新年の抱負2007/01/01 12:08

乙女巻 いよいよ六条院が完成! ツバル発行切手から 土佐派風の源氏絵が図案化されている。
 
大晦日の晩、驚いた事に藤原定家郷の夢を見た。

 定家郷が残された『奥入り』をお前は、本当には理解していないのだろうと叱責された。

 鎌倉時代の似せ絵の専門書を眺めていて、そのままうとうとと寝てしまった為に、こんな変な夢を見てしまったらしい。


 源氏物語の定家の奥入りの本文は、今から30年以上も昔、清水好子先生の元で、正式に閲覧を許されたものであった。それは、まごうことなき13世紀の源氏物語解釈の中心となる集大成を示したものであった。800年近い年月を得て色褪せかかった料紙は、幾千・幾万と書かれたこの物語に関連する研究・論文の価値等微塵に過ぎない事を示しているかの様に威力を持っていた。

 私は、この生涯で恐らく二度と、接する事が出来ないであろう貴重な体験を、遙かな末席で接する機会を得た。

 当時は、溌剌と、現代の風俗への印象を語っていた清水先生が、この場所では、誠に粛々として、池田亀鑑先生の源氏物語大成の写しに、省かれていた朱点の書き入れ等をされていた事が記憶に残っている。

 源氏物語は、定家の時代には、既に忘れられていた読み方が数知れずあったと見られる。

 清水先生もその事に気づかれて幾つかの文章を残されている。それは、紫式部が屏風歌と当時、伝えられていた数々の作り物語の当世風(11世紀初頭)の享受の風体の中で、源氏物語の制作の方向性を示されていた事、紫式部は、屏風歌に見られる視覚的情報以外に、聴覚を含めて総合的な感性の元に新しい物語の創作を目指していた事、従来の「平安朝作り物語」の限界を超えた新たなな「創作物語」の制作を目指し、その執筆時点から、視覚、聴覚、触覚、嗅覚等のあらゆる感性を導入された総合物語である総合メディア「源氏物語絵巻」の方向性を考えて執筆を心がけていた事を教えられた。
 その様な方向性は、それぞれの章段の中に見られる場面表現手法の中に、豊富な実例を元に認める事が出来る。
 国宝源氏物語絵巻は、その様な藤原氏・紫式部の総合文化プロジェクトが最終的に結実したものと言う事が出来ると私は考えている・
 佛教大学で今回執筆する論文のテーマは、この様な観点を基礎にして取り組みたいと思っている。今は、この世にない清水好子先生が応援してくださる事を願いながら、今年のささやかな豊富として述べる次第である。

 図は源氏物語「乙女巻」から秋好中宮 光源氏35歳の秋に六条院が完成。四季それぞれの風情が楽しめる御殿が完成する。土佐派風の源氏絵が南の国ツバルの国で図案化されている。国宝源氏物語よりも、こうした絵の方が面白い気分にさせてくれる。

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