11月号投句2010/11/22 23:17

 童子11月号の投句締め切りが近づいたので、下津井吟行で取材した句を中心に投句をしようと思っている。

銀波小波走り行く冬来る

これは、句会で出した3句のうちの1句。
下津井の釣り突堤(釣りバカ日誌で実際にロケハンされた場所)にずっと座って波打ち際をみていたら出来た。繰り返し繰り返し、銀色に打ち返して今度は、沖に流れていくのをみていると、時の流れを感じた。

魚の腹綺羅羅綺羅羅小春日和

これは、釣でかかった魚を引き上げる時にこんな風にみえた。

赤黄青漁網の横に布団干す

カラフルな漁網が船だまりの横にアートの様に鏤めてあって、漁師屋の布団が干してある風景

子は言う十倍怖いと虎落笛

祇園社というのが下津井にはあり、それは、蛭子神が祀られている。水死者の霊を慰め、漁の安全を祈る。また、蛭子・水子・泡の子と、女性の神様である。下津井の寂しい街を歩いていると遊郭の跡があった。祇園社の社では、七五三のお参りと祝詞を神主さんがあげていた。「今日は、なにかあるのですか。」と神主さんに聞かれたので、吟行のことを話した。綺麗に着飾ったお嬢ちゃんと坊ちゃん。どうゆう訳か、話題は、家のこと、「ねぇ。家、引っ越そうよう。あんな波打ち際の家は、台風や時化が来たら、怖いよう。」と真剣な顔して、およそ753には、似つかわしくない話題だった。虎落笛(もがりふえ)、冬の時化の海は、虎落笛の音色だ。

SIREN(サイレン)と共に漕ぎ行く冬の漁

海端の道路に救急車がサイレンを鳴らして走る。それ競うかの様に漁船が進んでいく。サイレンの音が遠くなるのと同じく漁船の船影も小さくなってくる。サイレンとSIRENをかけた。SIRENは、ギリシャ神話に出てくる海の魔女である。岬に立って不思議な声で歌を歌う。船頭は、この声に引き込まれて、海の底に船は沈んでいく。

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