イメージの世界・唯識の世界に左右される私たち2008/12/27 22:56

 これまでの再生装置及びソースの周波数分布(スペアナ)の測定を行って来たが、残念ながら、ノイズレベルが測定出来ないのでダイナミックレンジ、歪み等については、測定結果には、反映されていない。

 CDとLPのソースの周波数測定結果の比較では、「そうみれば、その様にみえるかなー」という程度で、聴感上に感じられる両者の違い程の相違点は見いだせず、むしろ、「CDとかLPとか先入観を持っているから、そんな風に聞こえるのかな。」とも考えたくなる。

 しかし、超高域のダイナミックレンジの測定データがあれば、かなり的確な比較が出来ると思う。つまり、前回、「CDはレンジは伸びていないが、ピークレベルが高い」と指摘したが、CDは、超高域では、帯域の上限は、急峻に落ちているが、LPは、徐々に下降していくが、同時にノイズレベルが増すので、ダイナミックレンジは狭くなるといった見方も出来なくはない。スペアナでは、20Khzという人間の聴覚の限界レベルでのノイズか楽音かを分離して見せることが出来ない。

 また、比較に用いたデータもサンプリング周波数44100Khz以下(WAVファイルの上限)の制約があるので、20Khz以上の超高域でLPがどの様に周波数分布をしているかを知ることが出来なかった。

 いずれにしてもCDやLPといったソースの違いよりも、アンプやスピーカー等の再生装置による違いの方がずっと大きく、聴感上の変化は、再生装置による違いが影響している可能性が高い。

 今回は、スピーカーを取り替えて周波数を測定できなかったが、おそらく、この違いによる聴感上の変化が最も大きいだろう。アンプによる違いは、聴感上もハッキリ判る程であるが、スピーカーの違いはもっともっと大きいだろう。

 「デジタルだから音がキツク嫌で、アナログだから人間らしくウォームな音がする。」というのは、どうやらイメージの世界の様だ。

 但し、アナログイメージ志向の人が、「少しでもまったりした音を。」とトランジスター式アンプ(直流・交流を選ばず)やMOS-FETアンプ、あるいは、デジタルアンプから、古風なノスタルジーと、視覚的イメージの楽しさに溢れた真空管アンプ、例えば300Bシングル等にアンプシステムを交換したとする。

 そうすれば、再生帯域とダイナミックレンジが、半導体に比べて格段に狭いので、高級なCDやトランスポート、SACDプレイヤー等で、最新の録音(特にオーケストラやジャズフルバンド等の大編成)と組み合わせると、超高域や超低域でクリップが生じるので、「高域では刺激的な音のみが目立ち、それにしては、情報量が低い」という評価が生まれる可能性がある。

 そうした人達は、「やっぱり、アナログは、アナログ、LPレコードだよ。」とブラックディスクの再生にのめり込んでいく。当然、LPは、再生周波数レンジは広く、ダイナミックレンジは狭いという特性を持っているので、真空管アンプでも、「クリップしない安全圏の範囲内」で歪みが少ない音で再生出来るだろう。

 「やっぱり、LPの方が音が澄んでいるよ。」などと言いかねない。

 こうして、ますます、LPレコード再生と真空管アンプの組合せの評価が高まっていく訳である。

 また、最近のスピーカーシステムは、タワー型、行灯型等の狭い住居空間の事情を反映して、低音再生に不向きなものが多いので、歪んだ高域のみが強調されるので、余計にその様な傾向になるだろう。


 実際には、SACD、CD、LPでも再生帯域は、巷で言われている程の差はないのである。

 むしろ、アンプとスピーカーシステム、そして、録音そのものの良否の影響の方が聴感の印象を左右する。そういった点を考えると、注意しなればならないことは、次の通りとなる。

①良い演奏、良い録音のアルバムを選ぶ。
②十分な再生帯域とレンジがある装置を利用する。
③聴く前からイメージにとらわれない。(デジタル、アナログのソース上の物理的な特性の差異は、私たちが考える程大きくはない。)

③が特に難しいだろう。私たちは、「唯識」の世界に生きて、イメージに左右される動物・人類なのだから。

以上が一連の測定実験で覚ったことである。

インド密教美術の展開についての体系的解説2008/12/17 22:41

IXYDIGITAL70で撮影。EXP505で収録
佛大の仏教芸術コースを卒業後も、研究というか学習を継続しているが、特にインドの密教については、理論等の解説書はある程度見当たるものの、インド密教美術を体系的に説明した資料は殆ど見当たらず、そうなれば、佛大で行われた森先生のスクーリングが非常に参考になる。本当はイケナイことかも知れないが、先生のスクーリングの一部を画像で収録している。
 これをPSP用のデータの変換して何度も見ていると色々なことが判ってくる。
 特に役に立つのがシーンサーチ機能で、これで、スライド毎の解説を呼び出して視聴することが出来るので、ちょっとした図像データベースとして活用出来る。
 森先生のWEBにはアジア仏教美術の図像集成があり、これで大抵の代表的なインドの密教美術についてはみることが出来るが、実際に解説付きとなると、やはりスクーリングで学んだことが重要になる。特にインド密教美術における観音菩薩の位置づけに非常に興味を持つようになった。
 金沢大学で森先生の講義等を聴講できれば、どんなに参考になるかも知れないと考えている。

『超簡単ニコニコ動画、YOUTUBE FOR PSP』(工学社\980)2008/12/13 13:10

 PSPの画面は大きく、しかも、液晶の質が良いので、携帯動画再生機としての基本性能は優れている。
 また、画像処理プロセッサーが高性能なので、性能に余裕がないパソコン等で時折発生するコマ落ちもなく、非常に画面もスムーズである。
 この『超簡単ニコニコ動画、YOUTUBE FOR PSP』(工学社\980)では、インターネットの動画のダウンロードの方法から、MPEG4への変換、転送方法について簡単に解説している。
 解説は、判りにくい。こんなソフトもあるという紹介と付録CD-ROMに変換ソフトが収録されているのを活用すれば良い。

 YOUTUBE等では、収録されているSMAILLE- DOWNLODERを使うのが簡単。インストール出来れば常駐タイプのソフトとしてインターネットにアクセスして動画ファイル名を右クリックすれば、ダウンローダーが起動して画像を取り込んでくれる。
 但し、問題なのは、このままでは、FLV動画フォーマットなので、MPEG4に変換してやる必要がある。この場合は、付録の3GPコンバーターを使用する必要がある。簡単に変換できる。

 YAHOOやGAO動画、あるいは、ストリーム配信のWMVファイルは、ダウンロードから変換までかなり苦労する。このままではファイルに保存できない。
 従って、この本に紹介されているGETASFSTREAMというフリーソフトを起動して、URLの動画ファイルの解析を行い、ダウンロードファイルを特定して、WMVファイルとしてダウンロードする作業が必要。
 URLファイル解析は、このままでは、保護されていて、読めないので、WINPCAP4をインストールしてこちらも常駐させる必要がある。
 GETASFSTREAMに目的とする動画があるURLを入力して、アクセス動画再生、URL解析、ファイル特定、ダウンロード指定という工程が必要だ。
 更に、WMVファイルをMPEG4形式に変換するには、3GPコンバータでは無理で、以前、このブログで紹介したモバイル動画FOR PSPを使用する。
http://fry.asablo.jp/blog/2008/12/09/4000164

 更に2重コピー防止措置がされている可能性もあるので、出力ドライブ、ディレクトリーを指定して、メモリスティックDUOのVIDEOディレクトリーに直接、出力する。
 当然、メモリースティックが読めるUSB変換アダプターが必要である。
 DVD、ストリーム配信動画は、著作権保護がされており、原則、コピー再生が出来ないことになっているので、この本でもソフトを紹介していても、MPEGファイルの変換と転送について留めており、肝心なところがぼやかして記述されているので、読者が試行錯誤する必要がある。
 特に動画配信されている通信講座等を個人的に学習に利用するのにPSPであれば、どこでもみることが出来て非常に便利だ。

PSPでビデオを楽しむ2008/12/09 12:46

IXYDIGITAL70で撮影。
 自作のDVD、ムービーや本当は市販DVDをPSP向けのmpeg4動画ファイルに変換して、出先で気楽に楽しむことが出来れば、PSPの利用価値は飛躍的に高まる。
 最近では、大型液晶がついた携帯で、ワンセグやムービーを楽しむ人も増えている。
 その場合には、ビデオフォーマットコンバータ(変換ソフト)ソフトが必要となる。幾つかインターネットで検索してみたが、著作権法に触れる行為なので、フリー、シェアウエアともに販売されているものは少ない。
 その中でAVS VIDEO CONVERTER6というソフトが優れもので、大抵のDVDは、簡単にPSPで視聴可能なファイルに変換出来る。但し、アクチベート(料金支払い)されるまでは、画面に非アクチベートバージョンであると表示されるのでウザイ。
 料金は、無制限が50数ドル以上する。しかも、カードで海外支払いとなれば、怖くて出来ない。
 そこで、登場したのが、SOURCENEXTのモバイル動画で、これは、AVS VIDEO CONVERTER6と同様の機能が使えて、価格は、3970円。
 安い値段で、簡単に変換できるなんて、凄いと思う。このソフトを紹介しているWEBは少ない。
 但し、ipod用とPSP用のソフトが1枚のCD-ROMに入っており、両方を使いたい時は、2回インストール作業を行う必要がある。初回起動時には、PSP用、ipod用のシリアルは別なので、別々の番号を入れなければならない。
 実際に変換をしてみた。
 自分で収録したDVDはなんなく変換してくれる。アナログ放送の録画DVDは問題なく変換出来る。デジタル放送は不可。市販DVDは制限がある様だ。また、リージョンコード等の解除等のソフトを別にどこかで入手する必要がある。
 また、やはり、違法コピーを防止する為か、1タイトル丸々の変換は不可能で、チャプター毎に選択して変換する必要がある。
 ソフトの動作は非常に重い。CPUの使用率をみてみると100%となるので、他のソフトは使用を止めなければならない。DVDの場合は、1時間以上はかかる場合があるので、夜中にこのソフトだけを稼動させるか、専用のノートパソコン等を使用するか等の対策が必要だろう。
 PSPで鑑賞するDVDは、非常に解像度が高い。PSP3000だと素晴らしいだろう。特にミリタリーものや模型等のDVDを再生するとあたかも実物を身近でみている様な感じがして楽しい。
 但し、ずっと手持ちで鑑賞するので、腕がだるくなってくるのもたしか。