この家を購入して良かったのかどうか言えば、正直いって判らない2010/09/29 20:40

 明日で、このおうぶのぼろ家の売買契約をしてまる1周年。ローンが実行されて、家の引き渡しを受けたのは、昨年の10月末日だった。

 この家を購入して良かったのかどうか言えば、正直いって判らない。

 昨年に比べて経済状況は悪化しているし、不動産価格もどんどん下がり続けているが、昨年、この家と比較した、鈴蘭台南町の物件は未だに契約されていないし、そういったことを考えると売り手にとっては、僕は、「有り難い奇特なお客様」ということになる。

 住環境は、ほぼ購入前に予想した通りであった。但し、中学校の騒音は予想以上であった。

 家に関しては、100万円以上もかけないと棲めないというものでもなく、色々と使った経費を合計しても50万円前後で、まぁ、こんなものかなとも思う。

 ローンの支払いは、月額2万9700円である。この値段で、賃貸マンションを探しても、大阪市内であれば、幾つかあるが、やはり、最低ランクのワンルームということになる。賃貸は、昔は、大阪市内は郊外や近県に比べて高いというのが普通であるが、今は、違う、郊外の賃貸の方が高い。大阪市内は、既に供給過剰になっているので、どんどん値崩れして、最低ランクだと2万円前後から借りることが出来る。

 そういった状況を考えると3万円近いローン(実際には、繰り上げ返済で倍近く支払っている)を支払うことが妥当かということになる。

 しかし、一番大事なのは、金銭とか不動産評価よりも、本人次第ということになる。

 家を購入・新築する時に考えておくことがある。

 というのは、実際に不動産屋産などの営業と接触する段階になると、家というのは、家のハードウェア的な要素がほぼ全てだという考え方になりがち。

 新築でも中古でもそうで、契約上の注意点を別としても家の面積、構造、機能、築年数、日照等々を中心に考えてしまいがちだが実際には、これは極一部分である。

 私の考えでは、

 ①家のハードウェア 全体の20%
 ②家のソフトウエア 全体の10%
 ③近隣関係・環境  全体の50%
 ④地域の行政・環境 全体の20%

の割合になると思う。つまり、住宅ローンの計算をしながら、頭が一杯に考えがちなのは、全体の20%の部分で、この家に実際にどの様な暮らしを演出するかと計画等が全体の10%。

でも一番大事なのが、むこう三軒、両隣の人間関係である。アメリカの様に一戸一戸の間隔が空いていないので、お隣さんとの関係が、生活の負担の約5割を占めるということ。その中には、町内会、掃除当番、集会等等の煩わしいつきあいが相当なウエイトがある。

近隣関係を無視して生活を送ることは、無理である。朝起きて、雨戸を開けると向こうの人と目が合ったり、1階のベランダでペンキを塗っていると、中学生がその前を通行、その子供さんが、斜め向かいのお子さんだったりと、そういう積み重ね。

 つまり、家のハードウェアよりも、そういった近隣の人たちとの付き合いに自分や家族が耐えられるかである。

 そういった意味で、新規開発の住宅地では、隣にどんな人が住むか判らないので、リスクがそれだけ高いことになる。

 家を買うときは、朝、昼、夕、平日、休日とその近隣を偵察して、どんな人が、どんな暮らしをしているかを良く観察し、自分や相手が適合して暮らしていけるかを考えることが大事。

 地域によって生活水準とか生活文化、風土、いろいろ現代社会でも異なっているので大変だ。

 地域行政、環境も重要で、その地域の都市計画とか、医療、教育、商業施設、交通、そういった面をすべて吟味して、出来るだけ、住民税が安い地域を選ぶ必要がある。クルマに乗る人は、車庫が家にあっても、家の前の道路の幅員、通行量、道路の危険性、スーパーの駐車場など等まで考える必要がある。

 結論としては、人間は、何十年も住み慣れた土地を離れて安易に新しい場所に住宅を購入して生活すべきではない。

 住宅ローンを支払う身分なので、嫌でもそこに住み続けなければならないのである。

コメント

トラックバック