式王子と節博士2009/04/27 09:08

IXYDIGITAL70で撮影。
 斎藤先生のブログ「日記抄」を読んでいると面白い記事にであった。
 http://www5.diary.ne.jp/user/504046/#1240766883

 密教陰陽道の「式王子」といざなぎ流の「式王子」との共通点に着目されている。

 式王子とは、斎藤先生のいざなぎ流に出てくる言葉で、祭文の裏に書かれた法文によって操作される式神のことである。

 神霊(心霊)の力を操作し、病人祈祷の為に使役される神霊のことを指す。

 一方、『頓成悉地盤法次第』に出てくる式王子と言う語は、金剛密教の地鎮祭の時に用いられる用語であると思う。

 金剛密教と陰陽道との関係は、

 仏(神霊)→式神→地神(地霊)という関係となる。

 その儀式に使用されたケツと呼ばれる法具が京都の考古資料館に展示されている。これが地霊に式神(式王子を導く為のものである。)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=1b2CLvWrALw
 円形の羅針盤をしたものである。

 実際の密教儀式では、これらの法具を式神にみたてるのである。これは、神道の影響で、ヨリシロ的な考え方であると思う。

 古代日本では、面白い言葉遣いがある。「博士」(はかせ)という言葉があるが、これは、道具にも用いられる。例えば、「ふしはかせ」という言葉は、歌謡や詩文の朗唱の際にテキストの脇に記した記号である。つまり、記号が「博士」なんである。

 つまり、圧倒的な権威や威力があるものを器物や記号になぞらえることが日常的に行われていたのである。

 案外、この金沢文庫の式王子は、そうした密教陰陽道の法具である可能性もある。注意されたい。

 いざなぎ流に出てくる「式王子」は、もっともっと、原初的な日本古来神道の姿を伝えたものであり、目に見えない「神霊」の姿を宿しているのである。