5年前までならば、馬鹿みたいに競り合って高額落札商品だった。2010/07/13 09:04

 先日、ヤフオクで落札した朝比奈隆指揮ベルリンドイツ交響楽団のベートーヴェンの英雄交響曲である。

 最近、カールベームとかカラヤン同様に朝比奈も、さすがに没後10年近く経つと、徐々に人気がなくなって来て、ヤフオクでもマイナーなCDは競らずに落とせる様になってきてなによりである。

 今回のは、外盤で落札価格は、1505円だったか。この他にも倉敷室内交響楽団とのモーツアルト選集も落ちず。

 5年前までならば、馬鹿みたいに競り合って高額落札商品だった。

 日経新聞のお抱え評論家(極右)や、Z会という受験生を食い物にする会社が朝比奈を担ぎ出して、「頑張る青少年の教祖・シンボル的存在」にしてしまった。弊害である。

 僕は、朝比奈が1流だと思ったことは、全く無いが、2流でも堅実で楽しめる演奏なので、気軽にコンサートに出かけていたが、音楽に合わせて少し、手を動かしたら、横の受験生に怖い顔でにらみつけられたりする。軽くワイン等を飲んで聞きにいくなんて、怖くて、とても出来なかった。


 そういった「馬鹿騒ぎ」が収まってホットしている。


 このCD演奏は、オケが元々西ベルリンの放送交響楽団だけあって、堅実な技術を持っており、オケのランキングからみれば、B-からC+なので、最低限のアンサンブル技術があるので、指揮者の意図を約80%程度までは表現出来る。

 日本オケの実力は、サイトウキネンがA-からB+、朝比奈存命時の大フィル技術は、C-からD+位。今は、コンディションの良い時は、B-位の時もある。ちなみN響の実力は、B+位だが、コンスタントにこの実力が発揮出来るというさすがに首都圏のトップオーケストラだけある。

 演奏は、オケの技術はまずまずだが、音に重厚さが足りない。重戦車が前進する様な部分が朝比奈の英雄にはもとめられるが、その点、物足りない。

 第1楽章は、特に、不安定な部分もみられ、テンポが持たない(遅くても良いオケならば、間延びしない)、第2楽章も同様だが、後半になってティンパニのソロが入る辺りから、尻上がりに良くなっている。

 この演奏では、朝比奈は、「実験」をやっており、このティンパニーの3連符を、両バチで叩かせており、しかも、それが、運命交響曲のモティーフにつながるかの様にしている。そうして、聴いていると、ティンパニーの3連符の後の他の楽器との掛け合いになる部分等は、第5交響曲の第1楽章の展開部の技法の萌芽といったものも聞くことが出来る。

 スケルツォは、快速で朝比奈には珍しいが、イマイチ、特色にかける。但し、さすがにトリオのホルンは、素晴らしい。

 この演奏で一番、素晴らしいのは、フィナーレである。第1楽章で間延びしたのを警戒した朝比奈は、何時もよりも早い即興的なテンポで演奏を進める。

 特に、プロメテウスの主題による変奏曲の中間部には、フガートの部分があるが、その克明な響きと演奏は、さすがにこのオーケストラの技術力が最大限に発揮されているし、音の構造が複雑になるにつれて真価が発揮される。

 だが、コーダ-に入る直前の堂々とした行進曲は、やはり恰幅が足りない。ここでは、朝比奈は、フルトヴェングラーの模倣なのか、常套手段でテンポを落として進めるが、オケは、このテンポに慣れていないので、戸惑いが感じられる。

 秀逸なのは、コーダであり、朝比奈の演奏で、これだけ精密に各声部の動きが聴き取れた演奏は初めてで、更に迫力も十分である。

 コーダには、この巨大な作品のエッセンスが全て詰まっているのに感動させられる。

 オケの演奏も、最後の1音まで全ての楽器の音が大きな瑕疵無く響いてくれるのには、関心させられた。

 ところで、このオークションの出品者は、優良であり、「悪い」と評価されたのは、たしか1軒位であるが、それは、なんと「フルトヴェングラーのドン・ジョバンニ」のCDが落札されていて、その評価内容についてみると、「なんて音質が悪いんだろう。こんなCDを出品する姿勢に疑問を感じる云々」とコメントがある。

 フルベンのドンジョバンニなんて音が悪いは当然なので、こんな評価が与えられた出品者は、気の毒だ。

 責任があるとすれば、出品者ではなくて、CDの版元会社である。

 ヒストリカルな演奏を出品する人がいなくなってしまいかねないので、良識ある評価を望みたい。

ついに退会2010/07/13 22:29

ついにPCM音楽放送のミュージックバードを退会することに。

衛星アンテナを家に2個も立てなければならないのが、億劫なので、この際、止めることにした。

クラシック7chをずっと聴いてきて、それなり、ライブラリーも出来たし、これまでは、入って良かったと思う。

i-tuneとか、他のインターネット放送局もあるが、やはり、現在、流れている曲目とか、プログラムがあれば、エアチェックが出来るが、最近では、流し聞きが中心なので、録音もしなくなった。

ミュージックバードが、インターネットラジオに対応して欲しいと思う。128Kでも音質的には十分だと思う。

どうしても物足りなくなったら、また、入会すれば良いんで、聴かないというか聴けないのに会費を払うのももったいないので、ついに思い切った。

最近は、これまで録りだめしたMDとかCD(自分で焼いた奴)を聴いている。好きな音楽しか聴かない性質なので、これで良い。

インターネットラジオは、やはり、VENICE CLASSIC RADIOが上品で、内容も良い。音もまずまず。

CMが入らないのが良い。

怪異 時計の針が....2010/07/13 22:37

昨日は、正しい時刻を指していた2階の仏間の時計が、今日は、20分も遅れていた。

電池切れと思ったが、別にそうでもない。
今日の午後7時にセットしなおしてみているが、今のところ正常。

なぜ、時間が遅れたのか不思議。
だれかが、時計を外して、時間を狂わせたのか。

怖いと思う。
気のせいかも知れないが、週末家を空けて、帰って来てみたら、鍵等は、ちゃんと無事で、一見、何事もなかったのが、「アレっ」という様なことがたまにある。例えば、仏像の向きとか、ミニコンのスイッチを切っていた筈なのについたままだったり、食堂の裏の戸の錠前の位置が違ったり。

貴重品などは、動かされた形跡はないので、侵入者ではないと思うが、以前にも気味が悪いと思ったことがあったので、鍵を取り替えて2重錠にした筈ので、問題はないのだが。

でも、まだ、発見されていない侵入口があるのかも。

診療所の待合室で読んだ本(医学から密教へ)2010/07/13 23:06

 痛風が悪化して、ついに足の関節まで蝕み始めたので、足を引きずらないと歩けなくなった。

 今日は、検査の結果を聞きにいった。

 血液検査の結果、尿酸値が9.8というので、全く、薬が効いていないことが判明し、これまでの尿酸の産生を抑える薬から、排出を促進する薬に切り換える。

 但し、この薬は、ヤバイ。腎臓結石等の副作用の懸念もあるので、尿のpHを整える薬も朝夕飲まねばならず、また薬が増えた。
 股関節もコリヒチンで痛みがあっというまに引いたので、やはり、尿酸結節だということが判った。
 レントゲンでも結節の様なものができかけているのが確認されているので正しい診断だと思う。

 それでも、馬鹿な僕は、昨日、生協で買ってきた牛肉をステーキにして食べてしまった。ビールは、プリン体を抑えた奴を飲んでいる。
 ビール無しには、毎日過ごせない。

 痛風と言っても、足の親指だけではない。昨年、佛大の斉藤先生の講演を聴きに宮津市まで行った帰りから、両足に広がり、これが悪化の予兆だったが、まさか、股関節とか身体の色々な所に拡大するとは思わなかった。

 幸いに、今は、痛みが収まっている。

 この先生に、この間、気功というのをしてもらったことをブログに書いたが、診療所の待合室に、「気の人間学」という本が置かれて合ったので、それを待ち時間読んでいた。前の患者さんが重症だったので、小一時間待ち時間があったので、その本をほぼ読み終えてしまった。九州大学医学部の先生の本で、最初は、大抵の気功の本にも書かれている様な電流とか電磁波の話、サーモグラフィによる分析、生体が電磁エネルギーを生成する仕組み等から始まるが、この人の本が凄いのは、「気の源」という段階になって、仏教サイエンスの理論を持ち出されている点である。

 特に真言密教とか、チベット密教、理趣経等に、その気が生成する仕組みが理論的に書かれているという。

 特に面白かったのは、「空」の概念で、これは、科学的には、プラズマの様にエネルギーが物質や力等様々な現象に変化する以前の混沌とした状態であると解説されている。気を発生するには、「空」の状態を経なければならず、チャクラとか、そういったものの活性化の前の禅定の状態が重要であるとか、色々と解説されていた。

 密教芸術の仏画や曼荼羅についても、チャクラに至るまでの秘密が図像的に隠されているという。 

 恐れ入ったのは、般若心経についても、科学的な解釈がされていた点である。

 仏教と医学の結びつきが意外な点であったのも大きな発見。

 この本を本屋さんで探して、詳しく読んでみようと思う。