極秘事項2010/10/10 09:20

 NHK記者の捜査漏洩問題の記事をみて、考えさせられた。

 取材といってもワンサイドに発表されることを聞くだけでは、報道はなりたたないので、内輪の話を引き出す必要があるが、その為には、ギブアンドテイクが必要である。それで、捜査情報を漏らしてしまったということなんだろう。

 別にNHK記者に限らず、スポットではなくて、既存・継続の取材ソースについては、記者、こうした情報提供の「サービス」を実施している。新しい政策方針の内輪に事情、監査の有無、規制の実施内容等々を事前に相手に伝えることで、相手も本当の腹の中の情報を話してくれる。

 そうしたことをしないと記者発表だけの報道になってしまって、取材競争に敗れてしまう。

 但し、極秘情報を流す場合には、エチケットがある。それは、取材ソースを漏らしてはいけないし、相手もその情報の入手先をばらしてはいけない。文章・Fax・メールでは、証拠が残るので、オフレコ、口頭(電話は記録されたり、盗聴の危険がある)で、やんわりと伝えること。伝えられた相手は、聞き返さない等々のエチケットである。

 今回は、そういったエチケットが破られた為に、ただごとでは済まない事態を招いてしまった。これで、この記者の記者生命は終わりだろう。


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平成22年10月8日

NHK広報局
大相撲取材でのコンプライアンスに関わる不適切な事案について


 名古屋場所開催前の大相撲の野球賭博をめぐる一連の取材で、報道局スポーツ部の30代の記者が、取材先であった日本相撲協会の関係者1人に対し、捜査情報と受け取られかねない内容をメールで送っていたことが明らかになりました。
 本人から事情を聞いたところ、この記者は、7月6日、国技館で取材中に他社の記者から、「あす相撲協会に対して警察の捜索が行われるようだ」という話をきき、翌7日午前零時ごろ、「あす捜索が行われるようだ」という趣旨の携帯メールを、相撲協会の関係者に送りました。この日の午前、実際に捜索が入りました。
 メールを送ったことについて、この記者は、「大相撲の野球賭博をめぐるNHK内部の取材情報ではなく、日ごろから付き合いのある他社から聞いた話だったので、相手の反応をとって、その後の取材に活かそうと思った」と話しています。
 しかし、普段からの取材先とは言え、相撲協会の関係者が捜査対象になっている中で、捜査に支障を与えかねないメールを送ったことは、コンプライアンス上、極めて不適切であり、報道倫理の上からも、大きな問題があると考えています。
 NHKはさらに事実関係を調べたうえで、厳正に対処することにしています。

〔NHKコメント〕
 捜査情報と受け取られかねない内容を、その対象者に伝えるのは、報道に携わる者としてあってはならないことであり、極めて遺憾です。視聴者の皆様に深くおわび申し上げます。今後、取材の倫理とコンプライアンスを遵守するようより一層指導を徹底してまいります。
以上

世界第2位の経済力を持つ中国の内情2010/10/10 10:12

 これは、ある関西の大学の在日中国人の教授がまとめた論文から転用したものだが、世界第2位の経済力を持つ中国の内情については、実は、深刻な状況となっている。

 上の図は、都市民と農民の所得格差を示したものであるが、例えば、チベットでは、1人当たりのGDPは、5000元前後、所得格差は、5.25倍である。こうした格差が大きい地域は、雲南、貴州、陣西、四川、吉林等と続いていく。中国の周辺部(異民族支配区域を含む)が高く、沿海部の諸省がこれに続いていく。
 総じて、GDPが高い地域程、所得格差は縮小するが、これは、都市近郊農業として、野菜や畜産物等の生鮮食料を都市圏に供給している地域だからである。
 所得格差が最も少ないのは上海となっているが、この地域は、大体が農民人口自体が大幅な減少となっている。

 下図は、業種別所得格差の実情で、1978年には最大70であったのが、2000年には、100以上に拡大している。特に第1次産業は、賃金が低下している。賃金が上昇しているのは、電力、ガス、水道、交通、通信、金融業位なもので残りは、所得水準の減少と生活水準の低下が続いている。
 このグラフの資料は古いが、2000年から2010年にかけての最近の10年間では、商業、サービス業、建設業の賃金も飛躍的上昇しているとみられる。しかし、農業生産は下落の一途をたどっている。
 困窮した農民が都市に出てきても、限られた階層に資産が集中しているので、満足な職にもつけない有様となっている。新規大学卒業者の就職も日本以上に厳しい状況となっている。

 一番、問題なのは、農業生産の後退である。地球規模での異常気象で、東北部、内陸部の砂漠化が進行しており、工業地域の大気汚染の影響で、土壌汚染も進んでいる。深刻な水不足で農業地域が縮小を始めており、農地保全には、巨額の資金が必要だが、地域農村には、その様な資金力はない。中国政府は、工業や都市インフラや軍事力拡大に多額の費用をつぎ込んでいるが、農民はますます苦しくなるばかりである。
 こうした農民階層を中心とする下流化は、困窮農民が都市に流入したことで、一層深刻な事態を招いており、都市の治安状態が非常に悪くなって来ている。
 しかし、もっとも深刻な問題、都市圏を中心に急増する食料需要を疲弊した農民が支えきれなくなっている状況である。かつて中国は、食料の自給国のみならず、日本向けにも輸出している等の余剰生産国であったのが、今や、毎月の様にアメリカや他の国から食料を輸入しないとやっていけない国になっている。
 人民元レートの問題から、工業製品の輸出コストは低くても、食料品の輸入コストは高いので、輸入食料は、都市圏の富裕層を中心に消費されており、農民、下層民には、十分な食料が行き渡らない。
 今後も農業生産の縮小が続いた場合には、中国国内で、食料が貧しくて買えない飢えた民が暴動を起こす可能性がある。

 今回のノーベル平和賞の受賞をめぐる騒動をみても判る様に下層民の不満をいかに封じ込めるかが中国政府の深刻な問題である。従って、尖閣諸島の様に、国民の不満を日本や他の国に反らすことで、解消しようとしている。

 増長・膨張する非民主的な国中国の脅威を全世界が認知し始めている。国際世論によって、中国社会が崩壊する可能性もある。日本のもっとも賢明な立場としては、外交問題・領土問題については、相手にせずに無視をする。中国国内の内乱等の飛び火を受けない様に、国防力を重視する。中国元レートの切り上げ等に向けた経済制裁等で、封じ込め、孤立化を図って、膨張・暴走をコントロールしていく一方で、食料不足の中国に日本の農業生産技術を活かした援助を行う等、アメと鞭の政策を行うべくであると思う。

 日本は冷静に対応して、国際協調のもとで、この厳しい情勢に見舞われている国を見守ることで、日本との互恵的な関係が構築可能な本来の「温和しい国」に戻していくことが肝心である。

中古住宅の質と評価基準2010/10/10 10:53

 あるブログで関西建築業協議会による中古住宅の中古住宅の性能の「見える化」の取組事例が報道されていたが、実際に築後34年の住宅を購入している人間としては、非常に良いことなので、もっとエリアを広げて進めて欲しいと思う。
http://www.kankenkyo.jp/

 関西地区といっても15年前の震災の影響を受けた地域とそうでない地域とで、中古住宅の質と評価基準はかなり変わってくると思う。

 外観のクラックについては、修繕は当然のことだが、地震等で骨組みや地盤自体が影響を受けていると、その部分を補修しても意味はない。一方、壁面のモルタルや塗装の老朽化によるものは、十分な効果を発揮する。

 構造材の歪みについては、レーザーで精密に特徴するのは、良いが、それ以上に必要なのは、一定の振動を与えて、その構造がどの様な揺れを生じるかとの検証も必要だと思った。

 耐震工事については、建築基準法改善以前の全ての建築で必要であるが、もし、中古住宅の規格が統一されて、耐震工事、補修が義務づけられた場合には、住宅の価格は、一気に上昇して、本来の中古住宅が必要な私の様な貧困層が購入出来ない可能性もある。

 風呂場についても、ユニットバス以外では、水漏れによる劣化、シロアリの被害を防ぐことは、難しいと思う。

 ブログ記事によると、「住宅の量の供給急がれた時代」というが、この建築物が新築された時に20歳近かった自分としては、別に住宅不足だから供給が急がれたというよりも、この時代は、オイルショック、国産の木材から輸入ラワンの使用や、他の部材の規格化等の過渡期であった影響を受けている。

 また、施工業者によってかなり異なる。実家の場合は、残念ながら良い施工業者ではなかったので、合板が多く使われており、床とか内壁等の痛みも築後15年位から急激に進み出した。一方、私がこの間購入した家は、築年は同じだが、大部分が国産材で、床材もしっかりしているし、コンクリートの基礎工事も当時としては、しっかりやられているので、震源地に近いところの一戸建てとしては、幾分、良好な状態となっている。

 1ユーザー・住民として望みたいのは、建築業界で、中古住宅の品質管理基準の策定等は、重要だが、サッシ1枚交換で20万円以上もボラれる今の建築業者さんの料金水準からして、規制・基準を強化することで、値段が1000万~2000万円以上の水準まで上がってしまうのならば、結局、需要は激減してしまうと思う。

クラックの補修で不動産屋さんに相談しても、リフォーム業者さんが紹介されて、壁の修理に200万円かかりますよと言われれば、それで商談は、終わりである。いろいろな自分で可能な補修方法の本等を読むと、充填剤とか、壁の材料を販売してくれるところもあって、自分でやれば、高くて数万円どまりである。

規制・基準よりも、購入後補修等を出来るだけ低コストで出来る様な仕組みづくりを行わないと、「それならば、新築をローンを組んで購入した方が安いや。」と思う人も増えかねず、この辺りが難しいと思う。

中古住宅については、売りっぱなしも悪いが、リフォーム業界自体にユーザーの不信感をもたれる状況が、業界全体を倒産会社が後を絶たない様な状況につながっていると思う。
補修費用についても業界標準の費用を提示出来る様にしておき、協議会等に相談すれば、適正料金で施工してもらえること、必要な費用についても、低金利ローンの斡旋等のお金の面のインフラも中古住宅の販売には、必要だと感じた。