各国の社会・経済をお風呂の水に例えると2011/02/22 11:42

 佛大の現代社会学の講座で、インターネットメディアを媒介とした、大衆革命の可能性について、ある先生から習った。それは、単なる情報や思想、文化、経済の改革ではなくて、20世紀型の資本主義世界の崩壊を導くかも知れないということであった。

 今から数年前のことだったけれど、私には、信じられなかったが、実際にエジプトやリビア等、更には中東全体、やがては、中国へと、民衆革命の動きをみていると現実感が見えてきた。

 ただ、こうした革命の背景をみると、情報とかそういったものもあるが、実際の庶民の最低生活レベルが一段と下がってきていることが大きい。

 つまり、各国の社会・経済をお風呂の水に例えると、日本のお風呂は、かき混ぜてみると、濁ったぬるま湯という感じだが、例えば、世界第2位の経済大国となった中国をみると、たしか、表面2~3㎝は、アチチだが、かき混ぜてみると、茶色い冷水になってしまう。

 つまり、アラブとかそういった一見、豊かそうにみえる国家でも、お風呂をかき混ぜてみると、本当に冷たく、汚れた水になってしまう。そこに貧しさが隠れている。

 また、これまでは、いくら貧しくても民衆の暴動、革命は起こらなかったが、アメリカの賭博型市場主義がリーマンショック後、再び蘇生し、実際の穀物の需給情勢以上に価格が高騰してしまった為に、小麦、とうもろこし、畜産品その他の食料費の大幅な上昇が、民衆の生活を一層、苦しいものにしている。

 日経新聞等は、市場経済を否定出来ない立場にあるから、バイオエネルギー政策への批判記事を載せているが、もし、シカゴ穀物定期市場等でも、健全な価格決定機能を備えておれば、せいぜい、とうもろこしの値段は、4~5ドル程度(これでも高いが)で、今の様な7ドルっといった相場は、出てこない筈で、民衆・人民への影響は、それ程拡大しない。

 幸い、日本は、国民が大人しく、円市場が海外の投資アイテムになっている為に円高推移になっている恩恵をうけて、海外の穀物高騰の影響は抑えられているが、それも時間の問題。

 今の民主党政権、党内に離反者が現れて、内部崩壊が始まっているが、これがエジプトならば、首都東京で、100万人のデモが行われ、治安部隊との戦闘が行われている筈。

 日本人は、大人しいヤプーである。

コメント

トラックバック