ようやく大シルティス検出できた2008/03/25 23:12

 3年前の2005年11月の大接近時には、火星の直径は、20秒近くに達した。上の写真は、それから幾分遠ざかった12月15日に視直径14.5秒の時に撮影したものである。
 下の写真は、昨日アップした画像を更に吟味して、2500枚のフレーム画像からたった20枚を手作業で選択してコンポジット処理したものである。
 ようやく大シルティスの検出に成功したが、先端部と北極側から伸びている黒い模様が分離出来ず、つながってしまっている。また、南極部の影側は、端の部分までは、分解能の加減で分離出来ていないので、消えてしまっている。(南北天地逆なので注意)
 前回の接近時の画像もこの視直径の大きさで今の機材と技術であれば、更に細かい模様の検出が可能だと思う。
 114㎜の玩具望遠鏡ケンコースカイドリームMK600
http://www.rakuten.co.jp/esteyou/569893/603037/
 反射でもおそらく最低レベルの商品。
 球面鏡でよく光軸がずれる。
 2003年の夏から使用しているので、大分、鏡面も痛んできている。今度の火星接近の時は使えないだろう。
 実は、このオモチャが、ビクセンのVMC110Lよりも、見え味は上である。(フリップミラーの光軸が実に良く狂うので、整備不良の可能性あり。また、合焦の度に鏡面がずれるので、事実上、惑星観測の様な場合には、使用不可能。ヘリコイド等を装着する事が必要だが、光路設計で筒外に伸びる合焦ポイントが短すぎるので、無理。)
 ビクセンのポルタ経緯台に搭載する事で少しは、安定性と操作性が改善されたが、固定撮影で、こんなちいちゃくなった火星を撮影している人間は他にいないと思う。
 経緯台でもデジカメの場合は、撮影画像がモニター出来るので、手動ガイドがなれれば可能である。ジッと息を止めてハンドルを動かしている。
 但し、もはや豆粒以下の火星を拡大している為にブレが大きく、光量も減少しているので、1フレーム単位の画像でも良くみれば、ブレテいる事が判り、これが解像度の低下の原因となっているようだ。
 114㎜でも自動追尾撮影が出来れば、もっと詳細な部分が写し取れるのではと思っている。
 オモチャ機材でも、撮影技術、カメラの進歩で、少しは改善されているのだと慰める事にしている。
 幸いに過去のビデオ撮影画像は、保存しているので、再処理をやってみようかと思う。
 それにしても残念なのは、6万年ぶりの大接近の時は、ビデオ画像撮影を行っておらず、スチール写真のみなので、リ・コンポジットで分解能を上げる事は不可能である。
 今度のシーズンは、ドブソニアンで大口径撮影に挑むか。(今度は、微動で苦労しそうだけれでも)