公示地価マップというのがインターネット検索出来る2009/07/19 18:19

 天気が悪いので、貧乏なのに、土地とかカネとか、建築、不動産の本を読んで考え事をしていたら、心が荒んでしまった。

 公示地価マップというのがインターネット検索出来る。
http://chika.m47.jp/

 昨日も書いた通り、私が買おうか買わないでおこうか迷っている物件は、「土地の値段だけですよ。」という営業マンの言葉を信じて、先週、法務省にいって取得した不動産登記に関する書類等を参考に調べてみた。

 実際にかけ算をすると敷地の公示価格、一応相場らしきものがでるが、やはり、営業マンのいう通りで、家を除いたら相場の値段であった。

 と言うことは、家の残存機能のみがお買い得であるということになる。「古家が強いか」どうかということになるが、それは、棲む人の価値観とメンテ能力の問題だと思う。

 家に手を入れるのが趣味である人は、こんなにやりがいのある物件はないと思うが、そうで無い人にとっては、価値どころか苦痛、マイナス価値しかなくて、解体費用(実際には、ローンを組むと抵当に入ってしまうので、解体出来ない。)等を入れるとお買い損の物件ということになってしまう。

 公示地価マップというのは、過去の地価も表示できるので、震災のあった95年からを調べてみた。Aがこれから買おうとしている物件で、Bが今、居住しているところの地価である。これをみてショックを受けた。

 震災の年には、今の家(父親名義)は、5000~6000万円の価値があったのが、建物も老朽化し、地価の下落等をいれると、2000万円強の価値というか、最高でもこの値段でしか売れないことになる。

 近隣の不動産物件を調べてみたが、やはり、実売価格は、1400万から1700万円位(昭和時代の建築)、平成時代の建築では、上物価値を含めて、3000万円程度と、地域によるが、公示地価よりも更に低い価格で販売されている。

 登記謄本で、売り手の購入時価格を知ることが出来るので、調べるとちょうと95年頃のローン借入額を計算すると、現在の価格の2.6倍の値段であり、これも相場値段であったことが判る。それにしても、公示地価は、どの様に算定されるのだろうか、同じ私の居住地内でも微妙に値段が違っている。同じニュータウンで、丁目、番地によっても違っている。やはり、徒歩で最寄り駅にアクセス出来る物件とそうでない物件とで格段の差がある。

 また、私の居住しているニュータウンは、常識で考えれば、人間が住むのに適さない傾斜地、山林を無理ヤリ切り開いて開発され、マチュピチュの様なヒナ壇状に家が並んでいる。

 インディオならぬ高齢者のシルバーゴーストタウンとなっており、商店街も寂れ果てており、生活必需品もクルマで運んでこなくては買えない状態であることも人気価格等に影響しているようだ。柿の葉マークの老人車がヨタヨタと街中を走らざるを得ない状況で、高齢者ほど、自動車頼みの生活という矛盾が生じている。

 この街は、高齢者が安心して居住出来るだけのインフラを地域コミュニティとして維持する努力やソーシャルキャピタルが行われなかった為に、現状では、土地等の資産価値にも影響する様になってきている。両親が死んで、今の家を売却して弟と分けても、殆ど何も残らないことが判った。いっそのこともっと評価が下がってくれた方が良いのかもしれない。

 今、お金があって不動産投資に回せる人はチャンスなのか、それとも、更に条件が悪くなり損をするのかということだが、資金的には、前者であっても市場は、後者である。

 今、ワンルーム賃貸マンションのオーナー(勿論、所有権はローンで取得)になると、捕らぬ狸の皮算用で、古い物件でも、家賃が3~4万円前後、入ってくるが、低利ローンで築年が浅い中古物件をオーナーチェンジで、賃貸目的で、15年ローンで購入した場合には、月額1万円程度の利益になり、15年間では、1室、180万円位の収益が見込めるが、実際には、様々な経費や維持費等を差し引くと何も残らず、更にリフォームも効かない老朽化・スラム対策となれば、建て替えということになるが、様々な厄介な問題が生じてくるだろう。

 結局、借り手も買い手もつかず、老朽マンションに自分が住み続けるとか捨て値で賃貸に出したり、処分する以外になくなってしまう。

 この様に、現在の価格下落は、不況に加えて、そうした高齢化社会に伴う消費減退が象徴されたものであり、更にどんどん地価は下がり続けるのかもしれない。もはや、「不動産業界」というのは死語になりつつあるのかも知れない。結局、ユーザーが求めているのは、資産価値ではなくて、ライフクオリティであるから。

 例えば、最近、有産老人階級で流行なのが、高級シニアマンションで介護や医療、アミューズメント施設が充実しているタイプで、所有権もなにもなくて、法的に根拠があるか疑われるような、権利料だけで3000万円とか5000万円かかり、更に、狭い部屋なのに月額で20~30万円の部屋代、更に医療代、食事代、もろもろの経費が差し引かれる。

 これらの経費の大部分は、不動産でも動産でもなくて、サービスとして「空気」に消えていくカネである。

 飲み屋のお兄ちゃんは、「今に高齢化社会になると年寄りでもマンションが簡単に借りられる様になるんやで。」というが、それは、中くらいにカネを持っている老人であり、高級介護マンションに住めないけれどもそれなりに余裕がある階層の人達である。

 でも、それよりももっと下の破綻寸前の保険料をさっ引くと、手取り4万円程度の国民年金だけが頼りの月額3万円の家賃さえも払えない人は、結局、路頭に迷うか生活保護を受けるか、しかないので、やはり、これから貧乏になる確率が高い階層の者ほど、老後の住居コストを下げる為の工夫と努力が必要になるのではないかと考えている。

 巷にホームレス老人が溢れているので、生活保護等を受けることや市営住宅に入ることも難しくなるだろう。

 いずれにしても味も素っ気もない話題になってしまった。
 買おうか、これが最後のチャンスやと迷っている僕は、本当におろかなんだろうか。