今年最後の火星の写真です。2007/12/31 20:16

EXP505にND4フィルター減光撮影。少し、露光が不足程度の方がうまく写す事が出来る。
 いよいよ今年最後の火星観測となった。空気の透明度は抜群だが、風が強く、望遠鏡が揺れる程。
 シーイングも相当悪いのを覚悟。シミュレーションソフトで大シルチスが最も良い位置にくる19時を狙って撮影。
 光学系は、115㍉F900㍉反射、PL20㍉に2倍バーロー使用、経緯台での固定撮影。ND4フィルター装着したEXP505で240フレーム撮影したものの内、40コマを使用。registax4.0で処理。
 レタッチソフトは使用していない。僅か口径115㍉反射の写真としては、理想に近い写真だと思う。
 北極冠が青白く輝く僕の好きな火星の姿だ。
 東側が青白く輝いているのが印象に残る。空気中の二酸化炭素などが超低温で凍り付いているのが反射して輝いているのだと思う。
 年の最後にこんな写真が撮影出来て嬉しさこの上なし。
 今年は、火星のクレーターに私が尊敬する京都大学の宮本正太郎博士の名前がつけられた。
 http://www.asahi.com/science/update/1225/OSK200712240046.html
 赤道付近の小さな小さなクレーターだが、彼岸で宮本博士も喜んでいるだろう。
 講談社のブルーバックス『惑星と生命』は、先生の名著であり、生命に関しては殆ど出てこなかったが、火星表面の模様の変化は、気象的要因であると断定して、気流の変化をシミュレーションした「惑星気象学」という新しい学問分野が開拓された。
 当時の花山天文台の60センチ屈折望遠鏡(木辺鏡)で撮影された火星の写真が何枚か掲載されており、私もいつかこの様な写真が撮りたいと青年時代に熱望していたが、デジタル技術の進歩でこんなに小さな望遠鏡でもこの様な写真が撮影出来る時代がくるとは思いよらなかった事である。