デジタル化で、奪われる放送受信の自由2010/08/12 18:34

 
 来年7月で地上波とBSのアナログ放送が終了する。
 これは、どの様な状況を意味しているのだろうか。

 電波で放送されるテレビやラジオは、アナログ時代のコンセプトは、自由(勝手)に放送されているのを自由(勝手)に視聴するということだった。

 「つまり、勝手に電波が流されているのだから、受信するのも勝手でしょ。」ということになる。

  昔、集めていた海外短波放送のベリカードというのが、まさにこれで、リスナーがレポートを送って初めて、放送を受信していたことが認定される仕組みがアナログ放送だ。

 だから、受信機の規格・回路の自由度が高いフォーマットで放送されていた訳。

 極端な話、僕の大昔の知り合いが、真空管式のカラーテレビを自作して、見事完成、みせてみらったことがある。白黒テレビについては、ブラウン管から、シャーシー、真空管部品、検波器とかそういったものがセットになって売られていたり、自分で部品を集めて製作して、このみのキャビネットに収めていた。(木製の豪華なものを自作されている方もおられた。)

 一方、デジタル放送は、放送内容が著作権保護のフォーマットの中に入れられており、そのエンコードされた暗号を受信機がデコードする為に、送信者と受信者との契約が前提になる。(ディーキャスカード)というカードにその個別認識コードが入っている。

 だから、CMスポンサーによって放送がなりたっている民放でさえもが、ディーキャスカードの個別コードを識別するという過程を経て番組が送られている。

 この様にアナログからデジタルに放送が変わるということは、これまでの自由放送から契約放送に変わるということである。

 デジタル化されてしまったら、もう、受信機の自作は不可能だ。つまり、視聴者側の自由度が奪われてしまったんだ。

 アナログのTV受信機に比べてデジタルのそれが高価なのは、大っぴらにされていないが、ハードウェアの料金にこのデーキャスカードの使用料も含まれているから。

 よう考えると、煙草の自販機の「タスポ」と同じだ。

 これまでは、自由に煙草が買えていたのが、タスポによって個別コードが認識され、年齢条件付きの売買契約に変わったのである。

 この様にアナログ放送からデジタル放送への変化は、私達の「放送を視聴する自由な権利が侵害されるということである。」

 それは、ダビング10とかそういった問題ではない。国家・企業によって視聴者が直接的に管理されることを意味している。

 こんなに国がしつこくデジタル放送を推進しているのは、国家非常放送等(今でも地震とか天災の時にやられている。)を有事の際にメディアをコントロール可能にしておく為である。

 例えば、かってブッシュが、「悪の枢軸国」と名指しした国が日本向けにテレビ放送を中継衛星で流すとすれば、アナログであれば、周波数が合えばみることが出来る。

 放送事業は許認可制度であるが、超法規的に、反体制分子がテレビの自由放送を行うこともアナログであれば、可能である。

 ところが、デジタル化によって、放送事業者、フォーマットが完全に規定されてしまうので、そういった国家秩序を乱す様な放送や視聴行為は不可能になる。

 更にデジタル化で放送局の寡占化を招きかねない。つまり、新規参入とか、圧政に耐えかねた人民が、自由に電波を流して「国民同士」に知らせて、革命の蜂起を促すといったことも不可能である。

 高画質等や電波資源の保全等が目的なのであるのならば、ブロードバンド放送網へのインフラを整備した方が、ずっと国民の利益になる。他の産業分野との連携がこの方がスムーズだから。

 何故、それをやらないかというのは、インターネット放送は、「誰でもどこでも」が前提なので、国家・企業が、民衆向けのメディア規制が難しいからである。

 デジタル放送が、国民の言論統制の有力な道具になる訳。

 ☆☆☆
 同じデジタルであるが、インターネット放送は、アナログ風の「勝手に放送されたものを勝手にみる自由」が残されている。

 Youtube等が良い例である。また、インターネットラジオについては、回線を限定すれば、個人で放送を続けることが出来る。(著作権等の問題があるけれども)

 例えば、今、視聴している、サイコメドというギリシャのネットラジオ局であるが、精神医のおっさんが1人でやっている最大アクセス数は、50件なのでミニコミの世界であるが、立派なクラシック音楽専門の放送局である。
http://stream.psychomed.gr/

 今後、我ら平民が、表現や放送の自由を訴えるメディアとしては、インターネットラジオや放送が中心にならざるを得ない状況に変わりつつある。

 私達の「自由な視聴権」が取りあげられようとしているのに、誰も、疑問に感じないのは、実に奇妙なことだ。

 それとも、こんなことを考えてしまう自分が奇妙なのかな。

問題は、高麗大蔵経2010/08/12 22:57

 曖昧な発言が韓国の怒りを産んだ。

 菅首相が「朝鮮王朝儀軌ナド」の文化財を「お渡しする」と発言したことで、その曖昧さの結果、日韓関係にむしろマイナスイメージが拡大している。

 具体的な文化財名を挙げるよりも、「旧統治時代に日本に持ち帰られた文化財の内の何点か」とかそういった言い方の方が良かっただろう。

 質問されれば、「後日、具体名を明らかにする。」と答えておけばよい。その「何点か」の選択権も日本に選択権がある筈。なんせ、「お渡しする」のだから。

 韓国では、エスカレートして、旧植民地時代はおろか、秀吉の朝鮮侵略とか、あるいは新羅、高麗時代の文物(つまり飛鳥・奈良時代に日本に渡来した文化財)までを範囲に挙げている。

 文化財というのが、実は、外交上は凄く厄介なものであることを菅さんは知らなかったのではないか。

 パンドラの箱を開けてしまったのだ。

 例えば、ベルリン博物館やルーブルにあるエジプト文明の遺産は、ナポレオン時代に、この地域から探検隊が「発掘」して持ち帰ったものであるが、ドイツ人やフランス人は、「発見者は私達である。」と主張して、返還する必要はないとする。

 中国敦煌壁画の場合もその様な見解であるが、この場合は、明らかに当時の中国側の考古学者の記録も残されており、搾取・略奪であることは紛れもない事実である。大谷探検隊のそれも、残念ながら、略奪行為である。しかし、代金を支払っているのだから、安い値段で売り渡した方にも責任がある。

 問題は、高麗大蔵経である。

 これは、室町時代に略奪ではなく正規のルートで日本に持ち込まれている。増上寺や大谷大学に完全に揃った形で、「高麗八萬大蔵経の版木」から印刷された完本が保管されている。これは、あの大正新脩大蔵経の底本に当たる。

 室町期に、版木ではなくて、印刷されたメディアを交易で正規ルートで日本に持ち込まれたものも、韓国人が主張する返還の対象に入っている訳である。

 つまり、海外旅行で、現地を訪問して、リトグラフを購入したが、それを後になって、「文化財だから。」と返還を求められるのと同じだ。

 これは、少し、おかしいと思う。本国にある版木の一部は、戦乱で焼けてしまったので、韓国の仏教学者は、どうしてもこれを手に入れたい訳である。

 版木の保存の責任は朝鮮王朝にあった筈である。日本の僧侶・寺院が、室町時代から、あの戦国の争乱・戦火をくぐり抜けて、数百年も守り伝えてきたものまでもが返還されなければならないというのはおかしい。

 中国人が世界で2冊しかない船橋本・陽明本孝子伝の原本を「平安時代に中国から盗まれたものなので返して欲しい。」と主張するのと変わらない。

 結局、彼らが言いたいのは、「日本の戦後賠償は終わっていない。その贖いの一部として、朝鮮半島由来の日本に存在している文化財を全て譲って欲しい。」という暴論を吐いている様なものだと思う。

 古代には、こういった文化財や宝物をめぐって、戦争までも何回も起きている。新たな火種にならないことを願うばかりである。

パソコンの不調から脱出。2010/08/12 23:31

 
 自作パソコンのXPを起動させた時に勝手にリセットがかかる症状に悩まされていて、今日1日かけて試行錯誤。

 ウイルスチェックや怪しげなアプリを削除したり、いろいろやっても効果がない。

 前回の記事でもグラフィックボードを外したら、症状が治まるということであった。
 
 これで気がつかない点が僕のアホなところで、なんと、ドライバを更新した時に、別の機種のやつをいれてしまっていたのである。

 最新版等入れなければよかった。

 正規のドライバーをインストールしなおすと、無事に安定する様になった。

 NVIDIA Gefoce7600GSを似た様な型番のものを入れてしまっていた。NVIDIAの製品は、グラボでも、数え切れない程、種類があるので要注意。