「LPの音って本当にいいの?」 波形を分析してみた(一部修正) ― 2008/12/27 15:07
「CDの音は冷たく、LPの音は暖かい。やっぱりアナログだ。」という声が多い。
果たして事実なんだろうか。
SSW(シンガーソングライター)のスペアナ機能を使用して測定してみた。
装置は、次の通り
CD SONYCPD-XE700+PARASOUND DAC-800
LP YAMAHAGT750+DL103R(デンオンMCカートリッジ)+自作フォノイコ(12AX7A4本構成、回路は、CR型をベースに独自設計、電源回路は、外付けでケーブルで供給しているので、ノイズは皆無)
http://fry.asablo.jp/blog/2008/11/16/3938943
CDとLP共にラインレベルの信号をサウンドブラスターDigital Music SX経由でPCにデジタル信号で取り込んで、録音ソフト「超録」でWAVファイルに変換して収録(44100HZ ステレオ16bit)
http://fry.asablo.jp/blog/2006/12/29/1080341
そのデータをSSWのアナログオーディオトラックに読み込んで、レベル調整して、再生、スペアナを測定している。
録音ソースは、
ショルティ指揮シカゴ交響楽団
マーラー交響曲第5番(1970年3月録音)
CDは、ポリドールF35L-50039CD国内初発盤)
LPは、DECCA414-321-1(輸入外盤オリジナル)
(LPの状態は、極めて良好、ノイズは皆無に近い)
第1楽章葬送行進曲(極めてダイナミックスが大きい)を通して録音、再生を行った。
全く同じアナログのオーケストラ録音を
CDとLPで、パワーアンプを通さずにラインレベルで波形測定を行った。
波形の比較
10K-20K
CDは、ダラ下がりだが、幾分ピークレベルは、大きい。LPは、やや下降気味のカーブだがレンジが伸びている。CDに比べて,LPのピーク信号レベルはやや小さい。つまり、小さな信号レベルでは、LPの方が高域レンジ感がある。CDは、大きな信号レベルでは、高域感が強調されるが、信号レベルが下がるとそれ程ではない。
この辺りが、LPの音に繊細感、デリカシーが感じられる理由かも知れない。
4K-10K
CD、LP共に大きな違いはみられない。
2K-4K
LPの方が幾分レベルが大きいものの、違いという程ではない。
1K-2K
LPの方がレベルが大きめで起伏が大きい。CDは、レベルは幾分小さめで、起伏が小さい。
400HZ-1K
両者に大きな違いはみられない。CDの方がややピークレベルが大きい。
200-400HZ
両者には大きな違いはない。
100-200HZ
LPの方がレベルが大きめとなっている、波形も山形推移となっているのに対して、CDは、くぼんでいる。つまり、LPの方が強調される傾向となっている。
100HZ以下
CDは、100HZに山がある。LPは、ダラ下がりだが、40HZ以下まで伸びており、むしろレベルは高い目、CDは、40HZ以下はダラ下がり。
こうしてみると、LPの方が、超高域10K~2OKのレベルが高く、高域、中高域には、両者の違いはあまりみられず、中低域では、CDの方が強調される傾向がある。低域では、LPの方がレベルが強い目である。つまり、LPは、ドンシャリ型でワイドレンジ志向、CDは、中高域重視のかまぼこ型となっている。
但し、両者のリマスターの段階での違い、LP用マスターを作る際のリミッターやイコライザー処理(あんまり行われていないような気がする。)、カッティングマシンの音質(帯域特性)、再生カートリッジの特性、イコライザーの設計と性能等があり、単純な比較は難しい。
しかし、日常的に感じているLP再生への私の印象である「情報量が多い」という要素、例えば、超高域でのレベルが強いことで、楽器の倍音、定位、分離等に影響してくるし、重低音の充実感、中高域の刺激感の少ない自然な再生音という状況について、ある程度、波形分析で説明出来ると思う。
それにしても、今回の測定の結果、自作のレコード用のイコライザーアンプが非常にフラットで優秀な特性を有していることが確認出来て満足している。
果たして事実なんだろうか。
SSW(シンガーソングライター)のスペアナ機能を使用して測定してみた。
装置は、次の通り
CD SONYCPD-XE700+PARASOUND DAC-800
LP YAMAHAGT750+DL103R(デンオンMCカートリッジ)+自作フォノイコ(12AX7A4本構成、回路は、CR型をベースに独自設計、電源回路は、外付けでケーブルで供給しているので、ノイズは皆無)
http://fry.asablo.jp/blog/2008/11/16/3938943
CDとLP共にラインレベルの信号をサウンドブラスターDigital Music SX経由でPCにデジタル信号で取り込んで、録音ソフト「超録」でWAVファイルに変換して収録(44100HZ ステレオ16bit)
http://fry.asablo.jp/blog/2006/12/29/1080341
そのデータをSSWのアナログオーディオトラックに読み込んで、レベル調整して、再生、スペアナを測定している。
録音ソースは、
ショルティ指揮シカゴ交響楽団
マーラー交響曲第5番(1970年3月録音)
CDは、ポリドールF35L-50039CD国内初発盤)
LPは、DECCA414-321-1(輸入外盤オリジナル)
(LPの状態は、極めて良好、ノイズは皆無に近い)
第1楽章葬送行進曲(極めてダイナミックスが大きい)を通して録音、再生を行った。
全く同じアナログのオーケストラ録音を
CDとLPで、パワーアンプを通さずにラインレベルで波形測定を行った。
波形の比較
10K-20K
CDは、ダラ下がりだが、幾分ピークレベルは、大きい。LPは、やや下降気味のカーブだがレンジが伸びている。CDに比べて,LPのピーク信号レベルはやや小さい。つまり、小さな信号レベルでは、LPの方が高域レンジ感がある。CDは、大きな信号レベルでは、高域感が強調されるが、信号レベルが下がるとそれ程ではない。
この辺りが、LPの音に繊細感、デリカシーが感じられる理由かも知れない。
4K-10K
CD、LP共に大きな違いはみられない。
2K-4K
LPの方が幾分レベルが大きいものの、違いという程ではない。
1K-2K
LPの方がレベルが大きめで起伏が大きい。CDは、レベルは幾分小さめで、起伏が小さい。
400HZ-1K
両者に大きな違いはみられない。CDの方がややピークレベルが大きい。
200-400HZ
両者には大きな違いはない。
100-200HZ
LPの方がレベルが大きめとなっている、波形も山形推移となっているのに対して、CDは、くぼんでいる。つまり、LPの方が強調される傾向となっている。
100HZ以下
CDは、100HZに山がある。LPは、ダラ下がりだが、40HZ以下まで伸びており、むしろレベルは高い目、CDは、40HZ以下はダラ下がり。
こうしてみると、LPの方が、超高域10K~2OKのレベルが高く、高域、中高域には、両者の違いはあまりみられず、中低域では、CDの方が強調される傾向がある。低域では、LPの方がレベルが強い目である。つまり、LPは、ドンシャリ型でワイドレンジ志向、CDは、中高域重視のかまぼこ型となっている。
但し、両者のリマスターの段階での違い、LP用マスターを作る際のリミッターやイコライザー処理(あんまり行われていないような気がする。)、カッティングマシンの音質(帯域特性)、再生カートリッジの特性、イコライザーの設計と性能等があり、単純な比較は難しい。
しかし、日常的に感じているLP再生への私の印象である「情報量が多い」という要素、例えば、超高域でのレベルが強いことで、楽器の倍音、定位、分離等に影響してくるし、重低音の充実感、中高域の刺激感の少ない自然な再生音という状況について、ある程度、波形分析で説明出来ると思う。
それにしても、今回の測定の結果、自作のレコード用のイコライザーアンプが非常にフラットで優秀な特性を有していることが確認出来て満足している。
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