黄金ライカを分解する。2008/03/20 14:54

偽ライカで撮影した写真は、CD-Rにラボで焼いてもらったものを使用、カメラは、IXYDIGITAL70で撮影
 ロシア製偽ライカである。
 2~3年前まで凄いブームでヤフオクでも価格は、直ぐに2万円以上に跳ね上がっていた。
 今は、大分下火になっている。ロシアが豊かになったので、田舎の倉庫からボロカメラを捜して来て、改造、日本向けに輸出する小遣い稼ぎをしなくても良くなってしまった事もある。
 1930年代初頭に発売されたドイツ製のパルナックライカⅡ型のデッドコピーを21世紀に至るまで、手を換え品を換え作り続けているロシア人と言うかソビエト魂には恐れ入る。
 これは、元々は、50年以上も前に作られたゾルキーやフェドⅠ型をベースに塗装、再組み立てを行い、黒と金色の塗装というか安物のペンキの様な塗装を行った代物で、本家ドイツでは、戦前にもこの様なカメラは作られなかった。
 細工はボロボロで、本物のライカとこれとでは月とすっぽん。
 螺旋切りから、骨組みの組み付け、フォーカルプレーンシャッターの加工に至るまで、螺旋の位置まで、ドイツ製ライカの忠実なコピーであるが、元々の絵をフリーハンドで描いた様な加工精度である。
 これでも写真が撮れるのは奇跡的だ。(ISA400、1/100、F11)ピントは、2つのレンズがついた光学式距離計で合わせる。(戦艦大和の砲塔についている奴と同じ原理である。)
 本家のパルナックと同じ。但し、1/500までのシャッター速度と、スローはついていない。日常的なスナップであれば、これだけで十分。f11位であれば、結構、広い範囲にピントが合う。
 附属しているレンズはLマウントで交換可能で、ELMARレンズを真似ているが、絞りの位置が本物のELMARとは異なる。インダスタールと言う名前のレンズ。この偽ライカでは、LEICA-ELMARの刻印がしてあるが、虚偽表示である。
 インダスタールレンズは茶色の発色に特長がある。特に線路等の色が独特の憂いを持った色調に仕上がる。結構、描写は精細感がある。
 食品であれば、直ちに「御用」である。
 数日前に撮影中に巻き上げノブが空回りしたので、分解、注油を行う。
 これまで10台近く分解、組み立てをやった。(その内、シャッター膜交換2回、1回は失敗)、軍幹部とボディをこの様に分解するには、螺旋を13個外すだけで良いので、数分で出来る。
 コンタックスコピーのキエフも分解したが、これは、再組み立てに数時間かかった。
 アル中なのか、細かい螺旋を開け閉めする作業は、手が震えるが、螺旋を舐めずに締めるコツは知っているので、簡単。
 無事に組み上がって、お散歩カメラとして重宝している。
 大きさもコンパクトデジカメの大きい位。デザインは派手だが、最近では、コンパクトデジカメでも女性の服飾品の様な派手なデザインのものが多いので、カメラを持っていても、ジロジロ見られる事は少なくなって来た。
 楽しいカメラである。