戦国のゲルニカ(追記)2009/03/25 22:16

SORAで撮影
以前、岩波文庫で「おあむのものがたり」というのを読んだ記憶がある。

 戦国時代に生きる武士の妻の生活を描いた作品であるが、良くかけていると思う。実際、戦国時代の下級武士は、いくさ場とその後で、妻の共働きであった。

 本物の兜首であっても、そうでなくても首を綺麗に整えて、上官に示さないとご褒美にありつけないので、必死なのである。

 戦国女性、おあむの重要な日課は、夫が獲てきた首級の口をこじ開けてお歯黒を塗る仕事である。つまり、今川義元を思い出しても判る様に上級武士は、戦場に赴くときには、お歯黒を塗る等のオシャレをしているのである。

 死後1日近く経って死後硬直が解けるのを待って、この作業を行うが、本当に大変な作業だったと思う。

 ところで、

 大阪城天守閣では、戦国時代のいくさ屏風の展示がされている。いずれも大抵が江戸時代以降に描かれたものである。特に有名かつ悲惨なのは、大阪夏の陣屏風である。例の松平さんが、司会をつとめた歴史番組で、「戦国のゲルニカ」と命名された作品であるが、実にむごたらしい悲惨な光景が描かれている。

 不思議なのは、美しい装飾ともにこんなむごたらしい光景が描かれていることで、どの様な場で鑑賞したのだろうか。

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