休みたいが、仕事である。2010/08/09 22:03

 巷では、お盆休みということであるが、仕事は続いている。

 結局、暦よりも1日休みが多い。(つまり三連休)
 しかし、新聞は休まないので、1日分余分に記事を書かないと駄目。
 つまり、1日2万字の原稿である。

 1日で大学の学部の卒業論文の文章量である。滅茶苦茶である。
 業界紙の購読部数が減ったので、記者の数が限界まで減らされてしまったので、一応は専門分野であるが、経済から社会、農業、市場、行政、あらゆる分野の記事を1人で書かねばならない。

 すごく辛いが、これでもふつうの仕事よりもずっと楽だし、給料は、未だに賞与もでないが、一応やっていけているので、仕方がない。

 ボーナスがでないので、窓の修理は見送り。

 最近、大変な円高であり、これが不況の要因になるらしいが、僕らの業界は、つぶれかけの企業の収益が改善したり、円高は、恵みの雨である。つまり、世の中が景気が良い時は、僕らの業界は最低だった。その典型的な例がバブルである。

 為替円安とバブルがだぶるパンチになったのが、80年代の終わりから、90年代の初めだったが、この時期がうちの会社の本格的な斜陽化の始まりだった。

 ガットウルグアイラウンドで、国内の農業は圧迫されて、農家戸数が減り、関連産業の売り上げ落ち込み、新聞の購読部数も激減、しかも、バブルで、倍々ゲームで給料が上がっていた時代に、最低賃金すれすれの給料だったので、どんどん社員が辞めていく。

 当然である。世の中が空前の好景気に沸いている中で、10万円かそこらの給料が我慢できるはずがない。大阪だけで2名の記者が一遍に辞めたので、僕が、この会社に呼ばれた。

 それから20年。今の会社は、は虫類の様に生き延びてきた。幸いにもバブルが崩壊し、空白の10年といわれたが、僕らの会社にとっては、一番経営が安定した10年間であった。

 産業が内需中心に展開したことや、為替円高を背景に食品原料の輸入分野が大きく拡大。農業の市場経済化が進み、輸入品の資材、原料への需要が急増した。

 昨年などは、例のリーマンショックで低賃金で生きている僕にとっては、もっとも、充実した年であった。こうして、ぼろ家も買えたし、良かったと思う。

 デフレスパイラルという言葉がある。
 「縮小経済」という言葉もある。
 
 これは、元々大きかったものが小さくなるということであるが、これをマイナスイメージでとらえれば、景気の後退であるが、これが、世の中のトレンドの変化であるとすれば、より少ない収入で、生きていけるということなので歓迎である。

 法人税を減税して、消費税で財源確保の動きが始まろうとしている。しかし、減税や増税で経済規模が昔の様に回復するかと思いきや、その様な政策をとれば、さらに経済の縮小化が進むだけである。

 日本は、アメリカに比べて「経済先進国」である。オバマ政権化のアメリカ経済の動きをみているとちょうど10年前位の日本と同様である。既存の手法、つまり、金融緩和とかそういった政策で、経済の喚起を促そうとしても、どんどん実体はしぼんでいくばかりである。

 世界中の経済が、縮小局面に向かっており、全体が日本の後を追っている。日本は、先行して、こんな状況になったので、欧米先進国に比べたら、マシに見えるだけである。

 だから、ファンドが、高リスクの株式や債権と日本円を天秤にかけてリスクヘッジで円を買い、ドルを売っている。

 この動きは、僕にとっては歓迎すべきだが、多くの輸出企業とか、自動車産業は、ますます厳しい状況に見舞われるだろう。

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