万葉の風~恋・言霊 ― 2007/04/22 17:55

『朗読と現代語訳をチェロの演奏にのせて 万葉の風~恋・言霊~』(深沢彩子氏他 横浜録音図書)
古典の朗読CDは、万葉集や源氏物語等の様々な作品が販売されているが、今まで購入した事はなかった。
今回、たまたま佛教大学の大学院での知り合いが、万葉集の朗読の公演を東京で開催すると、次の内容のご案内を頂いたが、遠方にて行けず、ライブ録音のCDを購入するに至った。
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朗読と音楽の会「万葉の風2006~恋・言霊~」
12月4日・午後2時開演 武蔵野芸能劇場 白坂道子さん、深沢彩子さん(朗読)
遠藤益民さん(チェロ奏者)
ゲスト/田中みどりさん(佛教大学教授)
柿本人麻呂や山上憶良の長歌などを、原文と現代語訳が朗読される。
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この公演は、ラジオでも放送されたらしい。佛教大学教授田中みどり先生の解説も収録されて、株式会社横浜録音図書からCD文庫として発売された。
早速、「瓜食めば」から聞き始めた。遠藤氏のチェロの何やら悲しげな音色で、貧窮問答歌等を聞き進んでいく。面白いのは、深沢氏と白坂氏が掛け合いの様に同じフレーズを繰り返してリズム感を出したり、あるいは、現代語訳と原文を交互に繰り返したりして変化をつけて行く。
実は、深沢さんが万葉集の朗読を公演すると聞いて、朗読では退屈じゃないかな。と内心思っていたのだが、結構、楽しく聞けた。CDは、ヘッドフォンで聴いたが、左側に白坂氏、右側に深沢氏、真ん中に遠藤氏のチェロと言うレイアウトとなっている。白坂氏の声は深く重い目だ。深沢氏は、「歌謡スクランブル」等で聞く、何時もの声のトーンは明るい目で華やかであるが、朗読では、幾分、声を落として、カスレ気味であり、今回の朗読に相応しい。巻5が終わり、巻14の「多摩川に」から「防人に」、そして、「若の浦に」へと進む中で、最初は、少し堅い目であった様子であったのがこなれてくる。緊張がほぐれたところで、柿本人麻呂の作品に入っていく。巻2の「石見の海」、「笹の葉は」、「天飛ぶや」と進められていくが、遠藤氏のチェロは、バッハの無伴奏チェロ組曲の明るい調性の曲が使用されている。穏やかな楽章を背景にのどやかな恋愛感情も唱われていく。最後に再び「石見の海」に戻って朗読は、終わりとなる。
興味深いのは、憶良から人麻呂作品への流れの中で、1つのストーリー性が演出されていた事である。声の質もその流れに沿って変えられていた。また、白坂氏と深沢氏の声の違いを旨くブレンドして、変化が与えられていたのは斬新な試みだと思った。
私は、日常は古典作品は、テキストを黙読(視読)で理解・鑑賞している。この場合は、①目で文字を先ず認識し、それを、②単純な意味的な理解を経て「心の声」に変換して、③より深い意味を脳に刻み込んでいくと言うプロセスを際限なく繰り返しているのだと思う。朗読を聞いていた感じたのは、①と②のプロセスがなくて、ダイレクトに③から作品を理解・鑑賞する事が出来る。そのインパクト、感銘は、非常に大きかった。
但し、その際に朗読者の個性や解釈、演出(ライブの場合は特に)、聴取機器・環境等のバイアスがかかっているので、恐らく、同じ作品を別の人の朗読で聞いた場合と相違が生じる可能性もある。例えば、犬養さんの万葉集の朗読と、このCDとでは、どうだろうか。犬養先生の朗読は、独特の癖があるので、作品もその影響を受けてしまう。私は、実は、これが嫌いだった。今回のCDでは、知人が朗読していると言う事もあり、比較的素直に作品の世界に入り込めたと思う。
田中みどり先生の解説は、非常に面白く、印刷物にして欲しいと思った。特に歌枕、万葉文字の話等、さすが万葉集に造詣が深いだけあり、興味深い内容となっている。
ブックレットにもう少し、当日のライブの状況や簡単な作品の解説等が掲載されてあれば良いと思った。
また、機会があれば、この様なCD作品を鑑賞してみたいと思う。
バイエルン王国鉄道試運転 ― 2007/04/22 23:54

今日は、ノイシュバン城とバイエルン王国鉄道の試運転の日。
築城工事の影響で、線路に埃や塗料がつもっていたので、これを除去する作業に追われる。
ようやく列車を配置して、発信。
夜間照明照射テストも実施した。
走行ビデオは下記を参照して欲しい。
http://www.asahi-net.or.jp/~ZZ2T-FRY/marklintrain.wmv
ワーグナーの音楽をコラボしてみたが、息の長い音楽なので、この様なムービーには、向かない。
LEDの照度が低いので撮影に苦労した。写真の右側は、EOSkissデジタルを固定して数秒と言う長時間露光で撮影したもの。
バイエルン王国鉄道の本物のメルクリンの模型があるらしく、ヤフオクにも出品されている。是非、これを入手して走らせてみたい。
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