ミニコンを今度買うならフルデジタル構成か ― 2010/05/02 23:39
ケンウッドのミニコンポを使用しているが、これは、もう8年位前の機種で現行機からみて3~4世代位前になるのか。
ミニコンの音は馬鹿にしていたが、必要十分な音質で、気楽にきけるので、ソフトの再生頻度も上がった様な気もする。
ケンウッドは音質を追求すると知られているが、自分で回路素子を開発する力はない。だから、オリジナリティを出すのは、素子の組合せとか、その後の調整とかだろうけれど、この為、故障が多いという指摘もある。
それは、あまり当て嵌まらないと思うけれど、CDとかMD等の光学ディスクを読み取り用のレーザーは、比較的大電力を使うので、基盤や回路の配線自体に耐久性をもたせた設計にしないと行けないのが、どうも、ラジカセ等を分解した感じでは、フラットケーブルをコネクターで止めて、それぞれの回路基盤間を接続しているが、そのコネクタ自体の耐久性(特にフラットケーブルは、熱の影響を受けやすい)に問題があり、音質的な弱点になるだろう。
最近、気がかりなのは、高級オーディオのジャンルの製品にもケンウッドにかかわらず、他社でも平気でパソコン回路の様にフラットケーブルを使用しているが、このデバイスは、オーディオのクオリティには耐えられないと思う。
私が使用している機種も電源を入れる度にドラキュラ-ボックス(懐かしい!)の様に前面パネルが回転するといった余分なお飾り機能がある。これも回路間をフラットケーブルで接続しているので、出来る芸当。
それはそれで楽しいが、フラットケーブルの経年変化で弾性が失われて、この部分が壊れる可能性もある。
今のケンウッドのミニコンポは、従来の伝統的なミニコンをSDカードに入ったデータの再生に対応させた機種とか、I-PODドックを備えた機種の2種類があって、もう、MDやカセットの再生は出来なくなっている。その分だけ回路の簡素化が出来るので、安定性は良くなっていると思う。
興味深いのは、UD-E77WSDのアンプ部は、ディスクリート構成であること。これは、IC回路ではなくて、トランジスターとか抵抗とかコンデンサー等によって構成された昔ながらの基盤で構成されたアンプ。
高級品等に使用されており、音質のオリジナリティ、特にケンウッドのウォームトーンを出すのに効果があるのかも。但し、部品のクオリティの影響を受けやすく、耐久性も弱い。また、電源回路によって音質が相当、左右されるが、残念ながら、このランクのミニコンの電源回路は、スウィッチング電源(高周波で交流をぶった切って、力づくで直流・整流を行う。巨大なトランスが省略できる)を採用しているので、電源のクオリティが低く、高周波ノイズの影響をモロに受ける可能性がある。
C-IP313は、デジタルアンプをプリアンプ段からパワーアンプまで採用してフルデジタル化されている。こうなると、CD、I-POD、USBから伝送されてくるデジタル信号をプリ段では、デジタルで処理し、最後のパワー段で、DA変換を行うので、歪みが少ない音の再生が可能。
低コストで、高級アンプ並みのクオリティが実現出来るので、ミニコンは、フルデジタルのこちらを買った方が良いけれど、i-podをスピーカー再生する位ならば、パソコンから、USB接続してI-TUNE等を聞いた方が音質は良さそう。
ケンウッドの上位シリーズは、Kシリーズとして知られているが、こちらの回路構成は、ADコンバーター(レコードライン入力用)、プリ・デジタルアンプ部(CDやデジタル入力)で、20KHZサンプリング、更にパワー段では、デジタルプロセッサーで、DA変換を行った上で、DENONと同じ様にMOSFET(真空管に似た特製を持つ増幅素子)で電力増幅を行う構成となっている。
この為、パワー段の増幅の為に独立電源回路と大型の電源トランスが内蔵されている。でも、やはり、ミニコンなので、トランスの大きさにも限度があり、アナログ再生は、専用機に比べると音質は劣るだろう。
せっかく、プリ段までデジタル化されているので、C-IP313の様にフルデジタル構成にした方が、音質は、素晴らしく良くなると思う。
でも、Kシリーズはケンウッドの看板なので、最初に書いた様にケンウッドの「音の特色」をディスクリートで表現せざるを得ないので、パワー段はアナログ構成を取らざるを得ない。
これがケンウッドの限界だと思う。
Kシリーズには、SUPREME EXというもう陳腐化したデジタル波形補正回路があるが、この様な補正回路を通すと、高音の立ち上がりが鈍くなってしまうし、波形補完といっても、疑似波形なので、本来の忠実な音の再生とは言えない。
僕の今、使っている時代遅れのミニコンには、なんとデュアル構成1ビットのDAコンバーターが使用されているが、高級機こそ、デジタル本来の再生技術を究める様な努力が必要だと思う。
また、I-PODやパソコンWAVファイル等の圧縮音声が一般化してしまったので、高域補完よりも、圧縮音声の省略部分を補完して、波形に近づける技術の方が必要だと思う。
高出力のアンプで、I-POD等の圧縮メディアを再生してみると、大音量時の「中抜け感」がモロに感じられて、興ざめだから。
将来のミニコンポの姿としては、HDD内蔵タイプのアンプもやがて廃れるだろう。データの補完はパソコンやギガを超える大容量の蓄積が可能になった。シリコンメディアにまかせれば良い時代がやってきた。
パソコンと接続して使用することが前提になれば、USB入力で、録音機能もアナログ入力、音声に関しては、ADコンバーター、また、USB入力や光ディスク再生、モバイルオーディオ、メモリーカードの再生には、DAコンバータと音質調整段、デジタルパワーアンプがあれば、それで事足りる。
実際、SOUNDOBLASTARの様な外付けタイプのUSBデバイスにパワーアンプとスピーカーがくっついたタイプで十分で、実際にクリエイティブ社では、SOUNDOBLASTAR-SXに同社が販売しているアンプ付きのスピーカーの接続を推奨している。
しかし、アンプ付きスピーカーの音質は、どうしてもスピーカーの磁気の影響を受けたり、震動の影響で、劣化するので、高性能のデジタルパワーアンプと高音質スピーカーの組合せが将来のミニコンの条件になる様な気がする。
今回、ケンウッドの旧型のミニコンを使用してみて色々と、考えさせられる点もあった。この会社の経営が苦しいのは、十三のサービスセンターにいって、感じたことだが、技術者の人は、地味で感じが良い人だったし、安物の製品でも音質への拘りとか持っていて、なかなか面白いメーカーだと思うのだが。
ミニコンの音は馬鹿にしていたが、必要十分な音質で、気楽にきけるので、ソフトの再生頻度も上がった様な気もする。
ケンウッドは音質を追求すると知られているが、自分で回路素子を開発する力はない。だから、オリジナリティを出すのは、素子の組合せとか、その後の調整とかだろうけれど、この為、故障が多いという指摘もある。
それは、あまり当て嵌まらないと思うけれど、CDとかMD等の光学ディスクを読み取り用のレーザーは、比較的大電力を使うので、基盤や回路の配線自体に耐久性をもたせた設計にしないと行けないのが、どうも、ラジカセ等を分解した感じでは、フラットケーブルをコネクターで止めて、それぞれの回路基盤間を接続しているが、そのコネクタ自体の耐久性(特にフラットケーブルは、熱の影響を受けやすい)に問題があり、音質的な弱点になるだろう。
最近、気がかりなのは、高級オーディオのジャンルの製品にもケンウッドにかかわらず、他社でも平気でパソコン回路の様にフラットケーブルを使用しているが、このデバイスは、オーディオのクオリティには耐えられないと思う。
私が使用している機種も電源を入れる度にドラキュラ-ボックス(懐かしい!)の様に前面パネルが回転するといった余分なお飾り機能がある。これも回路間をフラットケーブルで接続しているので、出来る芸当。
それはそれで楽しいが、フラットケーブルの経年変化で弾性が失われて、この部分が壊れる可能性もある。
今のケンウッドのミニコンポは、従来の伝統的なミニコンをSDカードに入ったデータの再生に対応させた機種とか、I-PODドックを備えた機種の2種類があって、もう、MDやカセットの再生は出来なくなっている。その分だけ回路の簡素化が出来るので、安定性は良くなっていると思う。
興味深いのは、UD-E77WSDのアンプ部は、ディスクリート構成であること。これは、IC回路ではなくて、トランジスターとか抵抗とかコンデンサー等によって構成された昔ながらの基盤で構成されたアンプ。
高級品等に使用されており、音質のオリジナリティ、特にケンウッドのウォームトーンを出すのに効果があるのかも。但し、部品のクオリティの影響を受けやすく、耐久性も弱い。また、電源回路によって音質が相当、左右されるが、残念ながら、このランクのミニコンの電源回路は、スウィッチング電源(高周波で交流をぶった切って、力づくで直流・整流を行う。巨大なトランスが省略できる)を採用しているので、電源のクオリティが低く、高周波ノイズの影響をモロに受ける可能性がある。
C-IP313は、デジタルアンプをプリアンプ段からパワーアンプまで採用してフルデジタル化されている。こうなると、CD、I-POD、USBから伝送されてくるデジタル信号をプリ段では、デジタルで処理し、最後のパワー段で、DA変換を行うので、歪みが少ない音の再生が可能。
低コストで、高級アンプ並みのクオリティが実現出来るので、ミニコンは、フルデジタルのこちらを買った方が良いけれど、i-podをスピーカー再生する位ならば、パソコンから、USB接続してI-TUNE等を聞いた方が音質は良さそう。
ケンウッドの上位シリーズは、Kシリーズとして知られているが、こちらの回路構成は、ADコンバーター(レコードライン入力用)、プリ・デジタルアンプ部(CDやデジタル入力)で、20KHZサンプリング、更にパワー段では、デジタルプロセッサーで、DA変換を行った上で、DENONと同じ様にMOSFET(真空管に似た特製を持つ増幅素子)で電力増幅を行う構成となっている。
この為、パワー段の増幅の為に独立電源回路と大型の電源トランスが内蔵されている。でも、やはり、ミニコンなので、トランスの大きさにも限度があり、アナログ再生は、専用機に比べると音質は劣るだろう。
せっかく、プリ段までデジタル化されているので、C-IP313の様にフルデジタル構成にした方が、音質は、素晴らしく良くなると思う。
でも、Kシリーズはケンウッドの看板なので、最初に書いた様にケンウッドの「音の特色」をディスクリートで表現せざるを得ないので、パワー段はアナログ構成を取らざるを得ない。
これがケンウッドの限界だと思う。
Kシリーズには、SUPREME EXというもう陳腐化したデジタル波形補正回路があるが、この様な補正回路を通すと、高音の立ち上がりが鈍くなってしまうし、波形補完といっても、疑似波形なので、本来の忠実な音の再生とは言えない。
僕の今、使っている時代遅れのミニコンには、なんとデュアル構成1ビットのDAコンバーターが使用されているが、高級機こそ、デジタル本来の再生技術を究める様な努力が必要だと思う。
また、I-PODやパソコンWAVファイル等の圧縮音声が一般化してしまったので、高域補完よりも、圧縮音声の省略部分を補完して、波形に近づける技術の方が必要だと思う。
高出力のアンプで、I-POD等の圧縮メディアを再生してみると、大音量時の「中抜け感」がモロに感じられて、興ざめだから。
将来のミニコンポの姿としては、HDD内蔵タイプのアンプもやがて廃れるだろう。データの補完はパソコンやギガを超える大容量の蓄積が可能になった。シリコンメディアにまかせれば良い時代がやってきた。
パソコンと接続して使用することが前提になれば、USB入力で、録音機能もアナログ入力、音声に関しては、ADコンバーター、また、USB入力や光ディスク再生、モバイルオーディオ、メモリーカードの再生には、DAコンバータと音質調整段、デジタルパワーアンプがあれば、それで事足りる。
実際、SOUNDOBLASTARの様な外付けタイプのUSBデバイスにパワーアンプとスピーカーがくっついたタイプで十分で、実際にクリエイティブ社では、SOUNDOBLASTAR-SXに同社が販売しているアンプ付きのスピーカーの接続を推奨している。
しかし、アンプ付きスピーカーの音質は、どうしてもスピーカーの磁気の影響を受けたり、震動の影響で、劣化するので、高性能のデジタルパワーアンプと高音質スピーカーの組合せが将来のミニコンの条件になる様な気がする。
今回、ケンウッドの旧型のミニコンを使用してみて色々と、考えさせられる点もあった。この会社の経営が苦しいのは、十三のサービスセンターにいって、感じたことだが、技術者の人は、地味で感じが良い人だったし、安物の製品でも音質への拘りとか持っていて、なかなか面白いメーカーだと思うのだが。
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