原料高騰型の倒産が続いている2011/03/04 10:31

 帝国データバンク等の信用情報をみると、このところ、原料高騰型の倒産が続いている。中東情勢の悪化で、原油市場価格が高騰し、ガソリンや石油製品の輸入・製造コストが上昇、また、穀物市況も高騰局面から更に一段上昇となった。これは、アメリカで、今進められているとうもろこしエタノールプロジェクトで、原油・ガソリン価格高騰からエタノール需要が更に増えるという思惑が投資家に間に浮上している為。

 今、地域のガソリンスタンドが危ないという。この2~3年でめっきり地方でのスタンドの数が減少となった。給油所は、土壌汚染対策といった問題があるので、そのまま放置されて、「幽霊スタンド」と化している。ガソリンの卸し会社や石油製品販売会社では、顧客からの要請に応じて、輸入コスト高騰にもかかわらずコストを抑えている。この為、経営体力に乏しい企業、もともと負債があったり、零細弱小から倒産している。

 穀物関係では、小麦粉、食用油の価格が高騰。しかし、末端消費者の所得は、重税と不景気の影響で、減少し、デフレスパイラルは未だ続いている為に、末端販売価格を上げる訳にはいかず、他店との競争を含めて持久競争に突入している。この為、こういった食品加工業者が今後苦しくなるだろう。

 これらの影響で、食品会社、飼料卸し問屋とか、養鶏場等の畜産事業経営者の倒産が目立つ様になっている。4月からは、畜産飼料の価格が大幅な値上げになるので、更に、コスト面で不利な都市近郊、例えば、先日も京都でみられた様な倒産、事業破綻が増えるだろう。

 今でも、辛うじて継続している企業でも先行きの経営環境の悪化を見越して、事業整理、清算を考えているところも増えている。

 あるロールケーキ屋さんでは、原料価格の高騰対策で、メニューとかそういった印刷物を自前で印刷する様になっている。パソコンがあれば可能である。この結果、印刷業等も駄目になっているし、業界新聞とか、そういった最初にコストを削られる業種・職種にも波及してきている。

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