弱いところから、どんどんと枯れていく2010/10/08 11:00

 倉本聰著の「北の国から」の出版元等「知る人ぞ知る」の理論社が民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産となった。児童書を中心に出版していた会社だが、優れた作品を多く世に出していた。いい加減な研究書よりも、ずっと価値がある子供の本を永年出版し続けていた。

 文学は役に立たないが、「児童書」は、教育的な効果が期待出来る。幼児の思考力、感性を高めることは、将来の実質的な効果につながる。

 こうした弱いところから、どんどんと枯れていくのが、今の日本の経済文化の状態である。

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 (株)理論社は10月6日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。会社側は「営業は継続し、早く再生を果たしたいと」としている。
 負債総額は約20億円。
 児童文学図書を中心とする出版社で、昭和22年5月、季刊誌「理論」の創刊をもって創業し、戦後の子供たちに夢を持つようにと創作児童文学の出版を扱ってきた。昭和40年代にはミリオンセラーとなった灰谷健次郎著の「兎の目」「太陽の子」や60年代には倉本聰著の「北の国から」を出版、近年でも「ルリユールおじさん」「ワニばあちゃん」など絵本をはじめ話題受賞作品の扱うほか、学校の課題図書に選出されることも多かった。
 しかし、近年の業績は一進一退が続き、最近では少子化の影響もあり売上が減少、平成20年4月期は年商15億7600万円を計上したものの、実質赤字で厳しい状態が続いていた。また、運転資金のための借入金負担も大きく、年商規模に近い借入金負担は財務をさらに圧迫していた。

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