「古家再生」にみるインチキだらけのリフォーム業界 ― 2009/08/26 21:40
『築35年 古家再生』(土居輝彦著,2004,ワールドフォトプレス)
「古家再生」という言葉を聞いたら、なんかイヤーな感じがする。不動産屋さんで申込書に名前を書いて、一度、笑われたことがあった。
「築49年 古家再生」だったら、本当に笑えてくる。(私の姓名は秘密だが、中古住宅を買ったり、売ったりするのにあまりにもピッタリし過ぎの名前。
関大の清水好子先生に、「あんたは、進路どうなったの?」って聞かれたら、「不動産会社に入ります。」と答えた。当時は、この会社に内定していたが、内定取り消しの憂き目にあったのだ。
その時、清水先生は、「あんたにピッタリの職業かも知れないよ。結構、結構!」と笑われてしまった。
築35年の古家というが、現時点で、1974年築位の中古物件となり、この年代の建物が最近では、格安物件で出回っている。
特色としては、まず、耐震構造ではない。また、オイルショック前後なので、建築用材に手抜きが始まった年。
瓦葺きであるが、今風のモダン瓦葺きに移行する直前の形態。ブルーの瓦が多い。壁はモルタルが多い。なんの愛想も無いような建築躯体のものが多く、青写真の時代だし、家とは、こんな風に実用的でなければならないというのが多い。
屋根瓦が昔の規格なので、交換が利かない為に、雨漏りが起こると屋根やさんに、「全部吹き替えですねー」と言われる。だから、電車の中から時々見える様に、この年代の建築で吹き替えしていないものは、屋根は補修でボロボロである。
間取りが戦後風の名残を留めていて、核家族時代でちょうど子供達が小学校高学年から中学の自分に建築されたものが多く、間取りが中途半端なので、変な風に増築されたものが多い。
建築基準法が緩やかだったので狭隘な土地に無理して大きな間取りで建てられた物件が多い。基礎は、所謂、布基礎が大部分。海砂を使った悪いセメント基礎は、年月が経過して、劣化し、腐っているものが大部分。そうなれば、土が剥き出しの上に床が張ってあるので家全体が腐ってくるという最低のもの。
この年代の中古物件を購入する時は、絶対に田圃の跡地の住宅地等に建築されたものは、絶対に止めた方が良い。地盤が緩く、強度が脆弱、床の腐食、柱の陥没等が起こる。
また、設計自体も、強度計算等殆ど、されておらず、経験でいい加減にやったものが多く、私の家もそうだが、2級建築士(私の父親でさえ免許もっている。)がいい加減に設計しても建築許可が降りたのどかな時代である。
阪神間でこの年代に建築されたものは、大抵は、震災の洗礼を受けており、ヒビ、傾斜、様々な住宅の病理が観察出来る貴重な資料である。特にモルタル壁がラス等の裏材を含めて、こんなに滅茶苦茶になるもんだということが体験出来る。
この本に出てくる築35年の家屋は、お茶のお師匠様が建てた家で、立派な茶室だが、もろに70年代建築なので、この本では、若い建築家の先生(リフォーム担当)が「手抜き、違法建築」と吐き捨てているが、別にこの建築がされた時代は、違法でも手抜きでもなかった。
この本自体の印象としては、殆ど参考にはならなかった。具体的なリフォーム図面は工法等の解説や鮮明な写真もなく、建築の素人の施主が書いたものだから、単なる趣味・経験の本に終わってしまっている。
もっと、この年代の家を「再生」させるのには、どんなことが必要か等をまとめて説明して欲しかった。
「リフォーム」というのが、消費者(リフォーム依頼主)にとっては、服飾やクルマ等と変わらぬファッション的センスで捉えられている一方で、リフォーム業者(昔の大工さん、工務店でこの呼び名の方がずっと信用出来る。)にとっては、いかにしてお金儲けするかいう「商品」でしかない。
つまり、相手のいいなりにお金をどんどん払わされているのである。
この「商品」は厄介なことに具体的な価値基準がないので、何も知らずに頼んでくる顧客は、「良いカモ」である。
もっと素人がリフォームや建築、家屋構造、補修方法等を学べる資料が欲しいが、書店には殆ど販売されていない。客に「智慧」をつけない様にするのが建築士、建築業界のやり方であると言われても仕方がない。
こうしたブラックボックスで消費者が騙される状況は、製薬や医療機械の業界と癒着した診療医や病院医療(検査・クスリ)とかボッタクリの冠婚葬祭とか、そんなものと殆ど変わらないのが建築業界だと思う。
屋根修理1つとして安心して頼めない状況、これは、公正取引法以前の状態が野放しにされているのだと思う。
こうした「売り手にいいなり」の状況が是正されたら、貧乏サラリーマンが馬鹿な大金をローンで払って、朝三暮四の優遇税制を喜び、法外な金利による利益を大手銀行に儲けさせるさせるくだらない状況はなくなるだろう。5千万円の物件が実は、1千万そこそこの価値しかない状況に国民は気づき、インチキ建築基準法で建築業者だけに儲けさせている建設省の悪行を改めさせるのに良い機会だと思う。
医療保険制度破綻をもたらしている政界と医師会との癒着、ボッタクリ診療と同じ様な状況である。
「古家再生」という言葉を聞いたら、なんかイヤーな感じがする。不動産屋さんで申込書に名前を書いて、一度、笑われたことがあった。
「築49年 古家再生」だったら、本当に笑えてくる。(私の姓名は秘密だが、中古住宅を買ったり、売ったりするのにあまりにもピッタリし過ぎの名前。
関大の清水好子先生に、「あんたは、進路どうなったの?」って聞かれたら、「不動産会社に入ります。」と答えた。当時は、この会社に内定していたが、内定取り消しの憂き目にあったのだ。
その時、清水先生は、「あんたにピッタリの職業かも知れないよ。結構、結構!」と笑われてしまった。
築35年の古家というが、現時点で、1974年築位の中古物件となり、この年代の建物が最近では、格安物件で出回っている。
特色としては、まず、耐震構造ではない。また、オイルショック前後なので、建築用材に手抜きが始まった年。
瓦葺きであるが、今風のモダン瓦葺きに移行する直前の形態。ブルーの瓦が多い。壁はモルタルが多い。なんの愛想も無いような建築躯体のものが多く、青写真の時代だし、家とは、こんな風に実用的でなければならないというのが多い。
屋根瓦が昔の規格なので、交換が利かない為に、雨漏りが起こると屋根やさんに、「全部吹き替えですねー」と言われる。だから、電車の中から時々見える様に、この年代の建築で吹き替えしていないものは、屋根は補修でボロボロである。
間取りが戦後風の名残を留めていて、核家族時代でちょうど子供達が小学校高学年から中学の自分に建築されたものが多く、間取りが中途半端なので、変な風に増築されたものが多い。
建築基準法が緩やかだったので狭隘な土地に無理して大きな間取りで建てられた物件が多い。基礎は、所謂、布基礎が大部分。海砂を使った悪いセメント基礎は、年月が経過して、劣化し、腐っているものが大部分。そうなれば、土が剥き出しの上に床が張ってあるので家全体が腐ってくるという最低のもの。
この年代の中古物件を購入する時は、絶対に田圃の跡地の住宅地等に建築されたものは、絶対に止めた方が良い。地盤が緩く、強度が脆弱、床の腐食、柱の陥没等が起こる。
また、設計自体も、強度計算等殆ど、されておらず、経験でいい加減にやったものが多く、私の家もそうだが、2級建築士(私の父親でさえ免許もっている。)がいい加減に設計しても建築許可が降りたのどかな時代である。
阪神間でこの年代に建築されたものは、大抵は、震災の洗礼を受けており、ヒビ、傾斜、様々な住宅の病理が観察出来る貴重な資料である。特にモルタル壁がラス等の裏材を含めて、こんなに滅茶苦茶になるもんだということが体験出来る。
この本に出てくる築35年の家屋は、お茶のお師匠様が建てた家で、立派な茶室だが、もろに70年代建築なので、この本では、若い建築家の先生(リフォーム担当)が「手抜き、違法建築」と吐き捨てているが、別にこの建築がされた時代は、違法でも手抜きでもなかった。
この本自体の印象としては、殆ど参考にはならなかった。具体的なリフォーム図面は工法等の解説や鮮明な写真もなく、建築の素人の施主が書いたものだから、単なる趣味・経験の本に終わってしまっている。
もっと、この年代の家を「再生」させるのには、どんなことが必要か等をまとめて説明して欲しかった。
「リフォーム」というのが、消費者(リフォーム依頼主)にとっては、服飾やクルマ等と変わらぬファッション的センスで捉えられている一方で、リフォーム業者(昔の大工さん、工務店でこの呼び名の方がずっと信用出来る。)にとっては、いかにしてお金儲けするかいう「商品」でしかない。
つまり、相手のいいなりにお金をどんどん払わされているのである。
この「商品」は厄介なことに具体的な価値基準がないので、何も知らずに頼んでくる顧客は、「良いカモ」である。
もっと素人がリフォームや建築、家屋構造、補修方法等を学べる資料が欲しいが、書店には殆ど販売されていない。客に「智慧」をつけない様にするのが建築士、建築業界のやり方であると言われても仕方がない。
こうしたブラックボックスで消費者が騙される状況は、製薬や医療機械の業界と癒着した診療医や病院医療(検査・クスリ)とかボッタクリの冠婚葬祭とか、そんなものと殆ど変わらないのが建築業界だと思う。
屋根修理1つとして安心して頼めない状況、これは、公正取引法以前の状態が野放しにされているのだと思う。
こうした「売り手にいいなり」の状況が是正されたら、貧乏サラリーマンが馬鹿な大金をローンで払って、朝三暮四の優遇税制を喜び、法外な金利による利益を大手銀行に儲けさせるさせるくだらない状況はなくなるだろう。5千万円の物件が実は、1千万そこそこの価値しかない状況に国民は気づき、インチキ建築基準法で建築業者だけに儲けさせている建設省の悪行を改めさせるのに良い機会だと思う。
医療保険制度破綻をもたらしている政界と医師会との癒着、ボッタクリ診療と同じ様な状況である。
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