私は、佛大になんとか生き残ってもらいたい2010/01/02 10:12

 佛教大学から年賀状ならぬ紫野通信が元旦に届いた。

 同窓会報(通学・通信連携)と簡単なパンフレット及び佛教大学報第59号が同封された分厚い封筒だった。

 何事かと思ったが、ちょうど何か読みたいと思っていたので、これらをじっくりと読んだ。

 「紫野」は、冒頭に池坊の娘さん(なんでも鑑定団にこの間、出演されていたや、水谷浄土宗総長の対談が掲載されていた。池坊美佳さんは、佛大社会学部社会福祉学科出身ということで、「この人も佛大かぁ~」と思いながら、美貌を拝見。

 最近は、佛大に出かけていないが、キャンパス工事の真っ最中で、仮校舎13、14号館が完成し、9号館が解体される記事が載っていった。二条駅の近くのキャンパスも着工するという。

 最近、佛大は、文系離れというか、実用的な学部を創設して生き残りを図ろうとしている。

 これまで、佛大を支えて来た教育学部や社会福祉学部、通信教育部門は、他大学との競合激化や少子高齢化の影響で、今後は、従来の様な「牽引車」としての役割を期待出来なくなっている為のようだ。


 後は、第27回全日本大学女子駅伝対校選手権大会での初優勝の記事とか盛りだくさん。

 最後に同窓生が出版された書籍の分野で、同窓の山田彩子さんの朗読CD「万葉の風 遙かな夢」が掲載されていた。興味深いのは、佛大の通信課程出身者が紹介されていた7冊の内、4冊を占めており、残りの3冊は、通学過程出身も博士課程の様なアカデミーコースを経られた方が出された本であり、一般の出身者が出された本が少ない点で、やはり通信出身の人が頑張られていると思った。


 学報は、大部分が資料的なドキュメント記事が多いが、印象に残っているのは、冒頭の山極学長、清水先生、浜岡先生の対談である。

 山極学長や浜岡先生とは、私も直接、お話したことがある。通信生でもこれくらい教員と学生とのコミュニケーションがある程の佛大の特色として、やはり少人数教育という点をセールスポイントにされ、対談でも取りあげられていた。

 後、印象に残った掲載内容としては、黒田彰先生が学術賞を御著書「孝子伝図の研究」で受賞されたことや李冬木先生(中国学科)がハーバードに留学(研修)された際に大病の手術を受けたが、1400万円もの費用がかかり、大学がかけていた保険の800万円を超えており、600万円が事故負担になってしまったことで、実にお気の毒だと思う。幸いにも回復されておられ元気なのはなによりだが。


 私個人としては、昨年は、佛教大学と離れてしまった1年間だったが、やはり空しかった。また、なんらかの学部に再入学したい。

 佛大が良いと思うのは、1人の学生の視野で捉えきれる位の規模の大学である点で、現代の大学が置かれている状況とか、IT関連の進歩がどの様に活かされているか等を体験出来る点である。

 特に私の様に零細企業に勤務しているとIT設備の更新も遅れがちであり、現在の標準的なIT環境のレベルと運用状況、それに必要な適性と能力等を知ることが出来ない。

 佛大の通信学生という比較的大きな組織の構成員となることで得られる点は大きい。

 大企業や官庁に勤務されている方と、中小零細企業、あるいは、個人商店の経営や従業員との方とでの社会的ハンディは相当大きいが、その原因は、この様なリテラシー環境の格差によるものであることは、案外に自覚、認識されていないのではないだろうか。

 教育産業は商品を購入することで、一定のサービスを受けることが出来る。例えば、コンピュータスクール等での講習や、家電量販店、コンピュータ専門点、専門雑誌では、先端の技術や商品、サービスの情報は入手出来る。

 しかし、これらが、実務にどの様に使われているのかについては、身近な知人や友人に尋ねる以外に方法はない。

 例えば、ウインドウズ7が発売されたが、現在、大学等の研究機関で、標準的レベルで瑕疵なく運用可能なOSやネットワーク、通信システムはどれが相応しいのか等については、やはり、佛大でのリテラシーの教育システムや、サンラーラとか学術論文の検索システム等の実際に運用されているITシステムを体験して、これから自分の仕事や会社で必要なIT技術でどれが一番、重要なのかを見定めることが出来るといった点で、佛大での学修は有意義である。

 スクーリング授業では、ゼミでの発表や討論を通じて、自らの意見の客観的な主張と討論に技術を修得・維持し、職場を離れて、教師や学生さんが何を問題にして、考えられているのかを知ることが出来るのも大きなメリットと思う。

 つまり、佛大の通信課程で学ぶということは、専門の学術知識を習得すると言った点以外の要素で得られるものが非常に大きい。この点を、佛教大学の通信教育のセールスポイントとして、大いに主張すべきだと思う。

 佛教大学は、華やかな100周年記念行事とは、裏腹に、現在、危機的な状況にある。

 10年度の通学入試では、受験者数自体の減少、通信学生も最盛時に比べて35%程度の水準まで落ち込んでいる。学生さんの募集と獲得が順調に行わなければ、学生数が限度まで減っているので、運営自体が厳しくなっていく。

 私は、佛教大学になんとか生き残ってもらいたい。

 この為、貴重な宣伝活動費を投入して、阪急電車内や阪神地下街等でも広告、PRを行っている。全国各地で講演や学習会を一般参加の形でやっている。これらが効果を産むことは期待されるが、実際、投入費用対効果の点で疑問になることが多い。

 最も大きい欠点は、本当に広告やPRが効果を挙げているかについて、客観的なフィードバック情報を得ることが出来ないことである。

 具体的な方策としては、通信学生の中から何らかの特典を設けて、モニター学生を募集、プライバシーや個人情報を侵害しない範囲内で、一般の学生が佛教大学の教学環境についてどの様な印象を持っているのか、教育学部や社会福祉学部、歴史関係の学部を持っているライバルの通信過程を持っている他大学と比べてどうなのか、何が一番必要なのかを知り、対応策を迅速に実施していく方法である。

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