PMA390IVのMMカートリッジ専用のフォノイコの音質をチェック2009/09/10 22:51

 PMA390IVは、引き続き、私の部屋で活躍している。

 暫く聞きこんでいくと、そんなにレンジ感はないけれども、小さなデノン製スピーカーシステムUSCXS11を上手に余裕を持ってドライブして再生してくれるので、気に入っている。

 この様な小型スピーカーの場合は、ポピュラー音楽用にチューニングされているので、やはり、トーンコントロールで高域を抑制して、低域を強調してやる必要があるが、十分な低音(音質には問題があるが)が出てくれるので、トーンダイレクトでも結構楽しめる。

 プリアウト出力も非常に音質が良いのが特徴で、面白いのは、6L6GCシングル等の管球アンプに接続してもデノンサウンドが出てくる点である。やはり、アンプの音質を決定するのは、プリアンプであると言っても過言ではないと思う。

 今日、このPMA390IVのMMカートリッジ専用のフォノイコの音質をチェックしてみた。カートリッジは、SHURE-SG44を使用。

 DL103R+自作の管球フォノイコに比べて、やはり、SN比が高い。また、半導体のフォノイコにみられる埃っぽさや透明度の低さも見えない。やや周波数レンジは狭めだが、落ち着いた音で無難に再生してくれる。

 同じ半導体のフォノイコでもSONYの電池式のやつやオーディオテクニカのものに比べて、音質は良好で、透明度が保たれているのは立派。

 回路構成をみてみたいが、一応、集積回路を使わずに構成されているのだろうか。集積回路を使用したフォノイコは、聞くに堪えないものが多い。

 ベンジャミン・ブリテンの自作自演の「シンプル・シンフォニー」を聞く、ロンドン盤特有のメリハリとか陰影の濃さ等がうまく表現される。

 アンプの透明度が高いので、レコーディングマスターのヒスノイズまで聞き取れる。CDの再生よりもデノンの音質が表に出てくる感じ。

 デノンは未だに現役でアナログプレイヤーを発売しており、しっかりとフォノアンプも手抜きなくやっているようだ。

 まず、LPレコードのライン信号に変換したものを、PMA390IV本来のメインアンプで再生してみると、レコードの凹凸か、あるいは、歪みが、そのまま超低周波で出力される。それもかなり高い出力なので、耳には聞こえないが、ウーハーがフラフラと大げさに揺れる。

 面白いのは、メインアンプを6L6GCシングルに切り換えると、聴感上の変化は殆どないが、ウーハーのフラフラはほとんどみられない。

 つまり、管球アンプの再生帯域のエネルギー分布は、低音域でもそれ程、狭いということで、LPレコード再生には十分では、超低周波まで入っているSACD等では、再生仕切れない音もあるということだろう。

 また、可聴域以外の超低周波は、相当、再生にエネルギーが必要なので、十分な出力があるアンプが必要だが、管球アンプは、そうした再生には不向き。

 でも、LP時代には、ウーハーのフラフラもなく、帯域が整理されたウォームの音が再生されるので、この方が適していたかも。

 いずれにしてもPMA390IVでLPレコードも一応満足出来る音質で再生出来ることが判って、良いアンプだと再評価した次第。