シカゴ定期乱高下2015/07/27 11:51

シカゴ定期が乱高下となった。一時期は、大豆は10ドルを超えてとうもろこしも4ドルを大幅に上回った。
中西部が洪水になって播種後の生育条件が大幅に悪化したのが理由。
ところが実際には、洪水になっていたのは、イリノイ等の一部の地域で、全体の穀物生産量には大きな影響はない。
最近の穀物先物市場は、需給要因よりも投機的な市場と化している。株式市場が債券市場に支配される様になって来てからは、市場は、リスク優先主義となった。この為、債権の利回りと株式市場の上下動、為替市場は、各国通貨間の金利格差の影響を受けるようになった。FRBの利上げをめぐってアメリカ市場は翻弄されているのもこういった理由。
世界的に需要が生産に拮抗している穀物市場は、投資家からみたら暴落の危険性が少ない低リスク市場だと言える。円もそういわれているが、日銀の金融緩和政策で大きく変わり、相対的に円安基調で触れる様になった。
先週になって穀物市場が急落となった。これは、ギリシャ問題が一応織り込みになり、リスク需要が後退した為とみられる。今後もファンドは、リスクヘッジの為に穀物を売買するが、やがて収穫期を迎える穀物が今後は、買い上がられる可能性は低いだろう。
円市場は、ここへ来て円高傾向となって来ている。かりに日銀が緩和政策をしていなかったがら1ドル=80円の時代が戻ってくるだろう。
円安で儲けているのは、一部の輸出企業だけで、食品業界では、円安による輸入コストの上昇、また、それに見合った食品や材料費、油脂、飼料等の価格が上がって困っているのだ。
政府は、国民の消費生活のことを考慮せず、円安政策を促進しているし、農水省も輸入飼料や原料、食品の価格変動対策についても冷淡である。
国民の生活の根幹を支えている食品業界のことをもって考えて欲しい。

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