秋の薔薇と春の薔薇とどちらが素晴らしいか2009/09/15 23:28

Coolpixs S600で撮影。
 いよいよ秋の薔薇の季節である。

 秋の薔薇と春の薔薇とどちらが素晴らしいかということを、ずっと悩み続けている。

 春の薔薇は、昆虫たちを呼び寄せる必要が、秋に比べて強いのだろうか、香りが非常に強い感じがある。また、雨が多く湿度が高い為か、雨上がりの薔薇園は特に濃厚な香りがする。

 これに比べて、秋の薔薇は、色彩が鮮やかな感じがする。土壌の熟成が進むのか、あるいは、暑い夏を乗り越えて来た嬉しさからか、ピンクも紅も黄色も鮮やかである。

 今日は、久しぶりに中之島薔薇園に出かけた。観覧時間が5時30分で終わるので、夕暮れの薔薇の花を楽しむ余裕がなくなった。

 また、ベンチも撤去されているので、ゆっくり座って、薔薇を観賞しながら、本を読む楽しみが永遠に奪われてしまった。

 何かイベントをやっていて、静かに薔薇を楽しむ余裕もないし、下品な場所になってしまった。以前は、あのバロック風の庭園で王宮の庭の薔薇もかくやと想像させられたが、その様な風情もない。また、以前、薔薇園を手入れされていた人達が戻ってきて、丹精して、ようやく薔薇の花が辛うじてみることが出来る様になったが、解体前の以前の薔薇園の美しさを蘇らせるには、10年近くはかかるだろう。

 解体前に植えられていた品種も復活しており、私の好きなイングリット・バーグマンも小さな株だけれど、再び花を見せてくれた。

 危惧するのは、安易なアメリカ式の公園文化に毒されてしまって、イギリスやヨーロッパの本格的なガーデニングのデザインが出来る人材が失われてしまっているのか思う。

 以前の庭園は、街灯1つをとっても文化財的な価値があったのに、庭園の構造、レイアウト、何もかもが安易に作られるのが良いという風潮になってしまっていて残念だと思う。

 京都の寺社仏閣の庭園の様な拝観料を徴収してみせるのだけが庭ではなくて、こうして、一般市民が気楽にくつろげる場所こそ、本格的な庭園が必要なだと思った。