江戸時代の和歌のパズル遊び ― 2010/09/25 22:23
江戸時代の終わり頃には、入門者向けの和歌の作例集、指導書が多く刊行されている。
『和歌梯』もそのいった本で、私が持っている本は、京都書肆 風祥堂蔵版、編集者は、故人 蘭園主人、翻刻人は、中村浅吉(上京区第三十組丸屋町二十一番戸、発行所は、京都風月堂、各地書林とある。
残念ながら明治以降の版である。
『和歌梯』は、四季の部と雑の部に分かれている。国立国会図書館のデジタルライブラリーには、版元が違うが、『和歌梯 雑の部』が収載されている。
私の蔵書は、和本であるが、かなり痛みが激しく、良く使い込まれており、題せんが剥がれ落ちている。全四巻に四季の例句が収載されている。
俳諧・俳句を初めて、まず、しなくてはならないのが季語の研究である。季語の研究の為に古い蔵書を実家の書庫で探したが、残念ながら季語関係の書物は見つからず、この『和歌梯』が出てきた。
この本は、僕が学生の頃、萬字屋で購ったもの。たしか店頭価格で500円前後だったと思う。
当然、草仮名で書かれており、読解練習の為に買った。この本の面白いところは、
例えば、
春部 ○立春となり、言葉の説明が書かれており、新勅撰集、続千載集、続拾遺集等々の勅撰集の名歌が掲載されており、次に、
①けさよりは けふと言えば・・・・
②むかふる春の 一夜明ければ・・・・
③あさぼらけ いづる日の・・・・
④かすむ方より 空のけしきも・・・
⑤かすみたなびく 春風ぞふく 池のさざ波
というようにテーマ毎に第1句 第2句、第3句、第4句、第5句の例句と番号順に配列されており、ここに書いたのは、読解出来た部分だが、この①~⑤の句をうまく組み合わせることで、自動的というか、歌の才能がない人でも簡単に和歌が作れるという優れもの書物である。
また、言葉の遊びとしても面白い。例えば、乱数の様に①~⑤の句をさいころでも振って、順番に組み合わせれば、奇妙な歌になったり、あるいは、偶然に趣きがある句が出来たり、楽しめる様に工夫してある。
手紙等に添える時候の挨拶の和歌等もこれで、適当に選んで組み合わせることで出来る。
実用書である。いわば、和歌の重宝記といった書物である。
『和歌梯』もそのいった本で、私が持っている本は、京都書肆 風祥堂蔵版、編集者は、故人 蘭園主人、翻刻人は、中村浅吉(上京区第三十組丸屋町二十一番戸、発行所は、京都風月堂、各地書林とある。
残念ながら明治以降の版である。
『和歌梯』は、四季の部と雑の部に分かれている。国立国会図書館のデジタルライブラリーには、版元が違うが、『和歌梯 雑の部』が収載されている。
私の蔵書は、和本であるが、かなり痛みが激しく、良く使い込まれており、題せんが剥がれ落ちている。全四巻に四季の例句が収載されている。
俳諧・俳句を初めて、まず、しなくてはならないのが季語の研究である。季語の研究の為に古い蔵書を実家の書庫で探したが、残念ながら季語関係の書物は見つからず、この『和歌梯』が出てきた。
この本は、僕が学生の頃、萬字屋で購ったもの。たしか店頭価格で500円前後だったと思う。
当然、草仮名で書かれており、読解練習の為に買った。この本の面白いところは、
例えば、
春部 ○立春となり、言葉の説明が書かれており、新勅撰集、続千載集、続拾遺集等々の勅撰集の名歌が掲載されており、次に、
①けさよりは けふと言えば・・・・
②むかふる春の 一夜明ければ・・・・
③あさぼらけ いづる日の・・・・
④かすむ方より 空のけしきも・・・
⑤かすみたなびく 春風ぞふく 池のさざ波
というようにテーマ毎に第1句 第2句、第3句、第4句、第5句の例句と番号順に配列されており、ここに書いたのは、読解出来た部分だが、この①~⑤の句をうまく組み合わせることで、自動的というか、歌の才能がない人でも簡単に和歌が作れるという優れもの書物である。
また、言葉の遊びとしても面白い。例えば、乱数の様に①~⑤の句をさいころでも振って、順番に組み合わせれば、奇妙な歌になったり、あるいは、偶然に趣きがある句が出来たり、楽しめる様に工夫してある。
手紙等に添える時候の挨拶の和歌等もこれで、適当に選んで組み合わせることで出来る。
実用書である。いわば、和歌の重宝記といった書物である。
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