「万葉の風 古(いにしえ)の恋歌」2008/05/10 09:16

 Yさんから「万葉の風 古(いにしえ)の恋歌」を送っていただいた。
 今回は、ラジオNIKKEIのインターネット放送を録音してCDにしていたので、購入しなかったが、こうして送っていただいて、改めて聞いてみると感銘を受けた。
 やはり、音質がCDでは、全然違うということ、遠藤氏のチェロも良い音色でバッハの作品やオリジナル編曲等も楽しめる。
 冒頭の佛教大学の田中みどり先生の解説で、万葉集の時代の「恋」という言葉の国語史的な考察を聞いて、改めて古語大辞典等を取り出してみて、現在の異性に対する恋愛以外にも深い意味があったことに気づかされてよかった。
 田中先生の講演は、最初は、緊張気味もだんだんと聴衆とうち解けていくありさま等判って、その辺りがライブ収録の面白さであると思う。
 朗読で、今回、特に印象に残ったのは、白坂道子さんの声で、特に、張りがあり、威厳もあって、その感じがいかにも「古代からの声」を印象づけられた。
 古語に日頃から慣れ親しんでいるのか、現代語訳と古語そのままの朗読を並んで朗読されるが、やはり、古語の方が身体に染みこむ感じがする。
 深沢彩子さんの朗読も表情がこもっており、抑揚に工夫が見られて良い。
 でも、深沢さんの声は、普段着の声の方が、しっとりとして良いと思う。
 それ以外の感想は前に書いた通りだけれども、真間の手児奈伝説と源氏物語の浮舟入水との関連についてまたまた感心を持ってしまった。
 男性に同時に愛された場合の女性の心理は、どの様なものだろうか。
 私には想像もつかない。
 これから中古文学会の大会が京都であるので、今週のブログ更新はこれで終わり。