麻痺剤の喉に広がり2010/12/13 21:49

童子に投句用のを一昨日作った。

前半の二句は、これまで起こった出来事、後半は、これからこうなったら悲惨やなぁと思いながら作った。

麻痺剤の喉に広がり寒苦消す
モガリ笛喉奥鳴らすカメラかな

モガリ笛というのはヒューヒューいうことで、嘔吐く喉を鎮めるには、こうして息をする以外にはない。

告知の日雪ひらの行方ながめけり
苦しみももうひとつきと春想う
胃も胆嚢もなかりけり鮟鱇鍋

僕の人生に責任もあまりないし、家族もいないし、会社も終わりだし、
もう運命の神様が終わりだと言っている様な気がしてならず、落ち込んでいる。

切除とかそういった手術になったら、治療を拒否して、どこかに逃亡して野垂れ死んだ方がましかな。

校訂者としてあるまじき、汚点・悪名2010/12/13 22:11

 ダニエル・バレンボイムのブルックナー交響曲全集(ベルリンフィルとの演奏)

 ヤフオクで安かったので落札したが、やはり、安いだけのことはあるという感じ。

 録音はライブなので、90年代前半のものにしたらやや落ちるかな。特に分離があんまり良くないので、音のソノリティが活きてこない。

 ブルックナーには、これが致命的だ。

 ベルリンフィルの全集と言えば、オイゲン・ヨッフム(一部、バイエルン放送響)、あるいは、あの帝王カラヤンの残したもので、これらも当然、僕は、全部聞いている。

 残念ながら、これらと比較するレベルではない。特にガッカリなのは、交響曲第2番で、あの初期交響曲の清々しさがまるで感じられず、ずっと曇り空の野原を歩いて居るような第2楽章にはがっかりだ。

 たしかに、この楽章では、曇りや寒い風が吹いたりするのだが、小鳥のさえずりが聞こえたり、梢を風が吹き抜ける音や、やがて雲が晴れて日差しがさっと射して、神々しく、金色に草原が光ったり、あるいは、旅の終わりを暗示する優しく哀しいヴァイオリンとビオラに重奏が聞こえる筈なのに、ほとんど、そんな音は聞こえず、どんよりしたまま。

 キャラガンという人の新しい版だというが、ハース版ではないためか。

 そういえば、この第2番の第2楽章ってハースが「作曲」したという音楽学者、校訂者としてあるまじき、汚点・悪名を残していて、それらの部分を排除したのがキャラガン版というのを聞いたことがあるが、僕が聞いたのは、その改竄の部分だったのか。

 未だ、第3番ニ短調ワーグナーまでしか聞いていない。1877年版とあるが、実際には、ノバーク第3稿である。

 第3番は、何度もベルリンフィルでライブをやっているので、カラヤンと比較しても良いと思ったが、その粘った根暗な感じが、合っているのかも。

 それでも、僕は、この曲は、カール・ベームやインバルの第1稿の演奏が好きだ。

 バレインボイムが専業ピアニストだった時代から知っているが、その頃の彼は、才能があったが、指揮者になってから駄目になってしまった。

 この辺り、アシュケナージと対照的である。

せっかく成功したのに報道は無視2010/12/13 23:14

 あかつきの失敗に隠れて可哀想なイカルス

 あかつきは、金星周回軌道投入に失敗したが、圧搾ガスで、燃料タンクの中に推進剤を燃焼室に送り込むという「日本初の人工衛星 オオスミ以来の日本の伝統」の原始的なロケットなので、ガスの圧力が下がったということは、なんらかの影響で推進剤に行くはずのガスが漏れてしまったので、6年後に逆噴射を行うのは難しいだろう。

 制御系の故障だったら復旧の可能性はあるが、今回は、無理っぽい。

 それよりも可哀想なのが、あかつきと相乗り=双子で打ち上げられた宇宙帆船イカロスで、無事に金星の軌道に到達したのに、マスコミでは、ほとんど報道されていない。金星の上空7万4千キロに到達したという。金星までの太陽風を利用した帆走に無事に成功し、惑星間航行では、史上初の快挙である。
http://www.asahi.com/science/update/1210/TKY201012100622.html