相互コミュニケーションから集団の段階へ2006/07/20 18:17

これ以外にも官僚型モデル等の階層型もある。
 これまで自己と他者、あるいは、自分自身とのコミュニケーションについて見てきたが、実際のコミュニティでは、個々の構成員のコミュニケーションが複雑に組み合わさって構成されていると私は考える。図の左上は、1対1コミュニケーションである。ライブコミュニケーションの基本である。左下は、1体多コミュニケーションであり、ライブコミュニケーションでは、原則的に難しい。しかし、マスメディア等の同時に複数の受け手に情報が伝達される場合には多く見られる。この場合は、構成員(黄色)の横のつながりよりも、中心とのつながりが重要となる。

右の図は、この様なコミュニケーションが連鎖している模式図。

Aの場合は1対多のコミュニケーションであり、核(赤色)の部分は、構成員(黄)に対して同時に大量の情報を伝達する事も出来る。但し、横の連携は弱い。

Bの場合はコミュニケーションチャンネルは横並びであり、外部からの情報は、リレー式に伝達される。ライブコミュニケーションでは多く見られる方法である。横の連携が強くて閉鎖的である。

Cは、AとBが合成された形である。ライブコミュニケーションとマスコミュニケーションの両方の性質を持つ。閉鎖的であるが、集団としてのまとまりは良い。


Dは、1対1のコミュニケーションがランダムに組み合わさった形で、不規則であり、コミュニケーションの集団性が希薄である。

同時性で分類すれば、Aが最も強く、次いでC、更にBとCの順番となる。

社会学の基本である相互コミュニケーションは、基本的には1対1であるが、実際には、その様な場合なケースは希であり、様々な異質な形態が組み合わさって存在している。

マスメディアやネットワーク情報通信の発達で、AやCの割合が増えて来ていると考えられるが、コミュニケーションが成立する「場」が希薄化している。BやDの集団コミュニケーションは、同時性が希薄であり、情報の伝達効率が悪い為に隅っこに追いやられる傾向がある。

特に集団の価値観の点を考えれば、AとCは、均質的であるが、個人の存在が希薄になりがちである。BやDのコミュニケーションは、能動的であるから、独自性が発揮しやすいとも言える。