測定値異常続く2011/03/14 09:21

 福島第1原発のγ線測定値の正門での測定車による計測値。ほぼ24時間のモニター結果であるが、幾分落ち着きをみせているが予断は許されない。

 14日午前1時50分時点で4.371μSv/hというおことで、13日未明まで記録したこのグラフの最終値3.860μSv/hよりも多い目の値を示している。つまり、漸増が続いており、この点から観察すると、炉心からの放射線漏洩は、続いているということで、核反応が燃料棒において完全に停止した訳ではない。

 今後、数日の様子をみてだが、こうなると海水での冷却は、困難になっていることが予想されている。第3原発でも同様の状況となっており、海水による冷却が実施されたが、第1号機と同様な状況となっており、核反応を抑えることが不可能になっている。

 今後は、即発臨界を抑えることを主眼に作業を行い、最終的にもチェルノブイリと同様にコンクリート石棺で建屋全体を封鎖し、発電所から半径50キロ圏を永久立ち入り禁止区域にする以外に対策はないだろう。

 今回の事故で、日本はもとより、世界各国で、原子力発電所新設への反対の声が上がることが予想される。

 日本の様に地震・火山活動が活発な国は、地殻に大量のマグマエネルギーがふんだんにある訳だから、日本独自で地熱発電(マントル発電)の技術を開発し、実用化すべきだったのに、欧米の技術に依存して、独自技術を開発することを怠ったから、こんな結果になった。

 また、今回の事故は、人災である。それは、東電の担当者の発言にもみられた通り、震災による揺れで炉心は緊急停止をした。その後、緊急冷却作業に入るが、その際、当然、冷却用ポンプに必要な電力は自家発電による以外に無いが、それがうまく動作せずに今回の事故に至った。

 それは、冷却用ディーゼルエンジンの冷却水循環システムが、津波の影響で停止してしまったというが、気象庁の予報や、前回の地震の結果、津波懸念が当然あった筈なのに、その対策を怠っていたことが最大の失策である。前震の時点で、操業を停止して、1週間の安全確認作業を何故行わなかったのかという問題点もある。

 また、こうした非常バックアップシステムさえも自己循環方式が採用されている為に、一度、発電所全体のシステムが機能不全に陥った場合には、非常用システムが稼動しないのは明らかで、明らかに安全システム設計のミスでもある。

 いずれにしても後の祭りである。今後一番懸念されるのは、周辺住民の健康被害、更に、東北、関東地域の農作物の汚染問題である。

 今から、青果、生鮮食料品の集荷場には、放射線カウンターを設置し、異常が無い物を出荷しているという検査証、検査認定の制度を行政側で創設しないと、いらぬ風評被害が起きる可能性さえもある。

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