カルチャーという虚業2009/02/25 21:29

 NHK文化センターで開講される佛教大学文学部教授であられる斎藤英喜先生の「日本神話の世界」の受講申込みに行って来た。受講料は、1万5,250円だが、これに申込金が加わり、合計2万1千円の大金を支払った。

 給料日だったので、おまけにお寿司屋さんで一杯やって気分が良かったので申し込んでしまった。後で、後悔している。

 それにしてもパンフレットを眺めていると伊井春樹先生の枕草子教室(こちらの方が面白そうだが、平日の午前中なので絶対に無理)、この他にも「なるほど昆虫学」とか、まさにカルチャーの百鬼夜行の世界である。

 昔のカルチャー教室は種類も限られていたが、次々と新商品、新企画が生まれており、格差社会の中で、有閑ブルジョア階級の方々を対象にした新しいビジネスだと言えよう。

 ページをめくっていくと、何やら、私と同じ名字の妙な名前が、な、なんと、叔母が絵画教室を開いている。叔母は母よりもたしか2歳年上なので、今年78歳になる筈だが、こんな駅前第4ビルに隔週出かけてきて、老骨に鞭打って生活の資を得ている。

 パリエコールノルマルを出ており、小磯良平門下ということで、生徒さんがつくのだろう。以前、逢った時に、国民年金だけでは暮らしていけず、家賃も支払えないので、NHKのお世話になっているとのこと。

 現代アートというか、現代の西洋画家の人達の中で生前に純粋にゲイジツで食べていけるのは、100人いて数名位。残りは、大学や高校、中学の教員とかカルチャースクール、自宅で開催する子供のための絵画教室等で稼ぐことになる。

 まだ、生前は、時めいていても死んで100年も経てば、忘れられてしまって、むしろ生きている時は、乞食同然の暮らしをしていたものが、もてはやされることもあるので、ゲイジツというかカルチャーというのは、本当に虚業だと思う。

 やはり家で一人本を読んでいた方が、よっぽど文化的だと後悔している。

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