沈没船が教える世界史2011/01/09 23:34

 お正月で唯一、面白かった本。

 著者のランドール・ササキさんは、著者の写真をみる限り、神奈川県生まれで、混血。アメリカの大学で勉強して、中近東で陸上遺跡の発掘作業を行っていたが、02年にテキサスA&M大学で水中考古学を学んで、現在、博士課程に在籍中という。

 沈没船ものでは、テレビのクストーの海底世界等々1950年代から1960年代にかけてスキューバ-ダイビングが沈没船探査にも応用される様になって、特にカリブ海等のスペイン船の財宝を発見したり、そういったものが多かった。

 現在は、ほぼ視界が綺麗な海での沈没船探査は終わってしまって、ドロドロの海底、視界数㎝等の海をこのササキさんは、潜られて調査されている。

 この本は、発掘の実体験というよりも、水中考古学の立場から、「大航海時代」、世界最古の沈没船遺跡ウルブルン(紀元前1500年)等紀元前の沈没船、ローマ帝国時代、更に、ローマ帝国が崩壊し、中世以降の沈没船等を取りあげているし、東洋では、元寇やモンゴルがベトナム侵略を行った時の遺構等も紹介されている。また、高麗の船と南宋で作られた船との決定的な違いは、南宋(中国船)は、釘が使用されているが、高麗の船は、釘が使われていないとか、あるいは、高麗の船でも中国で修理されたものは、釘が使われている等々、そういった技術的な背景も見えてくるという。

 沈没船は、私達が考えているよりも、有機物の保存が良好で陸上遺跡よりも、良い状態のものが発見されるという。また、徐々に廃墟になって滅んだのではなくて、ピンポイントの歴史が封印された「タイムマシン」であると述べている。

 実際に様々なタイムマシンによる海底旅行に招待してくれるが、例えば、ローマ時代のアンフォラ(壺)から見つかった葡萄の種や茎、あるいは、中世時代の同じワイン壺等を比較して、ローマ時代の方が、ワイン作りに関しては、技術レベルが高いし、船の建造技術も中世よりも紀元前の方が優れているとか、元寇では、鷹島遺跡が紹介されるが、侵攻船イカリが4本海底に残されており、全てが南側に矢印部分が向いている。つまり、北側に船体が合った筈だが、神風が実際に吹いた時は、強い南風で、あの洞爺丸の遭難の時並みの強力な季節外れの暴風であった等々、面白い事柄が一杯書かれている。

 但し、残念なのは、遺跡の地図や発掘図面、海底断面図等の図や遺物の写真は、全然掲載されていない。

 このブログでも紹介したギリシャの沈没船から発掘された天体運行儀についても触れられているが、その写真も載っていない。

 全く、図や写真がなくて、著者の文章力で、この本に引き込まれてしまうのは、凄いと思うが、もっと、具体的な図や写真があれば、貴重な資料になり得るのにと思った。

夢と言うのは不気味なものだと思う2011/01/09 23:50

 このブログの読者さん達は、どんな夢をみられているのだろうか。

 僕は、夢の世界の地図の様なものがあって、その場所にいくと、別の日に見た夢でも地形とか建築物がその場所に存在している。

 その中で、非常に特色的なのは、学校である。それが、どうやら佛大らしいのだが、実際の佛大は、全然、そうではないのだが、トイレが凄く汚くて、プライバシーがない。そうそう、今は、そうではないが、中国に昔旅行された方が、体験される様な感じ。
 必ず、トイレ難民になるという情けない夢。それとか、これは、佛大の1号館の4階で実際に体験したことだが、メディア実習室では、靴を脱ぐのだが、その靴が無くなってしまう。

 靴が無くなると、必ず、空を飛ぶ夢になる。自由に飛べるのでは、なくて、大体15㎝位の所に浮かんでいる。だから、屋上から浮遊して、そのまま建物から外れると落下してしまう。体調が良い時は、崖の様なところでも浮遊しておれる。

 驚いたのは、浮遊しながら坂を下るのだが、それが、あの兵庫県庁の前の坂であることが、実際にその場所に行って発覚した。それまで、この場所には行ったことが無いのに夢で先に体験することも多い。

 一番、奇妙なのは、必ずコンクリートの絶壁を登らないと駄目。足がかりが2㎝位のところで、最初に夢の世界でここに来た時は、大変な目にあったが、今では、慣れてしまって(夢で慣れるというのもヘンな話)、簡単に登りおりしている。そこを通るとどうやら近道らしい。

 小豆島の祖父の家の夢も良くみる。砂が真っ白、本当に白い、極彩色の貝殻が落ちていて、海の彼方をみると、夜なのか、オーロラみたいな光に遠くまで青白く、あるいは、赤光で照らされている。

 母にこの夢の話をすると、なんと、同じ様な夢を同じ日の晩にみたという。親子で同じ場所に夢で出かけている筈なのだが、母には、逢えなかった。母は、祖父や祖母に会ったと言ったが、僕は、全然逢えなかった。

 夢というのは、本当に不思議なもので、このおうぶの家の台所のタイルの模様を、一度もこの家に来たことがない時に夢でみた。それは、タイタニックかなにか、沈没船と共に、深海を自分が彷徨っていて、何か一杯霊が居て、その為に、青白く照明されていて、沈没した船体の内部に入っていくことが出来て、その時に、底の方にこのタイルの模様を見つけたので、その印象がきつく残っている。

 だから、このおうぶの家でタイルをみた時に、どこかで見たような感じがしたと思った。

 夢と言うのは不気味なものだと思う。