この菩薩像は、法隆寺の壁画等よりも幾分アジア的2009/09/07 23:44

 クチャ出土の菩薩の図像の一部であり、麻布に描かれている。

 時代は、7~9世紀で、法隆寺の壁画と同時代かそれよりもやや後の時代か。

 青系の顔料が一部残存しており、あの安藤先生がおっしゃっていたラピスラズリの可能性もあるという。

 目の描かれ方等は、法隆寺の壁画等よりも幾分アジア的であるが、例えば、「ダンダンウィリクのモナリザ」の様な微笑みはないけれども、やはり、線描の輪郭が明瞭である点等は、類似している。鉄線描にしたらやや線が細いが横顔を基調としている点等、他の作品との共通点を感じる。

 先日の「シルクロード文字を巡って」では、経典類が中心であったが、この様な美術関係のものも幾分展示されており、興味深かった。

 この他、興味深いのは、瓔珞等もしていない如来の図像なのに、智拳印を結んでいる仏像断片も絹布着色の仏画の断片もみられ、面白い。

 シルクロードの仏教美術は、今後、発掘が進むにつれて更に色々なことが判ってくるだろう。

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