川口悠子選手の美しさに心が打たれた2010/03/01 20:49

 バンクーバーオリンピックが閉幕した。残念ながら日本の金メダル獲得はなかったが、まぁまぁ楽しかったと思う。

 一番、印象に残っているのは、ロシアに帰化した川口悠子選手で、スミルノフとの演技で、残念ながら4位になったが、なんというか上品というか、赤いなんの誇張された装飾もなく、他の選手のギラギラした衣装に比べて、清楚というか、少し儚い感じもして素晴らしかった。

 本来の舞踏の美しさというのは、こうゆうのではないだろうか。彼女は、メダルは取れなくても、僕は、TVで見ていて涙が出る程感動させられた。

 それに比べて日本の女子選手の演技は、技術力は高いけれども、ロシアで学んだ川口選手の様な高い芸術性はなかった。

 僕の母親も言っていたが、選曲が良かったらもっと緊張せずに得点も上がったと思う。また、衣装も下品だ。

 肉襦袢を着込んだ、あのクレオパトラ風のスタイルの安藤美姫選手は、厚化粧で、まるで、ミナミのキャバレーのホステスさんだ。

 浅田真央ちゃんにしても、せっかくスッピンでも可愛らしいのに、新人ホステスの様で、清楚さが失われ、演技の評価にも影響したのでは。

 キム・ヨナは、韓国人なのに、大和撫子というかアジア女性の清楚な美しさを持っていた。キム・ヨナが、金メダルを獲得したのは、技術よりも、外見の美しさ・清楚さだと思った。

 日本選手の音楽センスは最低だ。 
 
 あのモツレク、ディエス・イルラ(怒りの日)の音楽、これは、日本人ではなんとも思わないかもしれないが、あれは、キリスト教徒にとっては、特別な音楽で、陀羅尼の様な呪怨の音楽である。

 こうした演技の曲としては相応しくない。せめて似た曲としてオルフのカルミナブラーナの曲を選べば良かったのに。安藤さんのラフマニノフの「鐘」は、もともとピアノ曲であって、それを、ストコフスキー等がオーケストラの曲に編曲しているので、もともと無理があるし、リズムの後拍に力点が来る曲なので、ジャンプのきっかけを掴むのに非常に難しい。

 大体、あんなに重苦しい曲は、真生ちゃんには、向いていない。

 織田信成選手のクツのヒモが切れたのは、偶然ではない。本能寺での祈祷が呪いの方に作用し、逆効果を生んだ。信長の暗殺された寺。生涯で1度の失敗で、命取りとなった寺での祈願など、効果がある訳がない。

 織田信成さんの勝利を祈願するならば、京都船岡山の建勲神社で祈願・祈祷を行うべきだった。

 結局、こういった特別な派手なところがなかった高橋選手がやっと銅メダルを獲得した。

 女子カーリングは、あのドイツのクナッパーツ・ブッシュの様な岩の様な顔をした魔女にやられてから調子が狂ってしまった。ブリューゲルの絵画「狂女フリート」という作品があるが、地獄の獄卒達も凄い剣幕で倒して、この世に帰ってくるという途方もない強い女であるが、これに似た女性が現実にいるものだと妙に感動した。

 それにしても、最大の敗因は、オーダーをあの前の試合で変えたことで、これで調査が狂ってしまった。選手達に無用なプレッシャーを与えたのである。

 日本選手団全体の一般的な敗因としては、「強化予算の不足」が言われている。民主党政権下で、毎回、与党政権が、オリンピック大会の時は、財界とか様々な方面に声をけて、強化予算を捻出していたのが、今回は、まったく援助がされなかった為に選手の負担も大きかった。

 今回の大会で、4~5位の選手は、十分にメダリストになる可能性があるが、今ひとつというところで負けたのは、やはり、予算の不足、選手の疲れとか言ったことが影響していると思う。

 結局はお金である。

 次回以降のオリンピック、子供手当や高校教育無償化を制限付き給付にして、その財源をオリンピック強化に充当すれば良いと思う。

 あるいは、オリンピック基金に寄付をした企業や個人に対して、税金の控除が受けられる様な方法でも良いと思う。

 選手のインタビューを聴いても、「あくまでも自分自身の挑戦」という声が多く、「日本の国家を代表して大会に臨んでいる。」という声は少なかった。

 国民・国家意識を高揚させる為にも国を挙げて、こうした選手権の強化対策に取り組みべきで、血税を投入して選手の強化に充てれば、嫌でも、選手は、国家の代表としての使命感に目覚め、メダルの獲得数も増えると思う。

三宮のダイソーの方が、東急ハンズより良い2010/03/01 21:56

 今日は、三宮のダイソーに出かける。
 実は、その前に東急ハンズ三宮店で、玄関の補助鍵等を買ったのだが、塗装用品等が殆ど無いので、唖然。

 世間知らずというか、世の中、どんどん変化しているというかダイソーは大変のお客さんでレジに行列が、東急ハンズは、店員さんが暇そうにしていたのと対照的。

 ダイソーは、2フロア目一杯に店舗展開。

 ちょっとしたホームセンター位の規模があり、DIY関連のグッズ等は、こちらの方が品揃え豊富。100円ショップのデパートだと思う。
 特別の値付けがされていないのは、全て105円なので、楽しい。
 作業用ポリシートは東急ハンズで捜したが販売されていないが、ダイソーでは、これくらい当たり前で、塗装用の刷毛の種類も多い。

 ネジ、ボルト類も良い材質のものが安い値段で揃っている。工具類もこちらの方が、専門的なものが揃っている。

 1個100円というのは、回転寿司よりも安いが、開店寿司が流行ったのは、安いだけでなくてお金をどれだけ使っているのか簡単に判るという安心感もある。

 ダイソーもこれだから流行っているのでは。
 このお店があれば、東急ハンズは要らないのではと思った。

 しかし、高額商品はこの店ではおけないので、その辺りで東急ハンズと棲み分けが出来ているのかとも思う。
 写真は、アロマで、アロマは、LOFTよりも種類が多いので、驚かされる。
 色々な香りを楽しんでみようと思う。



茶色く変色した汚い壁が消えた2010/03/02 22:53

 ようやく部屋の壁がを塗り終わって、その後片付け(ペンキの汚れを落とすのが大変)や、塗るのに失敗してはみ出たところの処置(カーキ色のペイントをマスキングして吹き付ける)等に追われて、一応、一段落となった。

 天井も、最初は、白く塗ろうかと思ったが、刷毛塗りだと飛沫が飛び散って悲惨なことになると思ったので断念(吹きつけ塗装以外は、天井の塗装は難しいと思う。)

 塗装時に畳みを外していたのを再び敷いた。畳み裏の新聞紙が雨漏りの影響で腐っていたのを全て外して入れ替えたり、こちらも大変。

 ここ数日雨模様の天気だったが、畳みを上げていた床はむしろ乾燥して来たので、雨樋の詰まりを修理後は、雨漏りが発生していないことを確認。

 それにしてもせっかく壁を真っ白に塗装しても、古畳みでは、動揺しようもない。

 ウッドカーペット(1万4千円位)を買って、取りあえず敷いてみようと思う。本格的なフローリングは、畳みの下の床面が木材ではなくて、コンクリート打ちなので、基礎材(角材で数本取り付ける)の取り付けが釘止めが出来ないので、作業は大変。結局、厚さ2㎝位のパネルをコンクリの上に敷いて、その上にフローリング工事をする必要があり、費用と手間が大変だ。

 お金もないのでウッドカーペットで当分は我慢か。

 それにしても茶色く変色した汚い壁が消えたので、少しは、部屋の雰囲気が明るくなったと思う。

 ペンキ代が1万4千円もかかった。刷毛とかその他込みで1万6千円位の材料費。

 ダイニングキッチンの壁の塗装も同様の方法だが、今回の作業で、ペンキが全く足らないことが判明。それにしても家に手を入れる度にお金がかかる仕組みとなっている。

鍵屋敷2010/03/03 20:12

 以前、玄関の鍵の取り替えに8千円かかったが、この鍵は、サムターン鍵で、これだけは、防犯効果が薄い鍵なので、常々、不安に思っていた。
 やはり一戸建ての1人暮らしは、防犯的にどうかと思う。それなりの防備をしないと行けない。
 1ドア2ロックが防犯効果が高いというので、留守わからん錠というのを検討する。留守わからん錠以外にも「管理用鍵」とかそういった補助錠があるが、

  これをすると、この家が留守だということを空き巣に知らせている様なものだという。
 留守わからん錠は、在宅でも外出でもこの鍵がついているので、一見、区別が付かないという。

 しかし、残念ながら、私の家は、さすがにボロ家で玄関ドアはカブセドアである上に、ドアの表側に突起があるので、留守わからん錠がつけられない。

 結局、悪徳賃貸業者が滞納者の締め出しに使用しているドアノブに被せるタイプのロックかあるいは、管理用鍵(カブセドア用も販売されている)以外に使えないので、使用を諦めていた。
 色々、捜していて、ドアチェーンが外からロック出来るタイプの製品を発見。これをつけることにする。

 元々は、従来からあるドアチェーンのネジ穴に合わせるタイプだが、この家は、もともとドアチェーンみたいな洒落たものはついていないので、自分で穴を開けて付ける以外に方法はない。
 ドア、及びドア枠は、アルミ製なので、ネジを切らねばならない。これもボルトより小さめの直径の穴を開けておいて強引にボルトをねじ込めば、ネジが切れてくれることが判った。
 一番、苦労したのは、外から内鍵用のチェーン穴を外せない位置にロックをつけることである。あまり、離れた位置にすると、今度は、家の中からチェーンロックが出来ないし、外からロックを外す以外にない。
 チェーンの鎖受け金具(大きい方)の戸口に鍵穴があり、それを回すと、チェーンの擬宝珠(ギボシ)ロックが外れて、フリーになる。鍵を締めると擬宝珠が働いて、鍵を開けられない。

 しかし、これでもサムターン回しには、それほど、有力だとは思えない。

 一番、[お馬鹿!」(ちびマル子ちゃんのお母さんの台詞)なのは、大体、このチェーン錠自体がネジでドアに固定されているので、ねじ回し1本で器用な人(不器用であれば、空き巣は出来ない。)ならば、簡単に外せてしまう。

 更に、一番手っ取り早いのは、玄関脇のガラスを破って、そこに手をいれてサムターンを回せば、簡単に開いてしまうし、チェーンの内鍵も外すことが出来る。
 これを防ぐ為に、ドア脇のガラスには、直径1㎜の鋼鉄製のネットを張り巡られてあるが、強引に押しのければ、手を入れられるだろう。
 大変な手間だし、時間もかかるが、このドアは破ることは容易い。これをされない様にするには、ガラスを外して、金属製の板をつければ、良いのだが、これは一仕事。

 でも泥棒ならば、こんな面倒くさいことをして玄関を破るよりもサッシ窓を壊して侵入する方が容易い。特にダイニング・キッチンの裏手は、全面ガラス戸なので、留守の時には、雨戸を閉めてロックをして、更にサッシは、2重錠しているが、これも時間と音を出せば破ることが出来る。(防犯ブザーもつけているが、これも効果はないかも。)
 そこで、キッチン及び1階六畳の入り口も玄関ホール側から鍵をかける様にしている。つまり、「潜水艦の原理」で1つの部屋が破られても容易に重要なスペースに侵入されない様にしている。
 しかし、家の中にも鍵をかけているなんて、だんだん頭がおかしくなりそう。


 ドアチェーンロックを取り付けているとお向かいの人が不審そうにこちらをみていたが、近所の人の目の方がこうした鍵よりもずっと効果があるので、死角をつくらない方がずっと大切だ。

 これから植木とかフェンスを設置しようかと思っているが、防犯上は、良くないことだと思う。大体、この家以外にもう1件、安くてダメージも少ない一戸建てを発見して、比較していたが、死角が多いので、断念。最終的にこの家にしたのだ。


美しく塗り上がった壁面に亀裂が入って、それが拡大していく2010/03/04 21:44

 恐れていたことが起こってしまった。

 美しく塗り上がった壁面に亀裂が入って、それが拡大していく。壁面と壁材が塗装が乾燥して収縮する時にヒビが入って割れ、中には、剥落しかけのところもある。

 和壁でしかも、壁材が劣化しているので、本来ならば、全て壁材を剥がしてから、塗膜を形成しなければならないが、そんなことをしていると大変なことになるから、そのまま塗ってしまった。

 しかし、世の中甘くないものである。どんどん亀裂が広がっている。

 ひび割れ対策に悩んでいるが、壁材の剥離止めと塗料の固着を狙うには、鉄道模型で山岳等のレイアウトの形成にやっている方法である木工ボンド(酢酸ビニール)を水性塗料に混合して、それを噴霧してみようかと思う。(刷毛で擦ると、剥落が更に進む可能性がある。)

 取りあえず、剥がれるだけ剥がれさせておいてから、この措置をやってみる。

 まるで高松塚みたい。黒カビよりもマシだが。このペンキには、カビ止め剤が入っているので、有毒だが、効果はありそう。

 また、ダビンチの最後の晩餐もフレスコ画であるが、壁面の漆喰と画材の下地が絵の具に耐えきれず(この場合、強制乾燥させた)、書いている最中に既に剥落が始まっていたのである。

 やはり、塗装は難しい。回り道でも、シートを貼るのが確実であった。あまり剥離が酷くなったら、壁に合板を貼ってシートに貼り替えようと思うが、クルマがないので、木材を運べないので、それも今のところは不可能だ。

外は霧で真っ白2010/03/05 10:56

 今朝、目覚めて窓を開けてみたら、外は霧で真っ白。

 谷底なので、特に霧が出やすいよう。今回は、お向かいの家の屋根も僅かに霞む状況でひどい。

 標高が高い為か、空を見上げると、雲か霧か間違える極めて近い距離に雲が流れていくのが見える。晴天の時でも極薄い雲が動いていくのをみていて面白い。

 昨晩は、雨もあったが、強風が吹いた。谷間なので、谷筋によって強い風が吹くので、家の屋根等が影響を受けないか心配になった。

 テラスの上に雨漏り防止の為に波板を張ろうかと思っているが、これも、以前は張られていたのが強い風で崩壊したので、そのまま放置しているのだと思う。

 波板は、強度が弱いし、風が吹いた時の震動音等が大きそうなので、躊躇している。家の外壁の見積もりもせっかく37万円で出してもらっていたのに未だに返事せず仕舞い。

 1年間位暮らしていて何事もなかったら、外壁の塗り替えした方が良いかも。他の場所で、雨漏りが発生したり、不慮の事故が起こらぬとも限らないので、お金は、引越当初は、出来るだけ置いておきたいもの。

 写真の横線はケーブル・電線で、これがなければ景観はもっと良いのに残念。

叔母も同様に身体の不調に苦しんでいたのだと思う2010/03/06 14:10

母方の叔母が亡くなった。

明日はお葬式だ。

母親は、実の妹なのに葬式には出ないという。
さすが、私の母親だと思う。

実家に帰って翌朝の午前中に電話で急逝が伝えられた。

たしか、今春のNHK文化センターでも、講座を開設する予定だった位だから、急に具合が悪くなったようだ。

母親よりも3歳上だが、足腰が悪くダルマの様に肥えた母親よりも、ずっと元気・健康で梅田や三宮で油絵教室の講師をやっていた位。80歳で現役でお金を稼いでいた。

もっとも、老後の生活が苦しかった為にやむを得ず働いていたこともあり、無理をしていたのかも知れない。

叔母は画家である。

叔母の絵がヤフオクとかに出ていたり、ネットで検索すると結構、若い婦女子のファンが多いようだ。私は、叔母の作風はあんまり理解できない。

それよりも趣味でやっていたピアノにいつも関心させられていた。

祖父のアトリエ(つい最近まで叔母が使用していたが、借家で立ち退きを迫られて、追い出されてしまった)には、古い19世紀に作られたピアノがあった。このピアノは、ヤマハとかとは、ぜんぜん違うヨーロピアンサウンドをきかせてくれる。

叔母は、帝政ロシアから亡命してきたシロティの弟子の門下であり、19世紀ロマンチズムの正統を受け継いでいた。日本の教育を受けたピアニストではないので、ペダルの使い方1つしても全然異なる。

響きが部屋中にフワッと広がる。この「フワッと」感は、旋律とか構造重視に日本で教育を受けたピアニストに聴けない音である。

ベートーヴェンのピアノソナタもどこか宇宙の彼方から聞こえてくる様に弾いてくれる。これと同じ様な演奏様式を持っている女流ピアニストとしては、エリー・ネイという人がいて、この人のLPが私が大好きで、何度も聞いていて、叔母にも貸したところ、すごく、感激して、その日から1週間位、ピアノの前にずっと座り詰めで、ネイの真似をレコードをかけながら試みていて、「レコードを返すから」と翌週呼ばれた時に弾いて聞かせてくれたが、もう、ほとんど、ネイそっくりの弾き方になっていた。

その後、私は、人生の負け組みになって、就職に失敗してから叔母の前からは、姿を消した。

最後に逢ったのは、祖母のお葬式だった。母親とも実の姉妹なのに大層仲が悪かったので、どうしても行き来が疎遠になった。

1週間前、寝ていたら、金縛りにあった。

深い黒い森。その奥の杉木立の根元にさびしい一軒屋があって、月が煌々と屋根を照らしている。

その上をみると、人間の頭をし、カラスの羽、足は、鳥の足なのに鬼の足の様な毛が生えている。顔は、第六天魔王の様な形相で、不遜な笑いを浮かべて、「もうすぐ、そちらに行くからな。」と言った。

その直後、ゾクゾクと悪寒がして、目が覚めた。先週1週間、体がだるく、熱っぽく、口の中は腫れるし、最悪の体調が続いた。

叔母も同様に身体の不調に苦しんでいたのだと思う。

昨日、実家に帰ってきたが、叔母の訃報。
喪服類や黒ネクタイ等を実家においてきていたので、本当にタイミング見計らった様だ。


明日はお葬式、この為に実家に帰ったようなもので、偶然とは言え、言いようのない不吉な感じである。

悲しい別れではなくて、極楽往生の本懐を遂げたお祝いの「場」なのである2010/03/07 18:29

 今朝10時から叔母の告別式。

 導師様は、浄土宗天乳寺のご住職。この天乳寺は、能勢町の山奥にあり、屏風岩の近く。木喰上人作の仏像で有名。

 式典が始まった。

 浄土宗の式典に慣れている私は、今、唱えられているのが香偈であることは、当然、理解出来たが、実に美しい声調である。

 香偈の最初の声を聴いただけで、もうその式典の良否が判ってしまう。実に美しく、厳かな響きであったので感動してしまった。

 その後、浄土三部教も実に美しい響きで、綴られていく。目を綴じて聴くと、極楽浄土に向かう叔母の姿が目に浮かぶようだった。

 毎日、就寝前に浄土三部教を暗誦しているので、その様なイメージが湧いたのかもしれない。

 浄土教の経典は、極楽往生の言わば、イメージトレーニングの様な面があり、いくら正確の経典が読まれても、極楽往生のイメージが湧かなければ値打ちがない。

 この天乳寺のご住職様は、その点素晴らしく、この様な方にお経を読んでもらって叔母も満足しているだろう。

 叔母は、祖父や祖母の法事の時に、お坊様がいい加減なお経を上げると、真顔で怒る様な人であったから、いい加減なお経であれば、気の毒だ。

 しかし、今日の朗唱や読経は素晴らしかった。また、聴いておって意味が良く変わった。法蔵菩薩の修行から本願、阿弥陀如来になられて一切の衆生を救済される本願を立てられて、その本願の力で今、叔母が、一切のカルマから解脱して往生の本懐を遂げている素晴らしい瞬間なのだ。

 そう、悲しい別れではなくて、極楽往生の本懐を遂げたお祝いの「場」なのである。

 天乳寺のご住職は祖母の時もお経を上げて頂き、その時は、叔母も感心して拝んでいたが、今回は、その叔母が極楽往生を遂げる順番となった。

 たしかに、極楽往生は、素晴らしいことであるが、愛別離苦の悲しさを禁じ得ないのがヒトとしての哀しさである。

 私もいよいよ極楽往生の時には、この天乳寺のご住職様にお経をあげてもらいたいが、それは、適わぬ夢だろう。

 天乳寺のご住職は佛大で学ばれており、だいぶ前にその時の想い出を話して下さった。

 今日のこの様な幸せを理解出来た人はどれだけいただろうか。

スタンプショー大阪20102010/03/07 19:45

 叔母のお葬式の後、午後から第23回関西スタンプショウ 全国切手展JAPEX大阪展を見学。

 何時も、几帳面に鉄道とか音楽の絵入り風景印葉書を送って下さるJPSパソコン郵趣部会員のNさんのお招きもあり、正直言って、見学出来る精神状態ではなかったけれども会場に出かけた。
 会場には、久しぶりにお目にかかる切手収集のお仲間達が勢揃い。展示作品の説明等に忙しそう。

 これは、1枚だけでも数万円する機関車製造切手のゴム印関係の展示。この他、印刷局銘板等のよくこれだけのものが集められたなぁという作品で凄かったです。

 これは、ホワキン・ロドリーゴというスペインの盲目の作曲家で、アランホエス協奏曲等の作曲で有名な人の記念切手のMCカード。これも簡単に入手できません。


 この様にJAPEXの優秀作品の入賞者の方が、作品の解説もして下さいます。(テーマチクコレクションの展示説明。出品される方は非常に参考になりますよ。)







鳳凰のルーツ2010/03/07 20:02

 スタンプショウ関西の展示で、仏教芸術関連では、国宝切手の展示が目を惹いた。
 面白いのは、鳳凰関連の展示で、良く知られているのは、宇治平等院鳳凰堂の屋根飾りの鳳凰で、実に精巧に出来ており、複製品であるが、このブログにも紹介している。

 あの整地な描写のフォルムは、11世紀初頭に鳳凰堂が作られる3世紀も前には、既に出来ていたことが、判る。
 それを示すのが、40円葉書の図案にも採用されている奈良壺阪寺の鳳凰文方形塼である。この画像を今まで見たことがなかったが、見事に鳳凰の原形が既に完成していることが判る。

 切手や葉書を収集していて、その原画を調べると以外なことが判ってくる。
 これを契機に鳳凰のデザインのルーツ等を探ってみるのも仏教芸術の研究としては、面白いと思う。



 この麻布に描かれた雲中供養菩薩も、平等院の彫像の原型とも言える図案。しかも、その更にルーツが、シルクロード遺跡の発掘が麻布に描かれた形で発見されている。この展示品を作成された方に訊くと、正倉院御物の麻布に描かれた仏教絵画、更に色々なものが発見される可能性があるという。