脱走って人間の生きるための英知の結晶で素晴らしいと思う。2010/11/08 22:05

 昨日のBSハイビジョンでやっていた「大脱走」。ちょい見の筈が、最後までみてしまった。

 実際の史実の映画化ということで、監獄物や脱走物に目がない自分には、途方もない名作である。

 映画をみていて何時も思うのは、こんだけ大っぴらに準備やっていてよくばれなかったもんだと思う。

 実際にも相当な距離のトンネル掘ったらしい。工具等も必要だが、物資調達係が、盗んだり、あるいは、看守を買収して必要なものを手に入れている。

 お気に入りは、コリン・ブライス。俳優さんは、ドナルド・プレザンス。この人、最後には目が見えなくなってしまうが、脱走そのものには、成功。ヘンドリーと一緒に、飛行機を旨く盗んで、ノイシュバンシュタイン城の脇の湖の上を飛んで、もう少しで、スイスというところで、燃料切れで不時着。コリンは、銃で撃たれてしまう。きっと怖ろしかったと思う。

 コリンは、カメラが趣味である。だから、ドイツ製のフォーカルプレインシャッターのカメラが欲しいと調達係にいう。果たして、約束通り、カメラが手に入る。ところが、そのカメラは、彼が欲しがっていたパルナックライカ(おそらく、当時の年式だとLAICAⅢcだろう。フォーカルプレイン式シャッターで当時の最新鋭機)ではなくて、コンテッサネッテルという旧式のカメラであった。「そうだ、これだ、フォーカルプレインだ。」とコリンはカメラを手にして言ったが、これは、映画の間違いである。

 この俳優さん、刑事コロンボの「別れのワイン」にカッシーニ・エイドリアンというワイナリーの社長の役で出演。この演技も印象に残っている。大脱走でも独特の味わいのある演技が面白かった。


 フォン・ルーガー(収容所所長)も印象に残る。この人の胸には、あの第一次世界大戦の撃墜王の印、ブール・ル・メリット勲章が光っている。第1次世界大戦の空中戦は、まさに、日本武士道の一騎打ちの様な決闘であり、敗者にも人格を認めるという方針なので、それが結局は、捕虜達への甘やかしになって、大脱走につながってしまった。

 脱走って人間の生きるための英知の結晶で素晴らしいと思う。

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