北海道の白滝という黒曜石の大産地2010/10/11 22:33

 先日の出張の帰路の帯広から南千歳間を乗車した特急の中で置いてあったJR北海道の車内誌「THE JRHokkaido」10月号に「特集 旧石器時代のパワーストーン、黒曜石」という記事を発見。

 黒曜石は、旧石器時代を中心に使用された黒色のガラス質の鋭利な石器で、大きな槍の先の部分から小さなスクレーパー(切削器)に至るまで、様々に加工して使用されていた。

 黒曜石と言えば、長野県の和田峠等が有名だが、北海道にも黒曜石文化が栄えていた。
 この雑誌記事では、北海道の白滝という黒曜石の大産地が紹介されている。白滝の黒曜石は、オホーツクを超えてアムール川流域まで伝播している程の名産地であった。

 当時の工房の後の発掘調査では、細かな破片を復元して黒曜石の鏃がくりぬかれたマザーの部分の接合資料等が紹介されているし、尖頭器、彫器、削器、搔器、細石刃等の様々な種類とか、実勢に黒曜石が採石された露頭等の様子等、凄く専門的な内容が紹介されている。

 この記事の取材に答えているのが、木村英明先生で、新泉社から『北の黒曜石の道』という本を出されている。それにしても旧石器時代の遺跡の茶褐色の土壌の上に鋭く黒光りする黒曜石の石器が幾つも姿を現している出土写真も掲載されており、ワクワクさせられる。

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