ローウエル、あなたは、一体何者だ!!!!2008/03/14 00:01

『ブックス・エソテリカ第35号 加持祈祷の本』(ブック・エソテリカ編集部編,2004,学習研究社)

 いわゆる際物本である。
 俗悪である。
 特に加持祈祷に隠れキリシタンのオラショが入れられている辺りは、手がつけられない程、人間の低劣な好奇心を次から次へとチクチクと刺激する様に仕組まれている。
 でも、実に面白い。
 題名に惹かれて書店で手にとってみたのだが、ある挿絵図が私に衝撃を与えた。
 それが、写真の左上の19世紀末期の日本の仏教の祈祷の様子である。
 邪悪な偶像崇拝(つまり仏像のこと)・そして・気味が悪い坊主の神懸かり状態を西洋人・キリスト教徒の目から見たものである。
 でも、何やら惑星のスケッチを思わせる印影法や精密なスケッチ技術。
「これを書いたのはただ者ではない。」
 実は、これは、知る人ぞ知る、アメリカの19世紀末期から20世紀初頭の火星観測史上を飾った第一人者パーシバル・ローウエルによる絵なのである。(これ新発見ではないだろうか。)
 左下には、『MARS(火星)』(パトリック・ムーア著・斉田博訳,1975,誠文堂新光社,この本は、1975年のクリスマスプレゼントに両親に買ってもらった宝物である。)に紹介されているパーシバル・ローエルの火星観測図を載せておいた。
 あの偉大というか世界中を狂わせた凄い論文「火星と運河の著者」である。所謂、二重倍加現象が何故起こるのか、これは、実は、火星のクレータや複雑な起伏を当時の望遠鏡では、分離出来ずに見える現象なのであるが、これを彼は、「火星人の仕業である。」と考えた。
 これが、SF作家、H.G.ウエルズに衝撃を与え、『宇宙戦争』が執筆された。
 この加持祈祷の図は、ローエルが、1895年に書いた『OCCULT JAPAN』(これも際どい、凄い題名だ。)に掲載された。
 ローエルは火星の不思議な模様、そして、生物と日本の不可思議な加持祈祷に同時に興味を持っていたなんて、初めて知見を得た。
 ローエルの図以外には、この本に私がこれまで知らなかった事等はそれ程書かれていない。特に呪詛の歴史については、密教以降にしかふれられていない。
 日蓮宗の祈祷法、形代(カタシロ)の使い方などは、少し面白い。
 佛教大学の安藤先生が、となえられている学説である平安時代の初期にかけての薬師仏や十一面観音の一部に呪詛的な要素を持っていた点は指摘されていない。
 怨霊仏が何故、姿を消したのか、それは、密教による呪詛が本格化した為とされている。
 この他、佛大の先生では、斉藤英喜教授がいざなぎ流について紹介文を書かれているが、それ程、詳細な内容ではない。でも、こんな中世の呪法がそのままが現在まで伝えられている点、初めて読む人は衝撃を受けるだろう。
 とにかく、世の中意外な事があるものだ。

異様に赤い夕焼け2008/03/14 21:09

IXYDIGITAL70で撮影。
 黄砂の為か、最近は、夕空が異様に赤い。気味が悪いこともある。
 また、地震でもあるのだろうか。
 夕陽の写真を撮るのが、大好きだ。
 IXY-DIGITAL70も、もう2世代も前のカメラになってしまったが、デザインに愛着があるし、使いやすいので、買い換える気にはならない。
 最近のCANONのコンパクトデジカメにも手振れ補正がついているが、カメラが手になじんでくると、こんな露光時間が長い写真でもぶれにくいので、そんなに必要はない。