「シルクロード文字を辿って」2009/07/13 23:31

 明日から京都国立博物館で「シルクロード文字を辿って」が開催される。今回は、ロシア探検隊収集の文物ということで興味がある。
 手元に『敦煌文書の世界』(池田温,2003,名著刊行会)があるが、これを開いてみると、「レニングラード科学アカデミー東洋学研究所」のことが出てくるが、オルデンブルグが収集した文献が中心となっているようだ。

 特に漢文の文献では、写経類以外には、変文、讃文関係がコレクションに豊富に含まれているらしい。孝子伝研究のK先生の研究室には、ロシア語で書かれた敦煌文献が置かれてあったが、通信院生の身では声が掛けられない状況であった。

 文科省の研究費を活用して、大量のロシアとフランス由来のシルクロード文献をK先生は所有されておられる筈で実に羨ましい限りである。
実は、スタイン文書や、中国に残された資料よりもロシア文献の方が資料的に優れていることが多いようだ。

 また、収集された地域によって言葉の訛りや経典の解釈の違い等もみられ、それらを比較することで、シルクロードで、仏教文化がどの様な形で地域分布を行っていたか確かめることが出来る。

 K先生やその他の講師の先生のご指導のお陰で、古文献や経典読解などスクーリングでの限られた指導、佛教大学での学修成果で、漢文で書かれた経文や変文はある程度理解出来る様になっているが、やはり、それでももっともっと多くの文献に当たらないと読解力がつくとは思われない。

 私の読解力等、赤ん坊の様なものである。

 佛大の通学の大学院生にもなれば、これくらいスラスラと読めるのだろうか。豊富な文献に毎日当たることが出来るだけで羨ましい。私の本棚にも幾つか敦煌文献の写本のコピーがあるが、非常に乏しい資料でしかない。

 こうした資料を眺めているとシルクロードの文献資料は、日本の仏教文化史の上でも大きな関わりを持っていると今更の様に気づかされ、日本の資料だけでは見えなかった姿が、敦煌文献を当たることによってむしろ明らかになるのだと思う。