中古文学会春季大会2009/03/12 23:10

 このところ、気温が下がって、その為か首が痛む。
 マッサージも効果がないようだ。
 
 ところで、本日、中古文学会春季大会の案内が来た。
 会場は国士舘大学なので、関東地区での開催だ。
 今回は、私の研究分野に近い「源氏物語と絵画」の特集である。
 5月23日(土)~24日(日)の2日間。
 シンポジウム 源氏物語の絵と注釈

 基調報告は、帝塚山大学の清水婦久子先生で「絵入源氏物語挿絵と本文・和歌・注釈」を初めとして、「『源氏物語画帖』における詞書、」(根津美術館野口剛先生)、「近世初期の源氏絵と詞書筆者について」名古屋大学高橋亨先生)、「幻の源氏物語絵巻」にみる物語理解」(立教大学 小嶋菜温子先生)等々。

 近世の源氏絵と詞書の関係については、一応、私の卒論でも触れたが、梗概書による理解が中心となる。ところが、絵入源氏物語の場合は、三条西家証本を底本にした北村季吟の近世流布本系の源氏物語(一応青表紙本系とも言えなくはない)を元に、絵画化されている。

 また、絵画化された目的も源氏物語画帖の様な装飾、風俗画的な様相と、絵入源氏の様な物語の挿絵(本文の内容に即している)とは異なる為に、これらを同列に扱うことには問題がある。

 おそらく、近世の源氏絵の流れとしては、絵入源氏の様な挿絵本系と画帖、屏風等の装飾系、また、同じ画帖でも、梗概書、あるいは、源氏物語絵詞の様な(絵画化の指図書、テキスト、マニュアル本)に拠るものと傾向は異なってくる。

 「絵入源氏物語」については、研究を更に進める為には、例えば渋川本のお伽草子が奈良絵本に拠っている様に、やはり、絵入源氏が登場する以前の形態まで遡及して考察を進める必要がある。この違いを比較検討することで、図柄の細かな相違点と本文解釈との関係等を明らかにしていけば、近世における源氏物語注解の傾向や方向性が見えてきて、「源氏学」に新たな光を放射することになるだろう。


 学会の当日は、この様な相違点を中心にシンポジウムで討論されるのだろうか。参加してみたいが、会場が東京だし、私は、既に大学を止めているので、学会に参加する権利もないのではないだろうか。それどころか一般会費が高いので退会せざるを得ないような状況になっている。8000円の懇親会等、とんでもないことだ。