少しはこういった本を読んで勉強して欲しい2007/07/17 23:15

『平成の大合併後の地域をどう立て直すか』(保母武彦著 岩波ブックレット)

 参議院選挙を控えて、共産党や社民党は、第9条を護ろうとかどうとか主張しているが、自分たちのこれまでの言動が責任で、これまでの選挙の「負け戦」が重なってこうなったのに、その責任を国民に押しつけようとする態度にハッキリ言ってしらけてしまう。
 自分たちがこれまで何故、選挙に負けて来たのかのその責任をハッキリ認めようとしないのでは、今回の選挙結果も見えている。
 共産党は、「赤旗」紙によれば、地域の循環共生社会とまではいかないでも持続型の農業生産の路線を打ち出して来ているが、体系的な理論構築とその具体的な実践論が確立し得ていないので、机上の空論に過ぎない。
 東大出のエリートばかりの赤旗編集者(知り合いもいる)では、頭カチカチで実際の労働者、農村社会、民衆の事等理解出来る筈がない。議員報酬を見ても判る様に一般のサラリーマンの数倍を得ている輩に「生活再建」とか言って欲しくない。
 愚痴はほどほどにしておいて、ヤトウの人達もこういった本を少しは読んで勉強して欲しい。
 「夕張ミセシメ論」は、この本の白眉である。
 結局、旧財閥資本が炭坑開発で地域を搾取し、そのメリットがなくなったらサッサと地域社会を放り出していったのが、夕張破綻のもともとの原因である。
 生活者である市民の力で文化的にも社会的にも内容のある地域社会を構築しようと頑張っていたが、それも、小泉内閣の政策の為に破綻に追い込まれてしまう。これも、この様な生活破壊の独走を許したヤトウの責任である。
 実は、夕張市以下の破綻自治体はいくらでもゴロゴロしているが、表面に出てこないだけ。住民もまさかそこまでになっている等知らされずに、6月から大幅に値上げされた住民税を黙々と支払っている。
 高い税金は、ザルから漏れる水の様に負債に消えていって何も残らない。
 この本には、その様な小泉内閣以降の地域行政が破綻し、格差社会が産み出される要因については、精緻に分析している。
 しかし、その解決策として住民主体の地域起こし運動を挙げているが、非常に幼稚で、この程度の事は、通信教育の大学生の卒論(私の様な)でも簡単に考えつく事である。
 具体的にどの様に立案し、リーダーを選出し、どの様な組織づくりを行って地域復興を実践していくのか方法論が描かれていない。
 天下の岩波書店から出版されている本でもこの態なのである。

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