当時のレコード音楽文化がどんな風であったか2010/08/29 23:33

 午前中は、実家にいて、レコード三昧だったけれど、クレンペラーのブラームスの交響曲第4番、フィルハーモニア菅とアルトラプソディ(メゾソプラノは、あのルートヴィッヒ)のLPレコード。

 最初にかけたのが、シューリヒトのワーグナー序曲集(コンサートハウスだったか、マイナーレーベル)をかけてから、ブラームスとなった。

 ワーグナーとブラームスは、同じ後期ロマン派でも全然違う。同じ、自然賛歌とも言えるジークフリート牧歌とアルトラプソディを比べてみるが良い。

 ルートヴィッヒのアルトラプソディは、カール・ベームとも録音しているが、ベームの演奏は、「爺さんの子守歌」風だが、クレンペラーの場合は、凄くニヒル&クールで、全く感じが伴奏の指揮者によって変わってくる。

 この曲の最後の部分で、「アーメン」で終わるが、ベームの場合は、いかにも素朴な信仰の幸福に満ちた感じだが、クレンペラーの場合は、「アーメン」が何やら苦渋に満ちた終わり方の様に聞こえる。

 ゲーテの冬のハルツ山紀行という詩を音化されたものだが、ハルツ山というのが、魔物が住む山なので、クレンペラーの終わり方が本物かも。

 ゲーテの詩については、ドイツ文学の権威、芳賀先生に習ったが、ドイツ文献学の凄さというかすさまじさばかりが記憶に残っており、肝心のゲーテの作品のイメージがない。

 そんな話とは別にこのEMIのLP盤のレコード袋がこんなカラフルな紙製のものが入っていた。

 これをみると、当時のレコード音楽文化がどんな風であったか、その雰囲気が判ると思う。軽音楽でもオペレッタでも凄く愉しい時代であったことが判る。

 今、現在、CDやDVD等を購入して、こんな楽しい雰囲気に浸れないので、今の若い人達は気の毒だと思う。

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