーザーフォローを行わないと、いつまでも収益が好転しない2009/12/07 09:20

 ひまなので、デジカメの国内メーカー(製造拠点は大部分が海外)の出荷台数をグラフ化してみた。
 意外だったのは、SONYの出荷台数が結構多いことと、パナソニックのシェアが伸び悩んでいる点である。
 CANONは、こんなものだと思う。前年比6%減。デジカメ販売が好調だったので減少割合が低く抑えられたという。まぁ、ネームバリューの凄いこと。
 SONYも前年比9%減だがこれは、公表データではない(某経済新聞の調査による)
 NIKONは、前年比9%増である。この会社は、今年度は、良く健闘した。デジカメもコンパクトデジカメも他社の様な派手な新製品展開はなかったのに。
 OLYMPUSは、前年比2%減。新しいPENシリーズもそれ程、効果を発揮しなかった。アジア向けの通常のコンパクト1眼レフが好調だったようだ。
 PANASONIC(LUMIX)は、デジタル1眼でデジタルカメラの販売シェアの上位3位以内に食い込むことを目指しているが、前年比10%増と各社の中では、販売伸長率が高い。
 フジFILIMは、前年比10%増。
 CASIOは、前年比17%増だが、相変わらずランキング下位に甘んじている。PENTAXは赤字からの脱却も果たせず、販売も5%増にとどまった。(廃業懸念あり、カラーバリエーション一眼レフを販売するという姿勢にも大いに疑問)

 こうしてみると、大手2社は、前年比ダウン。中位3社中2社は、前年比増、下位3社も前年比増と、大手が苦戦している中で、下位企業が出荷台数を伸ばしたことになる。

 その理由としては、中位以下のメーカーの店頭販売価格が、不況対策で、大幅に引き下げられたのに対して、上位2社は、あまり、値下げ対応をせず、収益性を重視した為とみられる。

 また、興味深いのは、デジタル一眼とかマイクロフォーサーズ等の新規格の製品投入によって、それ程、シェアは伸びず、むしろ既存タイプのデジタル一眼レフやコンパクトデジタルカメラの販売が好調であったこと。つまり、メーカーの思惑と消費者ニーズにズレが生じていることになる。

 消費者は、安心して使用出来る従来タイプで、性能が良く、安いカメラを好んでいる。特にハイアマチュアでは、マイクロフォーサーズへの評価は、画質面等で低い。

 これら8社の製品のうち、私は、フジを除く7社の製品を保有している。各社を比較して感じられたのは、やはり、アフターフォローの格差が歴然としている点である。

 ユーザー登録すると、イベントや新製品情報がメールで送られてくるが、特に活発なのは、NIKON、PANASONICでウルサイ位である。次いで、CANON、SONY等が続く。

 一方、この間、H10を購入したばかりだというのに、CASIOからのサポートメールは、これまで3回のみ。ユーザーフォローをする回数が極端に少ない。更に、イベントというものを全く実施しておらず、主要なWEBマガジンのスポンサーも降りており、全く、宣伝、PRに力を入れていない企業だと思われても仕方がない。

 OLYMPUSやPENTAXもほとんどフォローというものがない。

 メーカーの方針だろうが、いくら良い製品を市場に投入しても、こういったきめ細かなユーザーフォローを行わないと、いつまでも収益が好転せず、東芝、日立とか他のメーカーの様に、カメラ部門から徹底せざるを得ない羽目になるのでは。

 これからのデジタルカメラの製造販売は、映像総合サービス事業として考えていかなければならんと思った。