資金繰りに余裕がない農家は、路頭に迷うことになる2010/11/30 09:58

 またまた鳥インフルエンザが島根県で発生した。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/101129_1.html

 小規模農家ということだが、周囲に感染が拡大すれば大変なことに。

 夏場の猛暑とか飼料高の影響で、鶏卵は、生産調整が行われており、全体に品不足で、今日も全農東京Mサイズ卵価が10円も上がった。もし、更に感染拡大となれば、年末に鶏卵価格が高騰という可能性もある。

 一番、怖いのは、液卵(マヨネーズとかケーキとか厚焼き卵等の原料で予め割ってある製品)を製造しているメーカーが、こうした状況を嫌って、海外に原料の調達先をシフトすることである。

 農家にしても、口蹄疫にしろ、鳥インフルエンザにしろ、何時、その災いが「唐土の鳥」によってもたらされるか判らない状況で、安心して、経営に取り組めない点である。

 そうなると、経営リスクが高まる訳で、資金繰りに余裕がない農家は、路頭に迷うことになる。これらの状況から特に家族経営等の零細農家では、「もう、こんな危ないことはやめよう。露地野菜でも作っていた方が良い。」というところが増えている。大手でも生産農場の分散化を図り、万一の場合の資金繰りとかの対策もかけている。

 但し、疑問なのは、これだけの畜産被害が発生している中で、家畜等の動産担保で貸付を行う金融機関のリスクが増えているが、口蹄疫、鳥インフルエンザ専門の保険・信用保証システムがない点である。

 こういったのは、政府が率先して取り組まないと駄目である。また、万が一の所得補償も直接的被害のみにとどまっている。

 一方で、農水省は、農業6次化戦略を進めており、周辺産業との連携を強める様に指導しているが、こういった口蹄疫、鳥インフル、その他天変地異の場合の保険・補償政策が整備されていないので、その経済的損失は、これまでと比べものにならない程拡大する。

 今年は、悪い年で、私の務めている会社も口蹄疫で多くの業界新聞読者を失い、またまた、鳥インフルエンザが発生して何が起こるか判らない。

 何も悪いことをしていないのにどうして、こんなことばかり起こるのだろうか、呪わしくなる。

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