柚子湯2010/12/04 22:48

今日、先日の童子23周年大会でもらった最後の柚子を風呂に入れて楽しんだ。

馥郁たる香りが湯船に広がった。

おうぶの家の風呂は、次第に寒くなるに従って、狭い浴室が蒸気で満たされて、真っ白になって天井も何もかも見えなくなる。

そうなると、かえって浴室が広く見える。天井が高いので、湯気で天井が見えなくなるとなおさらそういった感がある。

実家の風呂は、30年以上前に作られた浴室とは思えなく広く、脚を全部伸ばして湯船に浸かることが出来る。しかし、当時の標準的なお風呂って今、自分が入っている風呂の様だったと思う。

30年前に能勢口の木賃アパートに棲んで、風呂もないので、先日、亡くなった絵描きの叔母の家(アトリエ)に風呂を良く借りにいったことが想い出されるし、関大に入った時も一時は、下宿していて、その文化住宅にも風呂がなくて、夏には不潔で、ボロボロの家でも、お風呂がついているのを見て、心から羨ましがったものだった。

昔、生活程度は、今の学生さん達とは比べものにならないほど、低いものだった。それでも世の中は、今よりも豊かだったと思う。

15年前には、ワンルームマンションのもっとも程度の低いのに棲んでいたが、風呂だけは、あった。震災の時に風呂が入れなくなった人を入りに来ていた。部屋が汚いので、床に新聞紙を敷かれて、換えって汚れに来たようなものだと言われたが、風呂があることが有り難かった。

こんな風に、20年間、あんな零細企業でも無事に給料をもらい続けることが出来て、安穏と風呂にも入れた。

しかし、50歳の今、思いがけない人生のどんでん返しにあって、風呂にも入れず、路頭に迷う日が刻々と近づいている。

来年には、風呂に入れる家には住めなくなるかも知れない。
だから、今日の柚子湯は本当にありがたい。

ありがたや柚子湯に浸かりて合掌す

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