7800円の座席にて2010/10/06 21:26

スカイマークの新千歳→神戸間の前割21は、7800円でこれは、この会社のこの便での最低料金である。

でも、倉庫に詰め込まれる訳ではなくて、ちゃんとした座席に座らせてもらえる。

但し、チェックイン(自動販売機)でやってみて驚いた。あらゆる座席の中で、僕が指定できるのは、リクライニング不可のシートを除くと、わずか一席。機体後部の三列席の真ん中で、一番窮屈なところ。

 「やはり最低の席なんだ」と悲しい気持ちになった。

 「貧乏って嫌ね。」という惨めさで搭乗手続きを終えて、リュックが重いので手荷物を預けることにする。

 そこで悲惨な目にあった。ライターが三本見つかって、それがどこに入っているのか判らず、中身を全部、袋から外にぶちまける羽目に。

 そこで痔の座薬がテーブルにバラバラと落ちて、それをみていた女の人が馬鹿にした様に僕をみた。

 それでなんとかパス。その後、他の人の検査レントゲンも除いてみたが、みんな共通してもっているものとして、携帯電話の充電器等々。面白かった。

 そのうちに係員に追い払われて検査ルームを退出。

 1960年代に開発された機種の狭い機内に入って自分の座席を探し出し、ほっと息をついたのもつかの間のことだった。

 座席は、予想通り狭いし、隣の内側の座席がでかい外人で足を広げて座って、しかもテーブルをおろして、ノートパソコンを出して、メールを始めた。

 離発着の時って電子機器駄目なんじゃないかなと思ったが、怖い顔の外人だったので、黙ってみていた。

 乗務員のお姉さんも外人が怖いので、黙ってみていた。

 離陸までは、この人おとなしくしていたが、すぐにDELLのでかいノートパソコンを出して、メールを打ち始めた。

 WORDの操作は手慣れたもので、英文によるパソコンソフトのインストールマニュアルを作成し始めた。なにやら技術系の人らしい。

 様々な技術資料を開いて、参照しながら、効率よく文章作成を進める。

 「やっぱインテリ外人さ。どうりで威張っている筈だ。でも、なんで、こんな貧乏席に座るのだろうか。嫌やな。」と思った。

 横でみていて、僕も独学でしかやったことがないWORD操作のプロの技をみさせてもらった。インデントの処理とかチャカチャカと簡単にやってのけるので、関心した。

 彼は、必死にメールを打っている。でも、なんで、外人なのに帰りの飛行機の中まで必死に仕事をするのだろうか。

 ワーキングアニマルといわれた日本人がイギリス化(ビートルズの様な退廃化)して、がっかりしてしまって、仕事よりも余裕を大事にする様になり仕事をしなくなる一方で、アメリカ人、中国人がクレージーなほど仕事をする様になっている。

 日本人はすべてヒッピーの様に怠け者になったので、軍事力でも経済力でも敗者になってしまったのだ。

 世の中は、変わったものだと思って、パソコンの画面を眺めていたら、突然、ブルー画面に。

 なんと、システムエラーが起きてしまった。あんまり必死に仕事をされていたので、クスッと笑ってしまったら、恐ろしい顔で、僕をにらみつける。

 幕末の錦絵のペリー提督の絵そっくりだ。それでも、これも初めてしったことだが、システムを落ちてもメモリダンプを活用したソフトを起動させると、自動保存されていなくても、作成中のデータが復元できるアプリがあるのを知った。

OSは、XPで、自分のマシンもよく落ちるので、欠陥OSだと思った。

それでも、機体が着陸態勢に入る頃には、難しいマニュアルをこの人が、完成させていた。

 外人の図体が大きく、足を開いて座るので、僕は体中が痛くなってしまった。

 でも、安い席なので、何があっても文句はいえない。

 帰りの荷物カウンタで荷物を待っていたが、なかなか荷物が出てこない。例の外人は、違反な程、荷物はすべて機内に持ち込んでいたが、さっさとロビーから次の仕事をする為に出て行った。

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